「ワタシは27歳だけど、心の成長が15歳のまま、止まってる・・・」言の葉の庭 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
ワタシは27歳だけど、心の成長が15歳のまま、止まってる・・・
2013年。監督・原作・脚本・絵コンテ・演出・撮影監督・編集。
全て新海誠。46分。
タカオとユキノが語り合う雨の公園の東屋。
新宿御苑がモデルだという。
新緑の葉の濡れた樹木が信じられないくらいに美しい。
雨の朝は途中下車して学校をサボるタカオ。
会社(?)へ行けなくて、途中下車して東屋で缶ビールを飲んでいるユキノ。
タカオもユキノもまるで行きずり。
名前さえ知らない。
雨の朝には公園のベンチでふたりは、ひとときを過ごす。
缶ビールを朝から飲み干し、ツマミはチョコレート。
ユキノのちょっと壊れたところが、とても新鮮だしインパクトがある。
(しょせん人間なんて、どっかちょっとずつ、おかしいんだから・・・)
と、ユキノが言う。
地下鉄の構内や駅周辺(新宿?)の都市景観はまるで実写のようだ。
15歳のタカオは大人びている。
15歳で心の成長の止まってるユキノよりずっと大人だ。
靴職人を目指しているタカオは、真っ直ぐでブレない。
心の傷を抱えるユキノは、雨の中、ダンボールに入れて捨てられた野良猫みたい。
15歳の高校1年男子。
27歳で訳あり孤独な女性。
ふたりの邂逅が奇跡のよう。
映像の美しさ。
流れるピアノのBGM。
そしてストーリーテリングの巧さに舌を巻きます。
ユキノがマンション階段で、泣き崩れてタカオにすがりつくシーン。
ユキノの感情が爆発して迸る強さに圧倒されます。
(ユキノが心の硬い殻を破った瞬間!!)
音楽に物語を委ねて手助けをさせる新海誠監督の手法。
もう確立してたのですね、ずうっと前から!!
とても胸打つ映像・映画でした。
過去鑑賞
ご丁寧に返信ありがとうございます 又、お気遣い頂き、痛み入ります
カバー曲ですね しゃがれた声よりも、澄んだ声質の方が作品とマッチしたのか、それとも依頼の際に問題があったのか、分りませんが、私は大江千里のオリジナル以外に考えられません 前奏が殆ど無く、直ぐに歌い出すドラマチックな曲調と、荒削りな声質、そしてエレガントな曲調に魅了されました
ちなみに、私もネットで知ったのですが、『君の名は。』に、古典の教師「ユキちゃん先生」でカメオ出演してますね^^
自分とすれば、今作の続きを同じ位の尺でまた制作して欲しいです 大風呂敷を広げ過ぎてしまいがちの昨今の監督作品、もっと市井のなんてことないシチュエーションにフィーチャーして欲しいと願うばかりです
戯れ言ですから、返信は気にせず、捨ておいて下さい
新宿御苑は実は超穴場。新宿というより殆ど千駄ヶ谷なので、常に閑静で、都会のど真ん中にいることを忘れられますねぇ。それと新海誠。短編アニメ映画とはいえ貴殿のレビュー拝見すると面白そうです。ありがとうございました😊。
失礼します
共感ポイントありがとうございます
初公開がもう10年前、自分が観たのが目黒シネマで7年前 随分経ちました
あれから観直していませんので、細かい描写は記憶のヒダに入り込んでしまい頭のスクリーンに再演できませんが、やはり『rain』の挿入がとても印象的で素晴らしい作品でした 新海作品の初期の中でも自分ではベストだと思っています
確かファンタジーを落としてリアリティに特化したことで、映像美とほろ苦いストーリーを表現した落ち着きある内容に満足したことを記憶しております
原点回帰、又こういう作品を監督は作ってくれないでしょうか?と、願う自分ですw
琥珀糖さん
こちらこそありがとうございます。
この作品は何度観ても
同じシーンで涙が溢れます。
君の名は。の時もそうでした。
不思議ですね。
フォローまでして頂いて
ありがとうございます。