言の葉の庭のレビュー・感想・評価
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ちょっと、こそばい
「君の名は」のヒットによるのか、旧作が限定上映されたので行ってみた。
映像はなかなか綺麗。
以前からこのクオリティなのね・・・
ビールにチョコレート・・・摂食障害として扱われていたが、特に違和感なく、あればつまみにしていたりする。
(ビールの苦みが堪能できたりするので)
主人公ができすぎ君にも感じる。
誰にも師事せず独学でって、職人の世界がそんなに甘いもんじゃないと思うが・・・プラモデルじゃないんだから。
そこがアニメたる所以か。
ラストのほう、ヒロインの状況がよく把握できなかった。
なんとなく、取って付けたような設定にも感じたが・・・
子の親の視点からすると、ちょっと、このヒロイン(先生)、危なすぎ?先生に向いていないような・・・まぁ、男子生徒がからかうには持って来いな先生だとは思う。
若い女性教師と男子、以前にも漫画にあったような気もしたが、一線を超えるような発展もなく?一安心。
ラストの盛り上げ方もちょっと、取って付けたように感じた。
悪くはないのだが。
ただ、先生のマンション?建物の構造がおかしい気もする(あんな高層であの階段?画的にはピッタリかもしれないが、転落防止の配慮がなく、建設業的視点では気持ち悪い)。リアルを追及しているように見えて、ここかしこがちょっと変なので目立つ。
人間の動きが風景に比べて雑な感じもする。
人間の動きは「君の名は」では特に気にならなかったので、進歩はしているのだろう。
ズルイがサイコー!ってか、花澤香菜サイコー!
この映画はズルイ!こんなキラキラした瞬間だけをパッケージングしたら、そりゃあ良い作品になるよ!でも、こんな作品を衒いもなく作り、しかも押し付けがましくない絶妙なバランスになっているのは、間違いなく新海誠監督の為せる技なんだと思う。
ピアノ曲で話を省略していくあたりも「ズルイ」とは思う。が、そこに妙な余韻が残ったりして、作品に深みを出している。「秒速…」でも似たような事をしていたし、新海誠監督の作家性みたいなもんなんだろうね。
DVDで観たんだけど、映像特典が素晴らしいね。特にインタビューがサイコー!新海誠監督の作品造りへのアプローチの仕方や色使い、キャラクター付けとブラッシュアップ、監督の足フェチ説、入野自由の役造りの為のキャラ分析、そして花澤香菜!インタビューの全てが面白い!更にインタビューを見た後で本編を見直すと、また違った映画に見えてくるし、より面白くなる。
ただ、私が花澤香菜の声が好きだから、それに引っ張られてるっていうのは、ある。
なんて雑な映画だ
背景の美麗さを取れば何も残らないどころか、マイナス要素ばかりが目につく。
とにかく全体的に雑。ストーリーの是非は置いておいても(これも個人的には無駄な設定ばかり、キャラクターの性質や行動も極端すぎて感情移入もできず全然面白くはなかったが)演出、カット、展開や台詞回しすべてに安っぽさを感じる。カメラワークにも意図を感じられず適当ぶっこいてるようにすら見え(なんかサブカル系の写真好きが撮った生活空間を切り取った系の謎めいた写真作品みたいなカットが多かった)、キャラクターの演技が大根役者風に映る。大学2年生が撮影した自主制作の短編映画もどきを観ている気分になる…。
監督の思う「なんとなくこういう構図かっこいいだろ?」というオナニーめいた妄想があって、それを描くためにアニメをつくってるような印象を受ける。気持ち悪い。
せっかくしっとりした情緒のある背景が描けるのだから、台詞の量とムダ設定を半分に削ぎ落として、多くを語らずキャラクターの表情の機微や演出で魅せる作品になっていたら、きっと佳作になれたかもしれないのに。
なかなかこんな駄作には巡り会えない。そういった点では貴重なアニメ映画。
新海クオリティ ソノ3
3年前の作品
グッと上映日が近づいて、多分、この作品がこの監督を世間に知らしめたのだろうというネット上の評。自分は全然知らなかったのは単なる不勉強以外の何ものでもない・・・
以前の作品とは違って、雨のシーンを多用し、映像にしっとりとした湿り気を漂わせて益々大人向けの演出を帯びている。
主人公の男子高校生と謎の女性が新宿御苑の東屋で偶然知り合う。何だか益々フランス映画のイメージが濃くなってきたような・・・
男子は子供から大人へと変化する成長期の真直中。その大人の女性の存在に憧れと恐れや反発を抱きながらも惹かれてゆく。この頃の男はとにかく年上女性に対する想いはとても強い。母親とは違うその存在にどう接すればよいのか、どの引き出しを引っ張り出しても対処が出てこないのだ。その想いを俯瞰で観るように、視点はニューヨークのセントラルパーク宜しく、大都会にぽっかりと緑で埋まる御苑から新高層ビル群や、NTTの時計台へと駆け上がる。
初めて逢ったの筈なのに概視感が否めないその女性は、去り際に和歌を諳んじる。重要なフリだ。まるで試すかのようなその和歌を留めながら、その女性の傷ついているであろう心に応えるかのように、少年は靴職人としての夢の一歩として、女性のために靴を作る決心をする。淡い恋心と共に・・・しかし実はその女性は少年が通っていた高校の国語教師であり、心ない生徒の執拗なイジメにより、職場放棄を余儀なくされ、精神的に追い詰められた状況であったのだ。全てに対し臆病になっている女性は、不意に告白をされるその少年を、しかし常識的に教師と学生という垣根からははみ出さずやんわりと拒絶する。しかし、飛び出していったその少年の気持ちを咀嚼していく内に本当の自分の気持ちを知り、裸足のまま少年を追いかける。非常階段での少年の詰りに、教師は少年を抱きしめる事でその愛情を受け止める。ここで、大江千里の『rain』がフィルイン。もう滂沱の涙しかでてこないこの演出は、流石、新海節だ。特に自分としては学生時代に聴き倒した大江千里のしかも、『rain』なんていうシングルカットされていないそんなに有名ではない曲が流れることにより感動を覚えた。残念ながら秦基博が歌っているバージョンなのが心許ないが・・・
多感な少年時代の大人への階段、そして現実の大人になってからの心の傷つき、その出会いが織りなす心の交差と咆吼を静かな雨が背景となって、物語を紡いでいく正に大人のアニメである。 雨が降ってくればあなたを引き留めることができるのに・・・ いや、降らなくても私は留まりますよ、あなたが引き留めてくれるならば・・・
何回目の鑑賞だろう
もう何回観たかわからないくらいみてます
ハマってます
そして見る度に新たな発見
ひとつひとつのシーンの間に
気づけます
正直1度の鑑賞じゃ
なんとなくよかったなあくらいしか
おもってませんでした。
でも見れば見るほど魅せられます。
それは主人公2人の
心理描写がほんと凄く、繊細に
描かれてるからかもしれません
ゆきの先生の孤独や悲哀なんかはとくに
繊細に描かれていて
部屋の散らかり
ボロボロに割れたファンデーション
どこかぼさっとした髪型
こういうところから
ゆきの先生がどれだけ
落ちてるかわかる気がします。
ただゆきの先生は最後部屋から
走りでるシーンは裸足でかけていきます
そこに注目させるかのようなコマ割りもしてます
きっとゆきの先生が歩くのに必要だったのは
靴ではなくたかおくんのような
純粋な気持ちで受け入れてくれる存在だったんでしょう
新海さんはいつも最後にちょこっとこういうシーンを描いてくるからすごいです。
あと秒速5センチメートルは距離と時間という壁で
言の葉の庭では年齢差という距離を描いてるようなきがしました!
近いのにすぐそばなのに
遠く感じる、、、といったものを感じました。
この作品をみてから雨が好きになりました
純文学
実はこの作品は2回目の鑑賞になります。
1回目のときと変わらない印象だったので、書いてみます。
僕自身は泣く、ということはありませんでした。しかし、手足の先までむず痒くなるような、毛細血管の先まで温かい血が通っていくような、そんな陽光に当たったような感覚に陥りました。不器用な2人が、意図的に情念のたけをぶつけて金網を乗り越えるのではなく、自己と彼との距離を丁寧に測りながら、しかし確かな深くにある自らの気持ちと向き合いながら、雨を契機として少しずつ踏みこんでいく描写は、雨と色彩を供なって脳髄に働きかけてきました。一つ一つの情景描写は、2人の心象とその距離感を如実に反映していて、眼底に染み込んでいきました。
僕が読んだ小説でいえば、吉行大兄の「驟雨」を思い出します。
この作品は純文学的だと思ったので、感想もそれっぽく書いてみました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
乱筆乱文失礼いたしました。
雨がちょっと好きになる
まっすぐ歩く勇気をもらえます。
人とは違う道、特殊な夢をもつ高校生が、
夢と現実の間で悩み、現実との壁を作る時、
訳あり風の大人の女性と出会う。
大人になっても逃げる。
上手く歩けなくなる。
人はいくつになっても弱さを持つもの。
夢が叶ってからも、ずっと悩み続けるもの。
完璧じゃない女性との出会いが、
彼が作り出した現実との壁を壊していく。
大人も子どもも、弱さをもつものだから、
どんな時でも心に寄り添ってくれる人が必要と、
そう訴えかけてくる映画でした。
現実味のない設定では、ありますが、
無理やりのハッピーエンドで終わらず、
身の丈に合った恋愛の表現がさらに好感度大でした。
夢に対しての、勉強に対して、
仕事でも、人間関係でも何にでも、
悩みを持つ時、逃げ出したくて仕方なくなる時、見て欲しい映画です。
まっすぐ歩く勇気をもらえます。
美しい雨
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