ウォーム・ボディーズのレビュー・感想・評価
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【”恋はゾンビを救う。”今までのゾンビ映画には無かった設定が斬新な、ファンタジックゾンビムービー。ニコラス・ホルトは、ゾンビになっても、イケメンです!】
<Caution!内容に触れています。>
■食欲を満たそうと人間の襲撃に向かったゾンビ青年R(ニコラス・ホルト)は、ジュリー(テリーサ・パーマー)という美女に惹かれていく。
彼女を食べずに自分の隠れ家である飛行機の機内へ連れて帰ったRは自分の想いをアピールし、一方のジュリーも次第に彼に対する警戒を解く。
すると、Rの心臓が動き出し、その余波でRの知り合いであるM(ロブ・コードリー)や他のゾンビにも、同様の変化が訪れる。
◆感想
・今までに見て来たゾンビ映画で、この設定は無かったなあ。目から鱗である。
・とにかく、Rを演じたニコラス・ホルトが、ジュリーに恋していくうちにドンドン、人間のようになっていく様は、何だか爽やかな気持ちになったなあ。
そして、その様を見たジュリーの友人は、“イケメンだわ!”などと、宣うのである。そりゃあ、ニコラス・ホルトだからねえ。
<そして、Rとジュリーが抱き合った時に、ジュリーの父グリジオ大佐(ジョン・マルコヴィッチ)の銃弾がRの胸に命中するのだが、その傷口からは血が出るのである。
今作は、発想が斬新なファンタジックゾンビ映画なのである。>
深い
好意的ゾンビ
ゾンビ映画の未来
ゾンビ目線で描いたゾンビ映画とも言えるかもしれないし、感染者への差別撤廃作品とも言えるかもしれない。また、ゾンビ映画としては変わり種ではあるけど、変革を求めた結果生まれた作品なのだろう。コロナのせいで単なるゾンビ映画は興味が薄れてきたけど、恋愛ゾンビ、変革ゾンビといった社会派ゾンビ作品とは違う視点で作られると、共感せざるを得ない。
偏見と差別といったテーマ性はもちろん感じられるが、あくまでも基本は脳を食べてしまうとその被害者の記憶や感情が移植されてしまうゾンビなのです。言葉を発しようにも思ってる言葉は出てこないし、自分の名前さえも忘れ去っている青年R。通常ゾンビの他にも凶暴なガイコツたちがいるという構図。まぁ、結局は共通の敵ってことですね。
高い壁で隔離政策を取るだけではダメ。もう生きた人間よりもゾンビのほうが多くなってきている世界観。生物兵器によるものかウイルスによるものかといった原因は不明だが、彷徨うばかりのゾンビ目線で恋することで何かが変化。そのゾンビと人間のカップルを見るにつけ、仲間のゾンビも徐々に変化していく。種族の違い、伝染病の隔離政策、様々な風刺をも思わせる作りではあるけど、全ては多様性、ダイバーシティだ!などと考えてもいいかもしれない。
ジュリーの父親役マルコビッチはとても似合ってるし、R役のニコラス・ホルトも上手い。猫背から背筋がピンとする変化も見事だ。個人的には言葉が上手く発せられないところがいいと思った。ゾンビメイクがだんだん薄くなってきてるところも。
ゾンビ映画版「ロミオとジュリエット」
ストーリーの骨格は全然違いますが、何となく「ロミオとジュリエット」を彷彿とさせる設定です。
世界が一度崩壊したあとに、愛が地球を救うみたいなノリはちょっとぶっ飛びすぎかもしれませんが、私は楽しめました。
むしろこの映画が、単館系の小品で、さほど評価されていないことに不思議な疑問を感じます。
スターが不在で、これといった派手なヴィジュアルもないために、低予算で制作されたのでしょうが、ゾンビ映画に偏見を持っていた私は、その認識を改めました。
むしろ、ゾンビ映画という括りであれば、いろんな可能性を持った作品を比較的、低予算で制作できる状況なのでしょう。
彼らの次回作が大成功を収めることを祈ります。
特に、音楽の使われ方や、主人公のモノローグ、ちょっと笑える描写などは、ラブコメディのそれと一緒です。
軽く、力を抜いて楽しめる作品です。
2014.8.17
なるほど脳を食べるゾンビの理由が
その人の記憶を取り込んで人間の記憶を取り込めるからゾンビは脳を食べるのと噛むだけのやつがいるのね
噛むだけのは仲間を増やしてるのかな?
なんてよくあるゾンビ映画の疑問が解決しました。
この映画はコメディなんて軽い括りにされてるけどゾンビ映画としての一つの答えを提示している。
ゾンビは伝染病だが愛や人間らしさを思いだして人間性を取り戻していくのがとてもよかった。
レコードを聴いたり友達と会話するゾンビってのも切り口としては面白い。
恋愛要素もくどくないのがいいね。
惜しいのはガイコツの存在かな?
ゾンビは伝染病での結果として理由はわかるけどガイコツはなに?笑
存在理由が曖昧なので、ただ人間とゾンビの共通の敵なだけの存在にされてるのはいまいちかな?
冴えないゾンビの恋愛成長物語
ユートピアとディストピアの境界線が見当たらない
ゾンビが人間性を帯びていく という有りそうで無かった本筋 は面白い。
んー なんというかそれだけだなという感じ。
生理学的に考えてしまうとどうしても希望は見出せないし(繁殖の面から)、気持ちの落としどころが見つからない映画だった。
過去鑑賞
ほっこりゾンビ
食事の前中後には見たくないけれど、
心がゾンビになった時に見るとウォームハートになれます。
ツッコミどころは一杯。
でも、そのツッコミどころも、誰かと一緒に笑い飛ばしながら見たい映画。
中盤切なくて涙が出そうになりました。
生きているからこそ、心も体も傷つくんだね。”夢”を見られるんだね。
欲のために相手を食らいつくすことも可能だけれど、誰かのために、ほんのちょっとでもうごくこともできるんだ。
映画に現れる”壁”は某漫画やトランプ氏を彷彿とさせるけれど、
心の壁も象徴しているのかな。
攻撃は最大の防御だし、壁を作って守っていれば、”感染”を防げるかもしれないからね。
そんなふうに、笑いながらも深読みしたくなります。
けれど、感動巨編まではいかないライトタッチの映画です。
とにかく脚本がいい。
上記のようにツッコミどころも満載ですが、
主人公Rの語りでぐいぐい引っ張られます。
モノローグではそれなりに話すのですが、
声に出せるのは最初は一語文。だから結構ストレート。
で、それを表情や動きで補います。”ゾンビ”で、表情も動きも硬いはずなんだけれど、たっぷりと表現して見せてくれます。
その間が良い。
そこに、要所要所に心くすぐられる音楽がこれまた良い。
そしてキャスティング。
ホルト氏を採用した時点で、この映画の成功は決まったと言いたいです。
相棒にコードリー氏。強面なのに、おかしい。温かい。
そして、なにげに、マルコヴィッチ氏が、ラストを飾ってくれます。あのポカンとした顔!!!『RED』の印象が強かったから、こんな役が新鮮で、いつかなにかやらかしてくれるんじゃないかと、そんな意味でもドキドキしてしまいましたが、正統派的に決めてくれます。
ジュリーの役は、『ジュリエットからの手紙』のセイフライドさんをイメージしたの?と思ってしまいました。よく見ると似ていないのですが。
演出は、上記のように序盤丁寧に作られているのですが、後半は急ぎすぎ。あれよ、あれよとラストに突っ走る。勢いがいいと言えばそうなのですが、ツッコミどころが次々に出てきます。
まあ、この映画が描きたかったのはRの恋心だと思えば許せますが(笑)。
そして、そんな映画の世界観を支える美術。
特に、Rの家の調度類が肝。Rの人柄(ゾンビ柄)を映像で見せてくれます。
と、ライト感覚でB級映画っぽいですが、作りこんでいる映画。
これを”ゾンビ”映画と認定していいのかわかりません。ホラーとグロを期待すると低評価間違いなし。
コメディタッチですが、”コメディ”映画としてみると物足りない。
ジーンと心が温かく、ほろっと来ますが、”感動巨編”と言うほどでもありません。
ちょっとグロい場面がありますし、設定もばかばかしいので、見る人・見る場面を選ぶかもしれませんが、確かにヒットするのも納得です。
誰かとつながりたくなる、そんな映画です。
意外なラスト
ゾンビ映画の体裁をまとった爽やかでキュートなラブストーリー
謎のウィルスで人類の大半がゾンビ化した世界。生き残った人々は街の周りに高い壁を築いて生活している。微かに人間だった頃の記憶が残っている青年ゾンビRはある日壁の外に食糧調達にきた人間たちの1人、ジュリーに一目惚れ、仲間とはぐれたジュリーを匿う。ジュリーのために人肉食をやめ甲斐甲斐しく振る舞うRにジュリーは次第に心開くようになるが、自分の街に帰りたい気持ちが抑えられず・・・。
普通のゾンビと、骨と皮だけの凶暴なボーンズと呼ばれるゾンビの2種類がいるという一風変わった設定はあるものの、ゾンビ映画のお約束とラブコメ要素を融合した青春ドラマで、思春期のワビサビをゾンビ映画のフォーマットで見事に表現。僅かに人間の記憶を残すR君が意味も解らないままアナログレコードを蒐集しているというレトロな趣味を持っている等の設定も相俟って実に愛らしいドラマになっています。
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