かぐや姫の物語のレビュー・感想・評価
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絵はすごい。
2013年はスタジオジブリ宮崎駿、高畑勲そろい踏みの年で、両作のクオリティに注目していた。
「竹取物語」はよく知られた話で、これをあえて映画にしようとした高畑勲の勇気に敬意を表する。
絵のタッチが、クレヨン画のような繊細なもので、実はセリフなんてなくても成り立つのではないか、というくらい胸を打つものがあった。
ということは、セリフが映画のクオリティを若干下げている部分もある。
さらにいうと、この声は誰の声だろうと考えることが多かった。
ジブリの声優は、俳優を使うことが多くて、そのことがときに映画に対する集中力をそぐことにもなっている。
ここはやはり一考の余地がある。
うまくすればすごい映画になったかもしれないが、あとひと息であった。
「この地で生きていくことが罪と罰」
もし願いが叶うならば、
自分が子供の頃に観たかった。
もし子供の頃の感性でこの映画を観ていたら、どんなに衝撃が強かったことだろうか。
内容はおそらく解らなくとも、この映像美と色彩と音と声優の演技力は幼い子供の感性に何かしら強く焼き付けたはずである。
そして成長したらどんな大人になったであろうか。
今の自分よりも汚れていない、まともな大人になれたであろうか…
アニメ映画をガッツリ2時間観たのは大人になって初めてかも
しれない。
40を過ぎた私にはこの2時間はとても懐かしい感覚に浸れて子供の頃の気持ちで最後までスクリーンから目が離せられなかった。
大人になってしまった自分の感性に、あの頃から変わってしまった自分自身に罪を感じ、これからの自分の残りの人生が罰なのでは…
なんて考えてしまいました。
観てよかったです。
大人な映画でした。(u_u)
傑作
素晴らしい。
こっちも「生きろ」
ちょっと長く感じました
予告で疾走するかぐや姫の姿を見たり、制作費50億ってのを聞いて 無闇に期待値が上がってしまっていた…。
かぐや姫の童話は誰もが知ってるけどそこから読み取れるモノとは…? じっさいよく分からない話ですよね。寓話でも教訓でもないし。意味が分からない。
このかぐや姫の物語も原作に忠実な作りなので、意味がわからない部分は同じ。
そこにプラスで描きたいところも ?? よくわからなかった。
アニメ表現に挑戦しようという心意気は感じるしパワーは伝わってきた。
しかし謎の物語に登場人物の心の奥がよくわからないまま話は終わる。
制作費と制作期間を抑えて90分くらいにして小品とすればよかったのではと思いました。
深ーーーい!
本年ベスト級です
琴線に触れる作品。
今まで生きてきたことを優しく肯定してくれたようなメッセージを感じた。
人間も半世紀近く生きてくると、世の中綺麗事だけでは生きていけないことは良く分かっている。
時に人を騙したり、利用したり、力を借りたり貸したり、泣いたり笑ったり、怒り争ってみたりする。
人間関係が上手くいかず悩んだり、世の中の不条理に唇を噛んだりしながら今日まで生きてきた。もちろん楽しい事や幸せに思える事だっていっぱいあった。
その全てを「それでいい、それでいいんだよ」と優しく包んでくれるような作品だった。
「そうやって世の中は回っていくんだよ」そう言っているように感じた。
言葉では上手く説明できないが、とにかくこんな世の中だって、全然生きるに値するんだ。
色々ありながら皆で生きて、そして回っていくんだ。
素晴らしい映画でした。
大スクリーンで観るからこその説得力ではないだろうか。
本年ベスト級どころか、生涯ベストでも良い作品だと思いました。
帝!
最高に良かった
これは高畑監督の最高傑作だ!
スタジオジブリの高畑勲監督が8年の歳月をかけて制作した「かぐや姫の物語」。14:50からの上映はほぼ満員。子供連れの姿も多かった。高畑監督といえば、僕のような古いアニメファンの中では、宮崎駿監督と並んで神のような人だが、最近の作品はどうも外してるなーと言うものが多かったのも事実。でも、僕にとっては、親子で初めて連れて行ってもらった映画が「アルプスの少女ハイジ」だったし(生まれて初めての映画を見ての号泣体験)、その後も「母を訪ねて三千里」とか(多分この作品が、僕にとってのアルゼンチンを意識させた初めての作品)、「未来少年コナン」(言わずもがなの、宮崎駿との名コンビ作品。アニメシリーズは何度見たことか)、さらには「じゃりん子チエ」など、高畑さんの作品に実は僕の人生は結構影響を受けている。しかし、ここのところ、どうも不発感が否めないので、今度の「かぐや姫」も少し不安はあった。本当は宮崎駿の「風立ちぬ」と同時上映という話だっただけに、単体作品としてどこまでいけるのか、しかも題材がそんな古典だし、どうなっちゃうのかなーという不安もあった。
しかし、そんなことはまったくの思い過ごしだった。神様はやっぱり神様だった。高畑さんはやっぱり高畑さんだった。それどころか、こんな作品を作ったら、もう高畑さんは死んじゃうんじゃないかと思うくらい、高畑さんの考える美学がいっぱいに詰め込まれた作品だった。このデジタル時代にあって、あんなアニメーションを作れる人はもう出ないだろう。その最後の作家こそ高畑勲という人だったと後で思われるだろう。僕は、宮崎さんの「風立ちぬ」以上に、この「かぐや姫」こそが、高畑さんの遺作のように思えてならなかった。それだけに、一瞬たりとも、その高畑さんの「魂」とでも言っていい絵を見逃してなるものかとスクリーンを見つめ続けた。奇しくも、この作品は、地井武男さんの遺作となってしまった作品でもある。地井さんの演技も本当にすばらしく、そのほかの声優(この作品の場合、俳優といったほうがいい)の演技も本当にすばらしかった。アニメという枠を超え、何か、生の芝居を見ているような迫真の演技。そこに、細かく緻密に描かれた(おそらく恐ろしいほどの手間がかかった)、筆描きのようなアニメーションが躍動する。なにかもうそれだけで、僕などは感無量になってしまって、この人は何というものを作ったのかとひたすら圧倒されっぱなしだった。ストーリー的に泣くことはなかったが、最後のエンドロールが流れてきて、実に多くのアニメーターがこの作品に関わっていたんだなーということを見るにつけ、胸にグッとこみ上げてくるものがあって、他の人と多分違うところで感極まってしまったりもした。とにかく、すごい作品だし、これはもう芸術と言っていい域の、国民の宝であるとさえ言っていいくらいの作品だと思う。必見です!
大人のための昔話
生きること
正直、予告は少し怖かった。
筆で書いたような絵には迫力があったし、いままでのジブリ映画にはなかったから。
けれどその筆のような表現が、最初から最後まであたたかさを与えてくれていたように思う。
”母”の、すべてを包んでくれる温かみを感じた。
そしてストーリー。私たちがよく知っている、かぐや姫(竹取物語)に沿っているし、矛盾はない。
でも、全く印象が違う。
見る前は、かぐや姫はどこか不思議さを秘めていて、5人もの男性を翻弄して突然月に帰って、なんて勝手なんだろうと思っていた。
いのち。生きること。死ぬこと。愛。
かぐや姫を通して、考えさせられた。
生き辛いと感じる時代。自ら命を絶つ人も多い。
愛を見失ってしまいがちな、今。
そんな今にこそ必要な映画だと思った。
とにかく、見るべき。
必ずまた会える、といいね・・・
かぐや姫に人間らしい感情を吹き込むことで、こんなにも奥行きのある竹取物語が出来上がるものなんですね・・・。
人間臭漂うかぐや姫には、思いっきり感情移入させられてしまいました。
それだけに、最後のシーンでは思わず涙してしまいましたよ・・・。
地球に憧れを抱く罪を犯したかぐや姫も、地球に絶望を感じてしまったかぐや姫も、まさに人間ならではの感情でした。
それにしても、自然と共に様々な感情を抱きながら過ごす、これが生きるってことなんだ、生きるって本当に素晴らしいことなんだ・・・そんなかぐや姫からのメッセージが、物凄く心に響きましたね!
生きていればいろいろとつらいことも起きますが、何も感じない、何の感情も持たないで生きるよりは全然マシ。
この世は生きるに値する場所なんだと、この映画を見て改めて再認識させられた次第です。
主題歌も本当に素晴らしかったですね。
映画の質をさらに引き上げるような、とても心に響く曲、そして歌声だったと思いました。
かぐや姫(朝倉あき)・・・う、美しかったぁ・・・。
そして高畑勲監督が仰る通り、なんて我がままな声なんだ(笑)
無機質な月で暮らしていた反動で、オテンバ姫になったのかな?
終盤のかぐや姫の心の叫びは、物凄く胸に響き渡りましたね・・・。
捨丸(高良健吾)・・・かぐや姫じゃなくても、こんないい男・・・女性ならまず間違いなく好きになってしまうでしょう。
決して結ばれることのない恋って、ホント切ない。
翁(地井武男/三宅裕司)・・・幸せの意味を履き違えてしまった姿が本当に悲しかったですね。
子供の幸せって何なのか、子を持つ親なら間違いなく何かを考えさせられたことでしょう。
地井さんの声、耳に焼き付けました!
媼(宮本信子)・・・いかにも宮本信子らしい味のある母様でしたね。
父様があんな状態でしたから、余計に優しさが心に染みました・・・。
相模(高畑淳子)・・・どこからどう見ても高畑淳子な感じが、妙にツボでした。
オテンバなかぐや姫に振り回される姿が、思いっきり似合ってましたね。
女童(田畑智子)・・・出てきた瞬間からもう虜になってしまいました!
いかにもジブリ映画に出てきそうな妙に愛嬌のある顔立ち、そしてかぐや姫の世話を甲斐甲斐しくこなすその姿・・・本当に可愛かったですし、めちゃくちゃ癒されました。
5人の大臣?さん・・・橋爪功が声を担当した皇子様、どう考えても声老けすぎでしょ(笑)
それと伊集院光が担当した右大臣、顔のインパクトありすぎです(笑)
まあそれにしても、人間の欲望って本当に醜いものですなぁ・・・。
御門(中村七之助)・・・今の時代なら、確実にセクハラで失脚するでしょうね。
まさしく俺様状態な御門様でした・・・。
最近のジブリ映画は、正直以前のように心から楽しめる映画が少なくてちょっと心配していたのですが、この映画はまさにジブリ全盛期を彷彿とさせるような本当に素晴らしい作品でしたね。
さすがは高畑勲監督、お見事でした。
映像美
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