ウォーム・ボディーズのレビュー・感想・評価
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普通に面白かった
新感覚ゾンビ映画
かわいいゾンビ映画
今まで観たことのないゾンビ映画
一応ゾンビ映画ではあるものの、怖いものが苦手な方でも身構えずに見られる作品。かといって怖いものが好きな方やゾンビ映画ファンが観ても、こんなゾンビ映画があったんだと思える一作
ゾンビの設定も、今までのゆっくり歩き回り、走るのが苦手なシンプルなゾンビになっている。だけど、脳みそを食べるとその者の記憶や感情を体験出来たり、ほんの僅かながら言葉を発することが出来る個体がいたりと、王道の設定を残しつつその中にも少しのアレンジを入れてる所が新鮮さを出していた。
音楽も劇中でRが流すレコードは有名なものばかりで、その他にもボブ・ディランのシェルター・フロム・ザ・ストームやロイ・オービソンのプリティ・ウーマンなど、昔懐かしい音楽が使用されていて、年配の方でも楽しめる映画だと思う。
腐るほど蔓延してるゾンビ映画の異端作
ゾンビに感情移入
とりあえず面白かった。喋れないけど懸命にヒロインに愛を伝えようとするRが可愛い。あそこで「人間と恋などするなんて!」と横やり入れて来ないのもいいよね。
ほんとおかしな話なんですが、ゾンビたちが今の自分にすごく重なって見えて、そこもポイント高い理由です。もっと言うと、今の日本人(特に若者)を最大級デフォルメしたらゾンビになると思うんですよ。自分の意見は言わない、他者とコミュニケーションはとらない、でも集団で動く…。僕の場合青白い肌と猫背もこれに加わります笑。ゾンビに感情移入という異常事態に陥る僕を尻目に、少しずつ変わっていくゾンビたち。その様が非常に感動的。自分も変わって他者と分かり合えるのではと励まされた気持ちになりました。
作品を通して疑似体験をし、そこから自分なりの考えを芽生えさせることこそ映画の醍醐味だと思いますが、まさかゾンビにそれをさせられるとは…。
そして極めつけにあのラストカットですよね。上手い!!完璧!!
青春ゾンビ映画
なんか新しいゾンビもの
生きる喜びと感動、ゾンビだけど
ゾンビ青年が美少女に恋するお話。笑って泣けて、面白かったです。
ゆらゆら徘徊しながら、なんとなく生前の人柄が偲ばれるゾンビ達。
主人公のR君といえば、どうも生来ゾンビ向きだったとみえて。それが幸いして人間の感受性が保たれているらしいのがスゴく可笑しいです。
バーカウンターで待ち合わせの親友ゾンビMも、生前は無為な日々だったんでしょうか。漢気があって頼もしいゾンビでした。
胸キュンとか、命がけとか、友情とか。生きる喜び、感動をみせてくれました、ゾンビがね。
R君を演じたニコラス・ホルトは見事な成りきりぶり、表情の乏しいキャラクターを繊細に演じてとても良かったです。中盤に美青年ぶりも発揮していて愉快でした。
ジュリーを演じたテリーサ・パーマーと親友のノラを演じたアナリー・ティプトン、二人とも可愛い。登場した時どっちも輝いていて、どちらがヒロインでもいい感じと思いました、これからが楽しみです。
顔色の悪い美青年と美少女の恋物語、もう少し大きな公開でも良かったのでは。やっぱりVに較べるとZはそんなに旗色悪いんでしょうか。
隣に女の子が欲しかった
ハートビート・ゾンビーズ
主人公は、人間の女の子に恋したゾンビ! 全米でスマッシュヒットを飛ばした異色のラブコメ。
ゾンビと聞くとやっぱ気色悪いシーンばっかりが浮かぶ訳だけど、
この映画はゾンビが主人公でありながらそんなシーンはほとんどナシ!
ポップなオープニングからほっこり温かなエンディングまで、全編キュートで楽しい映画でした。
ゾンビ同士のユーモラスなやりとりや、ジュリーに良い(死)人と思われようとする主人公Rの奮闘ぶりにニヤニヤ。
凶暴なガイコツの襲撃や、人間vsゾンビvsガイコツの対決にちょっとだけハラハラ。
Rの恋をきっかけにして、一度死んだ人々がかつての暖かい
気持ちを思い出す様子に、こちらの胸までじんわり暖かくなってくる。
ゾンビと人間を結び付ける為に共通の敵(ガイコツ)を
持ってきたのはややヒネリが無いという気もするけど、
ま、そんな不満は些細な事だ。
やっぱり面白いのは主人公・Rのキャラクター。
心の声とはいえ、こんなにしゃべるゾンビ観たこと無い(笑)。
自己嫌悪、皮肉っぽいグチ、ジュリーへの想いに対する戸惑いまで弱気な青年ゾンビくんがしゃべるしゃべる。
一途で優しいRに少しずつ惹かれていくヒロイン・ジュリーも、
気丈だがどこかヌけてる所や、『なんでゾンビなんかに?』と混乱する様子がなんだか可愛い。
周りを固めるサブキャラもステキだ。
主人公の親友の中年ゾンビ・M。
Rを応援し、体を張って彼を守る熱さにグッと来る。
実は彼も最初と最後ではRと同じくらいに成長していて、最後のシーンには少しだけ泣いてしまった。
ジュリーの親友・ノラも陽気でグッド!
Rに会った時の第一声が「What up?(調子どう?)」てアンタ(笑)。
Rをメイクアップしてキャッキャと喜ぶノー天気さが笑える。
さて、
かの名匠ロメロ監督の『ゾンビ』に登場するゾンビは『大量消費社会
に取り憑かれた人間』の比喩であるとも言われているが(←話がカタいよ)、
『ウォーム・ボディーズ』のゾンビはいわば、人と接して傷付く事を恐れるあまり、無感動に生きる人々の姿だ。
中盤のRのセリフには胸が苦しくなる。
「何かを望むから傷付くんだ。最初から無かったと思えばいい。心を閉ざせば傷付く事もない」
……ここ4, 5年の僕とまるっきり同じじゃないすか。
そんなん言ってちゃダメよ、Rくん、寂しいこと言うなよ。
けどRくんは大丈夫だ。彼は見た目ほど腐っちゃいない。
自分の壁を壊して突き進む勇気を持っている。
この物語は、人を好きになることの嬉しさを、人と繋がることの喜びを思い出させてくれる。
傷付く事を恐れずに進めば、人生は暖かく色付くと言ってくれている。
『壁を壊せば世界が広がる』という、ストレートでポジティブなメッセージ。
素直にステキな映画だった。
ただ……
壁を壊せば世界が広がる。
そう伝わったつもりじゃいるけれど。
やっぱりそれって難しいと思える今日この頃。
〈2013.09.21鑑賞〉
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