劇場公開日 2013年5月31日

「雨の切なさ≒恋の儚さ」言の葉の庭 モテラドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5雨の切なさ≒恋の儚さ

2017年12月31日
iPhoneアプリから投稿

新海誠の作品は相変わらず男女の絶妙な距離感の描き方が巧み。
詩的な台詞も、雑多に溢れているライトノベルの稚拙な臭い言い回しとは一線を画しており情緒を感じられる。
雪野と秋月は何回か会う内に、雨の日が恋しくなりお互いにもどかしい日々を過ごしていた。しかし、その理由はお互い違っていた。
雪野は秋月と会話することにより病状が良くなったがそこに恋愛感情はなく、気晴らし程度の存在であった。(年の差や師弟ということも関係してると思われるが)
対する秋月は、雪野のことをよく知らないといいつつも恋愛感情を抱き思わせぶりな態度を取ったと勘違いする辺りに男女の違いが表れていると読み取れた。ただ、雪野に一切の恋愛感情がないという訳ではなさそうなのでいつか結ばれることを願うばかりである。
秒速五センチメートルとは違い「いつか遠くまで歩けるようになったら会いに行こう」
と、前向きに締めくくられており自分の中で美しい物語という位置付けになった。

秋月 孝雄(あきづき たかお):主人公
雪野 百香里(ゆきの ゆかり):ヒロイン

モテラド