「豊かな筆致と淡い水彩で描く日本人の美意識」かぐや姫の物語 ちんたらさんの映画レビュー(感想・評価)
豊かな筆致と淡い水彩で描く日本人の美意識
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同じジブリ作品でも「風立ちぬ」よりも優れた世界に誇るべき日本らしいアニメに仕上がった。
筆の持つ豊かな線描、水彩のグラデーションと光の描写、そうした表現力で実写では描けない世界が、観るものの心を自由に躍らせて、最後まで離さない。
竹取物語という古典的寓話をベースに、宇宙観、宗教観まで巻き込んで、壮大な物語にまとめ上げた高畑勲監督の手腕に脱帽した。
最後のシーンに、釈迦如来来迎図のモチーフを持ってきて、あの音楽を流す、独特のユーモアも、私には違和感なかった。
なによりも、観るものの想いを掻き立てられるアニメだろう。
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