言の葉の庭のレビュー・感想・評価
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ズルイがサイコー!ってか、花澤香菜サイコー!
この映画はズルイ!こんなキラキラした瞬間だけをパッケージングしたら、そりゃあ良い作品になるよ!でも、こんな作品を衒いもなく作り、しかも押し付けがましくない絶妙なバランスになっているのは、間違いなく新海誠監督の為せる技なんだと思う。
ピアノ曲で話を省略していくあたりも「ズルイ」とは思う。が、そこに妙な余韻が残ったりして、作品に深みを出している。「秒速…」でも似たような事をしていたし、新海誠監督の作家性みたいなもんなんだろうね。
DVDで観たんだけど、映像特典が素晴らしいね。特にインタビューがサイコー!新海誠監督の作品造りへのアプローチの仕方や色使い、キャラクター付けとブラッシュアップ、監督の足フェチ説、入野自由の役造りの為のキャラ分析、そして花澤香菜!インタビューの全てが面白い!更にインタビューを見た後で本編を見直すと、また違った映画に見えてくるし、より面白くなる。
ただ、私が花澤香菜の声が好きだから、それに引っ張られてるっていうのは、ある。
なんて雑な映画だ
背景の美麗さを取れば何も残らないどころか、マイナス要素ばかりが目につく。
とにかく全体的に雑。ストーリーの是非は置いておいても(これも個人的には無駄な設定ばかり、キャラクターの性質や行動も極端すぎて感情移入もできず全然面白くはなかったが)演出、カット、展開や台詞回しすべてに安っぽさを感じる。カメラワークにも意図を感じられず適当ぶっこいてるようにすら見え(なんかサブカル系の写真好きが撮った生活空間を切り取った系の謎めいた写真作品みたいなカットが多かった)、キャラクターの演技が大根役者風に映る。大学2年生が撮影した自主制作の短編映画もどきを観ている気分になる…。
監督の思う「なんとなくこういう構図かっこいいだろ?」というオナニーめいた妄想があって、それを描くためにアニメをつくってるような印象を受ける。気持ち悪い。
せっかくしっとりした情緒のある背景が描けるのだから、台詞の量とムダ設定を半分に削ぎ落として、多くを語らずキャラクターの表情の機微や演出で魅せる作品になっていたら、きっと佳作になれたかもしれないのに。
なかなかこんな駄作には巡り会えない。そういった点では貴重なアニメ映画。
新海クオリティ ソノ3
3年前の作品
グッと上映日が近づいて、多分、この作品がこの監督を世間に知らしめたのだろうというネット上の評。自分は全然知らなかったのは単なる不勉強以外の何ものでもない・・・
以前の作品とは違って、雨のシーンを多用し、映像にしっとりとした湿り気を漂わせて益々大人向けの演出を帯びている。
主人公の男子高校生と謎の女性が新宿御苑の東屋で偶然知り合う。何だか益々フランス映画のイメージが濃くなってきたような・・・
男子は子供から大人へと変化する成長期の真直中。その大人の女性の存在に憧れと恐れや反発を抱きながらも惹かれてゆく。この頃の男はとにかく年上女性に対する想いはとても強い。母親とは違うその存在にどう接すればよいのか、どの引き出しを引っ張り出しても対処が出てこないのだ。その想いを俯瞰で観るように、視点はニューヨークのセントラルパーク宜しく、大都会にぽっかりと緑で埋まる御苑から新高層ビル群や、NTTの時計台へと駆け上がる。
初めて逢ったの筈なのに概視感が否めないその女性は、去り際に和歌を諳んじる。重要なフリだ。まるで試すかのようなその和歌を留めながら、その女性の傷ついているであろう心に応えるかのように、少年は靴職人としての夢の一歩として、女性のために靴を作る決心をする。淡い恋心と共に・・・しかし実はその女性は少年が通っていた高校の国語教師であり、心ない生徒の執拗なイジメにより、職場放棄を余儀なくされ、精神的に追い詰められた状況であったのだ。全てに対し臆病になっている女性は、不意に告白をされるその少年を、しかし常識的に教師と学生という垣根からははみ出さずやんわりと拒絶する。しかし、飛び出していったその少年の気持ちを咀嚼していく内に本当の自分の気持ちを知り、裸足のまま少年を追いかける。非常階段での少年の詰りに、教師は少年を抱きしめる事でその愛情を受け止める。ここで、大江千里の『rain』がフィルイン。もう滂沱の涙しかでてこないこの演出は、流石、新海節だ。特に自分としては学生時代に聴き倒した大江千里のしかも、『rain』なんていうシングルカットされていないそんなに有名ではない曲が流れることにより感動を覚えた。残念ながら秦基博が歌っているバージョンなのが心許ないが・・・
多感な少年時代の大人への階段、そして現実の大人になってからの心の傷つき、その出会いが織りなす心の交差と咆吼を静かな雨が背景となって、物語を紡いでいく正に大人のアニメである。 雨が降ってくればあなたを引き留めることができるのに・・・ いや、降らなくても私は留まりますよ、あなたが引き留めてくれるならば・・・
何回目の鑑賞だろう
もう何回観たかわからないくらいみてます
ハマってます
そして見る度に新たな発見
ひとつひとつのシーンの間に
気づけます
正直1度の鑑賞じゃ
なんとなくよかったなあくらいしか
おもってませんでした。
でも見れば見るほど魅せられます。
それは主人公2人の
心理描写がほんと凄く、繊細に
描かれてるからかもしれません
ゆきの先生の孤独や悲哀なんかはとくに
繊細に描かれていて
部屋の散らかり
ボロボロに割れたファンデーション
どこかぼさっとした髪型
こういうところから
ゆきの先生がどれだけ
落ちてるかわかる気がします。
ただゆきの先生は最後部屋から
走りでるシーンは裸足でかけていきます
そこに注目させるかのようなコマ割りもしてます
きっとゆきの先生が歩くのに必要だったのは
靴ではなくたかおくんのような
純粋な気持ちで受け入れてくれる存在だったんでしょう
新海さんはいつも最後にちょこっとこういうシーンを描いてくるからすごいです。
あと秒速5センチメートルは距離と時間という壁で
言の葉の庭では年齢差という距離を描いてるようなきがしました!
近いのにすぐそばなのに
遠く感じる、、、といったものを感じました。
この作品をみてから雨が好きになりました
美しく繊細かつ丁寧な描写
話のテーマは、ソフトな恋愛かな。
絵の美しさがストーリーの内容とよく調和していたと思う。
上映時間が短いためか、台詞や場面の移り変わりは少ないが、背景だけでなく登場人物の心理描写も丁寧だった
純文学
実はこの作品は2回目の鑑賞になります。
1回目のときと変わらない印象だったので、書いてみます。
僕自身は泣く、ということはありませんでした。しかし、手足の先までむず痒くなるような、毛細血管の先まで温かい血が通っていくような、そんな陽光に当たったような感覚に陥りました。不器用な2人が、意図的に情念のたけをぶつけて金網を乗り越えるのではなく、自己と彼との距離を丁寧に測りながら、しかし確かな深くにある自らの気持ちと向き合いながら、雨を契機として少しずつ踏みこんでいく描写は、雨と色彩を供なって脳髄に働きかけてきました。一つ一つの情景描写は、2人の心象とその距離感を如実に反映していて、眼底に染み込んでいきました。
僕が読んだ小説でいえば、吉行大兄の「驟雨」を思い出します。
この作品は純文学的だと思ったので、感想もそれっぽく書いてみました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
乱筆乱文失礼いたしました。
雨がちょっと好きになる
東京の雨って、嫌いだったけど、これ見てちょっと変わった。ひと粒1粒地面にぶつかって、跳ね上がる感じが素敵だなぁ、と。
それに、実は新宿御苑の緑が豊かなことに気付かされた。
2人の今後が幸せであれって、思ってしまう。
まっすぐ歩く勇気をもらえます。
人とは違う道、特殊な夢をもつ高校生が、
夢と現実の間で悩み、現実との壁を作る時、
訳あり風の大人の女性と出会う。
大人になっても逃げる。
上手く歩けなくなる。
人はいくつになっても弱さを持つもの。
夢が叶ってからも、ずっと悩み続けるもの。
完璧じゃない女性との出会いが、
彼が作り出した現実との壁を壊していく。
大人も子どもも、弱さをもつものだから、
どんな時でも心に寄り添ってくれる人が必要と、
そう訴えかけてくる映画でした。
現実味のない設定では、ありますが、
無理やりのハッピーエンドで終わらず、
身の丈に合った恋愛の表現がさらに好感度大でした。
夢に対しての、勉強に対して、
仕事でも、人間関係でも何にでも、
悩みを持つ時、逃げ出したくて仕方なくなる時、見て欲しい映画です。
まっすぐ歩く勇気をもらえます。
美しい雨
雨って美しいんだと思える作品
わけあり年上女性と男子高校生
二人が会っている時はファンタジーのように美しいが、それぞれの生活はとても現実味があり、悩みもある
恋愛ってファンタジーなものかもと思った
一夏の恋って感じがより美しさを助長していた
未来のお話しが知りたくなった
雨のシーンが素敵
最近 新海誠の作品を観だして(映画の予告編で「君の名は」を観てから新海誠の作品が観たくなり)
電車や駅の改札や日常の風景から始まって あの雨・・・
雨のシーンが美しくて
雨なんて憂鬱なものでしかないものが、この映画を観ていたら
雨も悪くないと思えてしまう
そして 2人の男女の出会いで物語が始まって・・・
ときめいて 泣かされて・・・
とても良かったです
早く「君の名は」を観たいです
映像美にくらくら。美しくて儚い青春
実に美しい。新海誠監督の新作「君の名は?」の公開にあわせて、深夜にやっていたこの作品を視聴。すごく綺麗で感動しました。
話はショートストーリーなんですけど。謎も散らばって、短歌の謎も効いています。主な舞台が新宿御苑というのもすごい。ただ新宿御苑はお酒はダメらしい。都会の中の公園、それも雨の降る日の朝に限る密会(笑)密会でも何でもなくただサボっているだけです。女性と主人公の交流がとっても綺麗で美しい。特に靴の型どり(?)をする時のエロス感といったら…。この辺が青春映画の白眉でしょうか。
最後はお決まりの別れは必須ですが、決して悲観的なものではなく、前に進んでいるのが実に良いと思います。この映画のキモは靴。シンデレラに靴をちゃんと履いてもらわなくっちゃね。
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