「単なる破壊的な怪獣映画ではない。」GODZILLA ゴジラ 太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
単なる破壊的な怪獣映画ではない。
1998年版のハリウッドゴジラは恐ろしいくらいに酷い出来だったが、今作はしっかりとゴジラと言えるものだった。
もちろんヒューマンドラマもある。ダメな方のゴジラのヒューマンドラマは、中身が薄っぺらい寒いギャグ連発のつまらないものだったが、今作はしっかりと人間たちの関係を描けており、分かりやすくギャグのないものだったので楽しめた。
今作に登場する怪獣はゴジラの他にムートーという怪獣も登場する。つまり、第一作目がベースのストーリーに加え、平成のVSシリーズのような激しいバトルもあるということだ。
また、ゴジラの耐久力もよくなった。ダメな方はミサイルでオシマイだったが、今作ではもはやびくともしない。
このようなことから、98年版とは全く違う、しっかりとゴジラ愛が伝わる作品だったと思う。
今作に登場するオリジナル怪獣ムートー。この怪獣はアメリカのオリジナル怪獣なのに、かなりゴジラの作風とマッチしていた。
観る前はこのムートーのデザインからして違和感を感じていたが、実際観てみるとかなり良く、ムートー独特のハラハラ感もあった。
全体的には本当に素晴らしい。着ぐるみではなくCGを使用したが、そのCGのデメリットを最小限に抑え、メリットを最上限に生かせている。特に鼻で感情が伝わるという技法には関心した。
残念なところと言えば、ゴジラの動きがしっかりと見れなかったところ。カメラはゆっくり動くので見やすいのだが、一つ一つの動作を途中で切ってしまう。
これが非常に残念に思えた。
家族愛、夫婦愛、科学者の誇り、怪獣、ヒーロー、さまざまなジャンルにおいてこの2014年版ゴジラのはよい作品に思えた。
ゴジラの足かわいい