劇場公開日 2014年7月25日

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「アメリカ人による日本侮蔑。」GODZILLA ゴジラ okokさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0アメリカ人による日本侮蔑。

2014年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

映画『ゴジラ』に、アメリカの日本への侮蔑を見る。

アメリカ映画『ゴジラ』(2014年)が話題である。無理やりつくられた話題のような気もするが、たっぷりと前宣伝で、100円の物を500円、1000円の価値があるかのように欺くのは、いつものアメリカ映画商法である。

さて、その『ゴジラ』だが、アメリカ人の日本人への憎しみと侮蔑と恐れとが、これほど強いものかとあきれ果てた。

この映画は、次のようなメッセージにあふれている。
「日本人は、すべて醜く、冷酷で、自分勝手で、アメリカから受けた恩など省みず、その反面、アメリカ人は、すべて正直で真面目で礼儀正しく、日本人やその他の人種へ親切かつ愛情を持って接し、庇護している」というメッセージである。

主人公ブロディが父親とともに、禁止区域(日本の東北らしい、ジャンジラ市にある原子力発電の研究所)に入って日本の警備隊に逮捕される場面では、日本人はまさに戦時中の憲兵隊の悪いイメージで描かれている。研究所本部に戻って、怪獣が研究所を破壊する場面では、ブロディを手錠で自動車にしばりつけたまま、警備隊員は割れがちに逃げ出す始末。そんなことは、ありえないだろう。

にもかかわらず、ブロディは、ハワイのモノレールの場面では、ご親切にも、見ず知らずの日本人の少年(これがなんとも愚鈍に描かれているのだが)を、助けて、無事両親の元へ返してやる。両親は礼などもいわず、少年を連れてさっさと退場。ブロディは人知れず、にっこり安堵する。こんなことは、ありえないだろう。

自己満足の自分大好きのアメリカ人映画だから、我慢するという見方もあるが、アメリカ人の自己欺瞞性と自分勝手な自己正当化と自己満足による傲慢さには、ほとほと愛想がつきる。

渡辺健演じる芹沢博士は、右往左往する能無し人物として、描かれており、毅然とした日本人らしさなど微塵もない。単なる、寄生虫のような怪しい人物である。一方、アメリカの提督(『市民の命が第一だ』を何度言えば気が済むのだろう)は、判断ミスで多くの犠牲を出したにも関わらず、軍人らしい誇りと責任とにあふれた偉人として描かれている。

こんな白人至上主義のハリウッド映画を見るにつけ、アメリカ人イギリス人などの白人たちが、「日本はまともな国ではない。日本人をまともな民族だと考えてはいけない」という、強いメッセージを、世界中の人々に向けて、強く発信し、そのために、実に注意深く映画を作っていることがわかる。

okok