劇場公開日 2014年7月25日

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「自然界の頂点に君臨する怪獣王。その復活に喝采」GODZILLA ゴジラ willstrongさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自然界の頂点に君臨する怪獣王。その復活に喝采

2014年7月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

同じ製作だからってパシフィックリムがよかったとかいう感想が目につくが、嘲笑されても仕方ない程短慮な意見
ギレルモ監督は大好きだが、特撮や怪獣を愛した監督がオリジナルで作った映画と、真摯に怪獣王ゴジラに向き合い、日本の意思を尊重して作った正統なゴジラとは格が違う。

自然界の頂点に位置し、その圧倒的な力から地球の調和を図る責任のようなものや、地球の意思であるかのような感覚を受け取れた。
 絶対強者で怪獣王として存在することで、人々に自然の恐ろしさを体現するとともに、圧倒的な破壊者から守る守護者のような一面も見せる姿に親しみが湧く。その感情こそ"怪獣王は救世主なのか?"

ゴジラの設定や容貌も細部に至るまで作り込まれ、これぞ日本生まれのゴジラという好印象を受けた。やはり最初の咆哮は全身を包むような痺れるもので、鳥肌が走った。

敵怪獣の設定が物足りなく、大怪獣たちの暴れる映像が少ないのが少々残念であるのと、人間ドラマが長くじっくりと映してある分テンポが遅いのが中だるみと感じてしまうかもしれない。
 ただ、異国の監督の、名作に挑む気迫と、愛情はひしひしと感じ取れた。
日本への敬意もしっかりと反映され、しっかりと東京も登場し、ハリウッド映画でありがちな見た目は日本人だが発音がひどい日本語が飛び交うような、興ざめする場面がないのは素晴らしいし、好感が持てた。一番心に響いたのが、芹沢博士が、広島原発の起きた時刻のまま止まった懐中時計を米兵に見せるシーン。あのシーンをハリウッドが描いたというのも感慨深いし、その事実、忘れてはいけない思いを世界中に伝えたゴジラと監督に拍手を送りたい。

3年もの製作期間ですさまじいプレッシャーだったに違いないが、今の日本じゃ到底再現できないクオリティのゴジラを再びスクリーンに登場させたのは称賛されるべき業を成したと思う。

各国での成功で続編も動き出しているようで、今作のゴジラの紹介部分がなくなり、今後は全力でゴジラの怪獣大決戦を見れると期待して☆は一つ取っておきました

bp