「ゴジラの魅せ方が素晴らしかった!!」GODZILLA ゴジラ Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラの魅せ方が素晴らしかった!!
非常に良かった。
特筆すべきは“ゴジラの魅せ方”。
本作の魅力はコレに尽きます。
序盤からゴジラを見せない。
画面の端々にチラッと見える片鱗。
ゴジラへの飢餓感、と同時に圧倒的な大きさに期待感も煽られます。
溜めて、溜めて、溜めて……遂に画面一杯にその姿を現し咆哮を放った瞬間!
その絶対的な存在感に只々圧倒されました。
まるで歌舞伎役者が見得をしたかのようなインパクト。
これまで激しく動き続けていたエネルギーを一旦堰き止め。
集約して、一気に放つことで更なる激しさを感じる演出。
溜めに溜めた期待感に見合う魅せ方に想いが昇華しました。
またゴジラの映像表現も良かった。
一部を除きゴジラの姿は「誰かの視点」で表現されます。
そのため高さや幅といった視野の限界の中での表現に。
これによりゴジラの実在感がグッと増す。
と同時に、その存在感が圧倒的な強さに納得感を生み出します。
『大きさは強さである』ことを改めて認識しました。
特にゴジラと近接した際の足の見せ方。
足の太さ、大きさ、そして移動時の震動・破壊力。
地上の人間が見上げる、その塊の存在感が凄かった。
近距離での圧倒的な足の存在感。
遠距離での都市蹂躙映像。
そして人類の対抗手段への反応。
絶望、世界の終末感が色濃く出ていたと思います。
この点は映画「ゴジラ(1954)」から巧く引き継いだ点かと。
ゴジラの全体像も格好良かった。
劇場予告編で流れるゴジラの姿に「首が太過ぎでは」なんて思っていましたが…全く問題無し。
逆に若干上を向いた際の口から背中までピンと地続きになった姿は新鮮で良かった。
背びれのゴツゴツ感、遠距離からの無骨感にもグッときました。
最後に宣伝手法も良かった。
必要最低限に絞られた情報量の中で観た本作。
「こういう話だったのか」という驚きが素直に嬉しかったです。
本作は前情報を入れないで観に行った方が良い作品だと思います。
ゴジラの魅せ方が素晴らしかった本作。
正直、話の主軸となる人類側の話は設定含めて総じてイマイチ。
細かい矛盾点や設定の不備 等を挙げていけばキリが無いのですが。
それもこれもゴジラが魅力的に描かれている点に比べたら微々たるもの。
またハリウッド大作の中で自国の或る行為をやや非難寄りに描いた点は評価しても良いのではないかと。
オススメです。