ウォーム・ボディーズのレビュー・感想・評価
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斬新な笑い。
冒頭からヘラヘラ笑いこけてしまった。
ゾンビ愛好家からすると許せない描写が満載なのかもしれないが、
なんだこれ?面白いじゃない!ゾンビの独り言(聞いたことないし)
流暢に喋りながら実際は動きがトロくてドン臭いという自虐効果絶大。
会話っぽいこともする。っていう流れには大爆笑。
だってゾンビなんだしー^^;
しかしこれをどう青春映画にするんだろう?と不思議がっていたら、
すんなりとラブストーリーに転化。ゾンビの一目惚れが初々しく描かれ、
人間を襲わないゾンビ(彼女だけね)が誕生する。あり得ねぇ~。
そこからは淡々と人間とゾンビの攻防戦が続いていくんだけど、
なぜか突然、ロミオとジュリエット形式の甘~い感じにもなる^^;
あまりに風変わりで不思議な新鮮さに包まれ、こっちまで体温が上がる。
子役から成長した主役のN・ホルトがとてもいい。
イケメンながらやっぱり毒舌家の風合いを持っていて楽しみな俳優だ。
できればH・グラントのように成長してもらいたい。
監督の代表作「50/50」も、絶望から異色のユーモアを惹きだすことに
成功したポジティブ作品だったが、
今作も同様でテーマにブレがなく、最後まで心地良く観ていられる。
果たしてゾンビは生涯(すでに死んでるけど)人間の敵なんだろうか?
最後には生死を越えた共存を目指して戦いが壮大化する異色作。
(でも共存したら何食べるんだろう?まさかゾンビがベジタリアンにはね)
対立勢力に属する男女の恋の話
「敵対する勢力に属する若い男女が恋をする」という、いわゆるロミオとジュリエットの形式(ただしハッピーエンド)の話です。
敵対する勢力の設定として、ゾンビと人間というのを見持ってきたのが斬新。
以上。
いやほんとに。その斬新さが全て。
ゾンビは徘徊するし人を襲って食うし死んでるから死なないけど、これスプラッタ映画ではないし、そもそもホラーですらないから。
ゾンビとはいかようなものかの新解釈はなかなか面白い。
実は思考能力があって、それなりに考えてコミュニケーションをとっているというのはありそうでなかなかなかったアイデア。
ゾンビがなぜ脳を食うのか、その答えとストーリーが融和してるのも大変良い。
だけど、断片だけの発話のはずが割と初期からまともな会話してたり、他のゾンビも音楽や収集行動してねぐらを決めてるのかとか、車あるならその足でさっさと逃げろよとか、傷ついた体は最後どうなるのかとか、ガイコツはガイコツで組織的行動とってたりとか、唐突に暖かいとか言い出したりとか、変なところがいろいろあるのだ。
でもまあ、ゾンビというのは単なる「対立する勢力」の置き換えなので、少なくない突っ込みどころも目をつぶるのが正解だろう。
抱擁シーンでキスしつつそのまま食いだしたら話が破綻するしね……。
で、この設定と解釈の斬新さをのぞいてしまうと、冒頭にも書いた「ハッピーエンドのロミオとジュリエット」以上でも以下でもない。
ああ、こう解釈してこう処理するんだーと感心するものの、それは映画の楽しみ方としてどうなのという。
設定の斬新さをメインストーリーに上手く融合させた処理の上手さで☆4……といきたいところだけど、メインストーリーに関係なくフォーカスあたってないゾンビ要素の投げっぷりが、さすがに無視できないぐらい多すぎるので☆3.5。
一風変わった恋愛ものを見たい人にはオススメ。
(個人的ベストショットは、ゾンビの顔色の悪さをごまかすためのシーン。女の子の生き生きとした表情が素敵。BGMのイントロで劇場内からくすくす笑いが……)
まさにロミオとジュリエット(*^_^*)
最初はゾンビ映画特有の血なまぐさいシーンも有りましたが、最終的には原因不明のウイルスによって街中が人喰ゾンビとさらに進化した凶暴なガイコツ集団で溢れているのに対して、数少ない生き残りの人間は塀に囲まれた城にいて対決姿勢だった。ある日、ゾンビ男子R〔名前を頭文字しか思い出せない〕が人間女子ジュリーを一目惚れしてからゾンビから救い、しばらく一緒に過ごしたことから始まったロマンティックラブコメディです!最終的にはハッピーエンドですのでデートムービーとして最高お薦め作品です!
斬新でした
ヴァンパイアと恋に落ちる作品がありますが
ゾンビが人間と恋する・・・斬新です!
もともとゾンビ映画が好きなので面白かったです。
ツッコミどころ満載ですが
そこは自然に観ることをお勧めします。
グロさがない(と思う)ので
女性も観やすい作品です。
ゾンビが言葉を話す、音楽を聴く、ドライブする、恋をする…これまでの観念を全て覆されるラブストーリー!
これを見た竹中直人が絶句したそうです。「ゾ、ゾンビが恋を!?何で!?ゾ、ゾンビなのに!?あり得ない!」と。自身もゾンビ映画を監督したことのある竹中直人がこんなコメントするくらい予想外の作品でした。
鈴木亜美の言葉を借りて、その意外性を並べれば、「ゾンビが言葉を話す、音楽を聴く、ドライブする、恋をする…これまでの観念を全て覆す新しい心のあるミステリー(略)、ゾンビ目線での映画は初めてです」ということなんです。
で、亜美ちゃんの語る最大のポイントは、「ラブストーリーでもある物語」ということ。こう語ると、昨年完了した『トワイライト・ゾーン』シリーズを思い浮かべるでしょうけれど、あのシリーズのそもそもの恋の動機がむちゃくちゃな御都合主義。その点、本作のはじまりは、理にかなっています。きっかけは、主人公のゾンビ(後にRと命名される)がヒロインのジュリーの勤務先を襲撃したとき、たまたま視線があって胸キュンとなることから。タイトルのネーミングは、そんなゾンビRが愛に目醒めたとき体に感じてしまう熱い心を言い表しているのです。
但し、その後とった行動はいただけません。ジュリーに接近したいゾンビRは、そばにいたヒロインの彼氏を襲い、脳みそを喰らってしまうのです。人の脳を喰らうと記憶まで共有できるからでした。
恋するゾンビはヒロインを助けて匿います。けれども怖さは慣れたとしても、自分の彼氏を喰らったヒロインが絶対に許すわけがありません。それでは、そもそもラブストーリーにならなくなり、ゾンビの片思いになります。ところが巧みな脚本は、納得のいく形でふたりをグイグイと結びつけていくのでした。
こんな設定だから、要所に笑いどころ満載。
Rがジュリーを安全なところに逃がすシーンでは、ジュリーにゾンビのマネをさせます。恐怖のためジュリーがオーバーアクションでマネをするところが可笑しかったです。思わずRがやり過ぎだと注意するほどでした。
またRがジュリーの家を見つけてやってきたとき、ジュリーは見つかって撃たれたりしないように、人間らしいメイクを施すところもなかなかコミカルでした。化粧したRは、ジュリーがイケメンだわ~と叫ぶほど、いい男だったのです。
但し、襲撃シーンから彼氏の脳みそを喰らうシーンまで本格的なゾンビ映画になっていて、怖さは格別。思わず隣の席の人はこのシーンだけで席を立って帰ってしまいました。あ~、ここだけ見て勘違いして帰るなんて、なんてもったいないのでしょう!
後半の人間と人間らしさを取り戻した一部のゾンビが、凶悪なガイコツゾンビを駆逐していく過程では、ちょっと進行が急ぎすぎて雑になりました。それでも、CGの描写に手抜かりはなくガイコツゾンビはリアルに襲ってきます。ガイコツゾンビと人間の戦闘シーンも、ドキドキさせる迫力あるものでした。何よりも、コミカルなシーンが凄く笑えて、楽しめました。
大事なポイントは、ヒロインと愛が深まるほどにゾンビが人間らしく変わっていくのです。普通なら愛しい人が撃たれたら、悲しむものでしょう。しかし、人間の世界にまでジュリーを探しに来たゾンビRが、ジュリーの父親の防衛軍指揮官に撃たれたとき、血を流し痛みを訴えるゾンビRに、ジュリーは歓喜するのです。それだけRが人間に近づいた証だったから。
ゾンビに変わり果てたのに、また人間に戻れるというのが、ラブストーリーと並ぶ本作の特徴となっていたのでした。それはRだけではなかったのです。Rの変化をそば見ていた仲間のゾンビも、その変化がいいなぁと思った瞬間、Rに芽生えた愛の想いがゾンビの間で伝染病のように「蔓延」していくのです。
きっと原作者は、ゾンビにも仏性はなくならないと考えたのでしょう。人間性の根本はなくなっていないのだから、Rに触発されて心の奥の奥に封印してしまった仏性が顕現して、人を襲うことから、人に優しいゾンビへと変わり、やがて人間そのものに戻っていくのです。
これは何も映画だけのことでなく、殺伐とした現代社会にもいえることです。孤独を癒すために奇行に走ったり、人に害を為したりしてまで愛を得ようとする人が後を絶ちません。人間の格好をしたゾンビが世間にはうようよいるのです。そういう人達を元の慈悲深い人間に戻してあげるためには、Rのように自分から人を愛する側に変わることが必要では無いかと思うのです。みんなが孤独で飢えていて、誰も愛そうとしないから、社会全体が殺伐としていきます。
愛というものがゾンビも変えることができる力強さ。そしてたった一組の愛が世界をも変えるということを描く本作は、コメディだけどなかなか奥の深いメッセージを持った作品だ思います。ゾンビ映画という偏見を捨てて、ぜひ見てください。
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