風立ちぬのレビュー・感想・評価
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泣いた
最後の堀越のシーンで泣いた。号泣だった。
暑さ対策のタオルが涙拭きになってしまい、EDでも涙は止まらず。
この映画は、恐らく賛否両論だと思う。
好きな人は好きだし、そうじゃない人はそうじゃない。
一応感想を書いてみようと思う。
堀越の夢って結局のところ綺麗事でしかないと思うんだよ。
本人にとっては何にも変えられないくらい大切な夢なんだけど。
結局後に残ったのは無残に撃墜された飛行機の残骸と、戦争で荒れ果てた日本の姿。
あの飛行機の技術がなければ戦争が激化することもなかったかもしれない。
全ては結果論ですが…。
菜穂子が居なくなった後は、言葉通り「地獄」だったんだと思う。
その菜穂子の命さえも堀越の夢のために削ってしまった。
自分が追っていた夢が色んな人の幸せを削った。
絶対的だった「夢」に内心否定的な感情を持ったんじゃないのかなあ…想像だけど
最後の夢の中でさ、もう堀越頑張らなくていーよって正直思いました。
なんか、もし私だったら生きるのが辛い。
苦しいし、そこまでして生きたくないし生きられない。
カプチーニだかカプリッツォだかが「生きなくてはならない」とか言ってたけど、「いやいやいや!」って。重荷すぎるよ!!
でも、菜穂子が出てきた時のセリフで納得しました。
きっとあのセリフで堀越は救われたんじゃないかなあ。
あ、生きてていいんだって。夢を追っても良かったんだって。
そして、「生きるって素晴らしい」と言った菜穂子の命を削った責任がある。
堀越は生きねばならない。宣伝の「生きねば」に繋がる。
でも、それからの堀越の人生には菜穂子は存在しない。
孤独の中、何が何でも生きてかなきゃいけない絶望。
堀越の夢を理解できる人は菜穂子以外存在しない。
共に苦しみを分かち合う人はいない。本庄だっけ?あの人は菜穂子のポジではないですよね、たぶん
救われた気持ちと、深い絶望。
「ありがとう」と何度もつぶやく堀越にはもう「生きる」ことを許されたと同時に、生きなければならない。
生きてもいいんだ。自分は生きねばいけない。
ぐっときた。
そこから映画の宣伝で使われる「生きねば。」という言葉。
泣くよ!!!
自分が夢を追ったせいで他の人を不幸にするって、普通の人でもあることだと思うんですよ。。。
私自身が、そういう迷惑をかけたことがあって、
たまたま生命の狭間に立った経験があるからかもしれませんが…。
むっちゃ個人的な考察でしかないのですが、
他の人がどういう感想を持つか分かりませんが、最後のシーンで涙腺は決壊しました。
面白かったけど2回目観たいとは思いません…40年後くらいにまた観たい映画です。
ただ、名作ではあると思います。
予告編が面白い
予告でかなり気になり久々に映画館でジブリを観ました。
なんというか…特に不自由なく育った青年が恋をして、挫折して…
淡々と進みすぎて感情移入できず。
庵野さんの声は賛否両論ありますが、私としてはなしでした。
素朴な味わいとかはわかるが、年齢が…年を感じさせる話し方が気になります…
黒川立会いの下、ジロウと菜穂子が結婚するシーンが少しぐっとした。
その程度のもので、まったく泣ける映画ではなかった。
戦争映画ではないので、戦闘シーンなど入れずさらっと流すのはいいとは思います。
ただ、エンディングもさらっといきすぎて…違和感。
「生きて」という菜穂子のセリフが活きなかったのが残念でなりません。
あまりにもあっけない終わりに「え?」となりました。
というか夢の中で終わってしまうなんて…
ドキドキワクワクもなく、じーんとするような感動もなく。
ゆーみんの「ひこうき雲」に合わせた予告が素晴らしかっただけに残念。
期待しすぎました。
ジブリ最高傑作
中盤から涙が止まりませんでした。
飛行機に情熱を注ぎ、夢に向かってまっすぐにあゆむ二郎と、二郎に恋をした菜穂子との美しい愛の物語。
しかし菜穂子の体は結核でおかされていた…
一緒にいられる時間はもう多く残されていないということをわかっていながらも二人は結婚し、愛し合った…
この映画には何が悪くて何が良いことなのか
そんなことは一つも描かれてません。
震災・恐慌・伝染病・そして戦争。
生きにくいあの時代の中で懸命に生きる青年の人生の物語。
ラストに流れるユーミンの飛行機雲の歌詞
高いあの窓で あの子は死ぬ前も
空を見ていたの
今はわからない
他の人にはわからない
あまりにも若すぎたと
ただ思うだけ けれど幸せ
空に憧れて 空をかけていく
あの子の命は飛行機雲
短い人生の中で二郎に出会えたことへの感謝の気持ち
菜穂子の幸せが歌われているように
思えました。
音楽も風景もストーリーも全てにおいて美しい映画。
ジブリ最高傑作だと思いました。
10年間
本作品の中に、「芸術家も設計家も才能は10年だ」という様なセリフがあります。
宮崎監督の10年を振り返って見ると、風の谷のナウシカからすると、だいたいもののけ姫まで辺りが10年という区切りになります。
いやもっと前から才能は開花していただろうという考え方もありますが、映画監督としては上記の期間になると思います。
ではその後の作品はどうか。
「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」そして「風立ちぬ」
「千と千尋の神隠し」を筆頭に、興行的には「もののけ姫」以前の作品より成功しています。
しかし、それは単純に、それまでの10年の名作で築き上げた、宮崎監督のネイムバリューであるとも言えるでしょう。
初期から10年までの作品は、監督自らが描く緻密なシーンが至る所にあり、そしてそれ以外の箇所も、監督の目が行き届いており、結果、全編に渡り、監督の計算され尽くした、細部へのこだわりがひしひしと感じられ、何度観ても感動新たに観る事ができます。
しかし、それ以降は、監督が描くシーンは体力的な問題から激減し、それ以外のシーンも、監督の目が行き届いていない様に感じられるのです。
目が行き届かないのは、監督の精神力的な問題だけではなく、駄目な部分が多すぎ、そこにばかり気を取られ、全体にまで目を行き届かす事の出来ない状況になってしまうという事も言えます。
これは、今や日本アニメ業界全体が抱える問題ですが、若手育成の失敗によるところが大きいといえるでしょう。
いや、しかし、それ以前も状況的には今とそれほど変わっていなかったのかもしれません。
ただ、宮崎監督の才能が、そういった逆境をも全て解決出来てしまうほどの、とんでもないパワーが炸裂していたのだろうと思います。
監督自らも、自分の力を炸裂させる期間は終わったと認識しているのかもしれません。
もう体力的にも精神的にも、これが最後だろうと悟ったのかもしれません。
まだまだやりたい企画は山の様にあるでしょう。そういう発想的なものは衰えてはいないでしょうが、それを形に出来るという事も含めて、10年間という期限を言ったのかもしれません。しかし、会社という組織の中、自分以外に出来る者がいなければ、自分がやるしかありません。仕方なくという言葉は語弊があるかもしれませんが、ある意味仕方のない10年以降だったのでしょう。
その10年以降を今観返してみると、「ハウルの動く城」「千と千尋の神隠し」「崖の上のポニョ」までは、様々な物事のために、なんとかしよう。なんとかしなければ。という、そんな焦りの様なものが感じられ、こだわり云々という以前の問題を孕んでいた様に感じます。
しかし、今回の風立ちぬは、自分の好きな物へ思いを馳せ、想像し、妄想し、いいじゃないか、もう最期なんだから。これくらいの我儘させてもらってもいいだろう、と言う様な、どこか吹っ切れた感じが伝わってきます。
それに加えて、日本を、世界を代表するエンターテイナーが、これほど私的な作品を創るという事は、とんでもない事の様に感じられますが、やはりといいますか、これが日本人という奴なんだなぁと、真のエンターテイナーにはなりきれない。結局最後は内へ内へと思考が及んでしまう。宮崎駿という人は、ある意味真の日本人というところがあります。だれよりも日本人らしい彼らしいと言えるでしょう。
まぁそうは言っても、今後100年後も語り継がれ、観られ続けるであろう名作を、アニメーション映画監督としていくつも世に残すという偉業は、その10年の間に、持てる才能を遺憾なく発揮できた証拠といえるでしょう。そして、老いも若きも、あの10年の間に、そしてこれから先も、幸せな時間を過ごさせてもらい、もらえる事に感謝せずにいられません。
これが最後なのかどうかはまだ分かりません。まだ仕方なく、会社の都合に付き合わされるかもしれません。でも、私は、後はやはり子供のために、短編アニメーションなどでいいので、創ってくれたらいいな、などと勝手にながら思っております。
ありがとうございました。
挑発的な傑作
宮崎駿監督がとんでもない映画出してきたもんだから、皆んな右往左往してる。
こんな神がかった日本映画にはそうそう出会えるものでは無い。ただ、作品から吹く風の中に何も感じられない人には、実際何にも残らない映画かもしれない。
けれど引っかかる仕掛けは幾つも用意されてあって、アニメと甘く見ていたら見過ごしてしまう偏執的とも言えるディテールが心に棘を残す。挑発的な作品だ。
映画の中で違和感を感じる部分にこそ、監督の毒が仕込まれていると感じた。
庵野氏の起用は本作の最大の違和感だろう。真っ白なキャンバスをパレットナイフでゴソゴソ引っ掻く様な空虚な声質だ。この声は愛も激昂も何も表現しない。そこがいい。この声で無かった場合、破綻してしまうような台詞が幾つもある。
子供にシベリアを拒否されるシーン。ただ実直に夢を追い打ち込む次郎の無垢だが罪深い仕事に、本能的に子供がNOと言っている様に見える。
ここにも違和感がある。覚悟の二人の悲しくも滑稽な唐突な結納の場面は仲人役の声優の演技も光る名シーンだ。
なんでもない冒頭の次郎の近視のくだり。人が見えるものがボンヤリとしか見えないマイナスから映画は始まっていた。同じ目が、終盤には妻を亡くし一機も帰らなかったという絶望の地平線を見る。
食堂の喧騒の中で次郎と菜穂子が視線を交わすシーン。二人の間で大量のクレソンを頬張っているのも可笑しい。
夜のテラスで「忘れる。忘れる。」と澄んだ目で何度も繰り返すのも、全ての日本人の深層心理に語りかけてくる不思議な場面だ。
次郎が紙ヒコーキを菜穂子に飛ばすシーンも違和感を感じる。隔離とはいえ横長のスクリーンであえてこの構図。二人の位置関係は、恋人や夫婦の距離とは全く別の距離感を表しているのかもしれない。
捕物の複雑に歪む影はオマージュか。鈍く光る石畳。印象派の絵画を思わせる風景。翼の三文字。記号の様に見える零戦の編隊。会議は躍る。絵葉書の肖像画の斜視。細かな仕掛けの数々。
そんな全部見なければ、サッと風が吹いただけのようにも思える作品。多分今年の最高作。
じんわりと良い映画だったなぁと
久しぶりにエンドロールで余韻に浸れる作品でした。
音声も素晴らしいので、劇場で観られて良かったと思います。
ただ、過去への回帰、宮崎駿に己の過去作のコピーを作ることをを求めている従来のジブリファンからの酷評も割と納得です。
多弁でまくし立てていた若者が、老成してボソッと一言で諭すようになった、そのような監督の円熟を感じます。そこにギャップを感じてしまうのは仕方がないでしょうね。
観終わった直後はクリエイターのエゴ、業の深さについての話かとも思ったのですが、落ち着いて話の筋を見返してみるとまた違った見方もできるなぁ、と多面的な解釈を許すのは良い作品の証明でしょう。
私は、主人公ヒロインが人のながれをかき分けて行くシーンが何度もあったのが心に残りました。
私的に解釈するならば、人の流れとは時代の流れです。
主人公は、おそらくスパイ容疑でどうにかなったドイツ国人と親交をもったため特高に目を付けられます(このあたりは曖昧でしたが)。
会社は、彼が役に立つ間は彼を守ってくれますが、そのために病める妻に会いたくても会いに行けない状況に追い込まれます。妻は結核を患いサナトリウムでの療養を余儀なくされます。
その「時代」に翻弄され、本来ならば2人が同じ時間を過ごすことは叶わなかったでしょう。しかし二人は精一杯それに対抗して、ほんのひと時ですが二人の時間を作り上げることができました。
確かに体は悲劇なのだと思います。また共感できるキャラクタがいない、という意見も分かります。「二郎も人間だったのか!」のセリフでもわかるとおり、そもそも共感を誘うキャラにしていないのですから。ただ、昨今の主人公ヒロインに同情させて安っぽいお涙を誘う物語と一線を画すのは、見終わった後「生きねば」というテーマがじんわりと浸透してくることです。
死についてかかれた物語なのに、伝わってくるのは生きることの素晴らしさです。限りある生・夢の美しさです。これはストーリーテラーとしての宮崎駿の一つの到達点と言っても良いと思います。
長々と書きましたが、きっとこの作品はもう少し周囲の状況の熱狂が冷めてからもう一度ゆっくりと楽しむ作品かもしれませんね。
技術者の夢
[映像・キャラクターについて]
さすがジブリ!!と言わせんばかりの映像の美しさ。
初めの2分で心を奪われた。
キャラクターのデザインも個性もとても好きになった。
特に堀越二郎は魅力的だった。
堀越二郎の声に批判的な意見が多いが、
適切だったように思う。
慎重に言葉を選んで淡々と言葉を発するが、
優しさのある声。人柄がとても素敵であった。
[内容について]
本作品では、技術者が自分の夢に向かって一心に努力し、夢をかなえること
の素晴らしさが出ていた。
私も理工系の学生であり、この映画を見て技術に対する情熱をに共感を覚えた。
生きる上での価値は、目標に向かって努力することではないか。
この映画はこんなメッセージを込めているように思う。
実際、現代は苦労して目標を達成することを、小馬鹿にしているところがある。
こんな風潮を批判しているように感じた。
一方、自分の作った飛行機を使って、いろんなところを爆撃し、多くの戦死者が生じ人の命や夢を奪う。堀越二郎には自分の夢と裏腹にこんな葛藤も描かれている。
奈緒子との恋愛についてはあまり共感できなかった。
奇跡的な再会、そして結婚。
ありがちな内容だし、それぞれの感情表現が少なく、
入り込めなかった。
[総評]
私にとっては、泣ける映画ではなかったが、印象深い映画の一つ。
上にも記したがなにしろ映像が綺麗!!
他の人のレビューにもあったが、
行間を読まないと、分からないことが多いのは文学作品のようであった。
また、映画が終わってから考えさせらる点が多い作品。
周りで子どもが退屈そうにしていたので、子どもには向いていないかも。
大人のためのジブリ作品と呼ばれている点には納得。
なぜ素直になれないのだろう
さっき見てきて、この映画のエンターテイメント性の高さに感動しました。
他のレビューを見て思ったんですが、びっくりするような低評価を付けている人。
退屈だった、何が言いたいのかサッパリだ、病人の前でタバコを吸うな、監督のオナニーじゃないか、兵器作りを肯定するな・・・etc
こういう事を言う人たちは、なぜもっと純粋に映画を、ひとつの体験として楽しめないのでしょうか。
冒頭に出てくる、空に浮かぶ壮大な雲の隙間から差し込む太陽の光の描写の美しさに何も思わなかったのか。さまざまな飛行機が物凄い迫力と轟音でエンジンを回して飛んでいるような、見たことも無い映像に何も思わなかったのか。突然の電報に、涙を飛び散らせながら家を飛び出す次郎の表情に、何も感じなかったのか。
だいたい、ジブリ作品に酷評を付けてるひとは、自分の常識や知識と映画を照らし合わせることしかしてなくて、理屈ばかりこねくり回して、非常に頭でっかちで、読んでいて悲しい気分になります。
メッセージ性とかテーマとか、倫理などは、映画を見る上では僕にとってはどうでもいいです。この映画のストーリーがたとえ作り物だとしても、瞬間、瞬間の人の表情や、セリフや動きに、とても感動しました。
例えば、次郎が愛する人のために死に物狂いで支度しているときに畳で滑ってずっこける動きとか、必死さが伝わってきてもうそれだけで泣いちゃいました。
ラストシーンも、ハッキリと答えを出さず余韻を残しつつ、しかしさわやかにフィニッシュしていて、もう文句の付けようがありません。オススメです。
彼の決意に泣けました。
生きていると大なり小なり理不尽なことに出くわすことはあります。でも、その最たるものが、戦争なのだと思いました。美しい飛行機を作りたい、その思いだけだったのが、結局、戦闘機の開発になってしまう自己矛盾を抱きながら、二郎さんは、生きたのかもしれませんね。最愛の妻の死も、戦争の片棒を担いでしまい、たくさんの人を死に追いやってしまったことも、もしかしたら、二郎さんにとっては、死にたくなるくらい苦しいものだったのかもしれません。でも、最後に、彼は「生きねば。」と結んでいます。どんなに辛くても、現実をしっかり受け止めて、自分の命を全うしようとする静かな決意が感じられました。その決意の重たさに、私は、心が震えて、泣けました。この映画は、限られた時間の中で、お互いを思いあった美しい夫婦愛の物語として捉えることもできるのでしょう。実際、ほのぼのとしたシーンや、胸キュンの素敵なセリフもたくさんありました。また、具体的な戦争シーンもあったわけでもありません。零戦の開発される様子を淡々と描いていました。それでも、なぜか、私は、見終わったとき、絶対に、戦争はいけないと思いました。自分も、子供たちも、できうるならば、世界中の人々が、こんな理不尽な思いをしてはいけないと思いました。だから、この映画は、私にとって、反戦の映画なのです。
話の展開や人物の感情の動きが強引でなければ◎
あらかじめ、観る予定でまだ観ていない方は先入観入ると思うので読まないことをオヌヌメします。
全体として、ドロドロとした描写はことごとく排し、できるだけ綺麗な部分を描写している印象を受けました。
やっぱり日本を代表するポジションにいるジブリだけあって、「地震」「貧困」「戦争」「不況」など、現代のキーとなるテーマはきちんと押さえてきているなと思いました。
地震で避難する人たちの群像シーンはすごく丁寧に描かれていました。
テーマに関しては、もう一つ、日本のエンジニアにスポットを当てるのは良いなと思いました。
ただ多くの人がエンジニアである主人公の、あの無表情なしゃべり方に違和感を感じたんじゃないかと思う。明らかに置かれている状況と、それに対する主人公の反応に、見ている方としては感情が乗っからない(笑)
「おい、そこでそのリアクションか!」と。
そのくせ駅でヒロインと再会するシーンなど過剰とも感じる久石譲の壮大なオーケストラが流れたり…。エンジニアはとかく無表情なものだし、無表情だからといって薄情ではないという意図が込められていると良い方に解釈することにします(笑)
そう、単に天才エンジニアとして描くのではなく、あまりヒロイック過ぎない姿で描くというのは必要なことなのかも知れないなと。
「真夏の方程式」みたいなイケメン技術者なんていねーだろという(笑)
宮崎アニメって個人的に、ダサい男たちと、無垢な子供の描写は上手いと思うのですが、それ以外の人間を描かせると淡白で面白みに欠けるなぁと思います。
出来事の多さを考えると二時間程度の映画で描写できる内容ではなかったのではないかという気もします。出来事が淡々と過ぎていった感が否めない。主人公と友人技術者との関係、妹の関係など…。その中にあっては、上司の黒川との関係は良く描かれていた様に思う。
堀辰雄の恋愛小説と堀越二郎の偉人伝がモチーフになっていたということだけれど、その二つが上手く噛み合っていたかといわれると疑わしい。エンジニアとしての主人公、ヒロインと主人公、夢追い人としての主人公がぶつ切りで流れていくため、戸惑った人は多いのではないかと。
でも全体としては面白かったです。
結婚式のシーンは感動的でした。あとユンカースの製作所見学のシーンや技術者としての天才ぶりを発揮する主人公のカッコいいシーンは良かったです。
こういうジブリもいいと思います
魔女の宅急便以降のジブリ作品に物足りなさを感じている私には、今作は近年まれにみるヒット作だと思いました。
声の出演に素人(プロ声優ではないという意味で)を多用するのが個人的には好きではなく、今回も「またか~」とあまり期待せずにいたのですが、皆さんいい意味で裏切ってくれました。
庵野さんも思っていた以上に良かったです。
確かに棒読みではありますが、あれも「味」だと感じました。
「製作の裏側」をテレビ番組で見てしまったせいで、飛行機の音やアルパートさんの歌では笑いそうになってしまいました。あれは見なければ良かったな…
観る人によっては評価が分かれる作品だと思います。
「ジブリなんだから大人から子供まで楽しめるファンタジーな作品を」
…と思っていらっしゃる方にはつまらなく感じるかもしれませんね。
しかし。
作中、過去のジブリ作品のキャラがチラッと登場していたところはジブリらしいなあと思いました。
評価に満点を付けなかったのは、中だるみになるのを感じたからです。
展開に波がなく、淡々と話が進んでいく部分は少し退屈でした。
個人的なことですが、昨年に仲間が急死する経験をしましたので、
「君は生きねばならない」というラストのセリフは、遺された者として心に突き刺さり、涙が溢れて止まりませんでした。
歳とりぬ。
今作の予告を通算100回は観たんじゃないかと思う^^;
それくらい、かなり以前から、劇場で流されていた。
直前には例の4分間映像。初めは終映後だったけれど、
それだと客が帰っちゃうもんだから(爆)前にしたみたい。
当時不安になったのは、皆さん御承知の通りで
「だぁ~れが風を見たでしょう…」のあのくだり(爆)
え?この声優(じゃないけどね)でいくの?と思ったのと、
飛行機の機械音が人間の擬声(気になる)だったこと、
これはどちらも、聞けば聞くほど(そこに拘ってしまうほど)
非常に気になって仕方なかったことである。
が、本編。実際に観てみると(予告ではない分)
そこまで気にはならなかった。最大の難所、庵野監督の声も
慣れてくると気にならず。決して巧くも聞き易くもないけれど。
主人公の稀有な性格に合わせ、彼にムリにやらせたんだから、
どちらかというと、気の毒な役回りだったと思う。
その他の俳優が出す声優演技には、ほとんど文句なし。
可も不可もなく普通に過ぎゆく叙情詩のような話の流れは、
なんでわざわざアニメでやったんだろう?と思うほどだった。
宮崎駿も歳をとったんだな、と思う。
ファンタジーといえば、妄想と現実を行き来する主人公の夢
くらいのもので、あとはリアルな時代感に重点を置いている。
堀越二郎と堀辰雄の半生や作品を合わせ、フィクションで
ラブストーリーまで継ぎ足し、その時代がこうだったことを
十二分に観客に見せつけている。
いい話ではあるし、理解もできるが、特に心には残らない。
素晴らしい映像センスと、躍動感あふれる飛行機の疾風感、
まるで今作のために書き下ろされたようなテーマ曲といい、
魅せるための選択に狂いはなく、プロの仕事だなと実感する。
だけど、纏まり過ぎて狂いのない物語には面白さはない。
こちらが感動に震えるようなドキドキ感が感じられなかった。
なんだアレは?と思うような変な生き物(爆)も出てこない。
過去の何作かには、まだそれ(挑戦)が感じられたので、
やはり宮崎駿が人生を振り返り、纏めの段階に入ったかなと。
本人が何をどう考えているのか、私には分からないけれど…
二郎と菜穂子のラブシーンには、ちょっと驚いた。
物語が現実的であれば、ラブシーンまでも現実的(爆)
あまり宮崎作品でこういうのを見たことがなかったことと、
(大変申し訳ないが)この場面を50を過ぎた監督とあの女優が
演じているんだ…なんてことが脳裏をよぎってしまい、
観ているこっちの方がこっ恥ずかしくなってきてしまった。
いやいや、感動場面でした。特に菜穂子のあの選択は…ねぇ。
当時の女性が(男性優位の中で)どう立ち振る舞ったか、
当時の言葉遣いや所作・動作の流れがいかに美しかったか、
今では忘れ去られてしまった美しい日本の姿が堪能できる。
会社ブランド名が先行して、
実際に観た人の感想が紆余曲折を辞さない有名作品と化した
ジブリ作品。良いも悪いも観た人の価値観に因るものだから
それはどっちもアリだろうと思うのだけれど、
観客たちも歳をとってその流れを振り返った時、あ~変わったな
と実感できるのが、映画を観てきたことの醍醐味かもしれない。
(どんな哀しみも乗り越えて強く生きる。人生のテーマだもんね)
こんな宮崎アニメも良いと思う。
ジブリとしては初めて(紅の豚もか?)大人向けのアニメ。ジブリ映画のいつもながら、しっかりと丁寧に演出、描き込みが好感触。主人公、二郎の葛藤や戦争に対する感情などを省いたため、共感出来ないなどの声があるみたいだが、それはそれでありかなと。
近年の宮崎作品の中では一番
みてきました。
最近の宮崎作品をはじめ、ジブリ作品に対して
正直興ざめしていたのであまり期待せずにみはじめました。
最初の頃は庵野さんの声も気になりますが、どこかからか
あの声とキャラクターがぴったり収まってしまっています。
それは物語の中に自分を没入できているからなのかもしれません。
没入できる人と、そうでない人に別れる作品なのでしょう。
多少なりともモノづくりに関わったり、それに憧れを抱いた事が
有る人なのであれば、没入できるのではないかと思います。
当然没入できないと粗が色々とは見えてくるとは思います。
ゼロ戦がどうだ、戦争責任がどうだ、庵野さんの声がどうだとか。
自分は粗もあるけど、それ以上に入り込めちゃったから
問題無しです。
地味だからこその名作
ジブリ映画のファンと言うわけではないのですが、予告編をみて気になったので劇場まで足を運んで見てきました。
客層は様々で、普段こういう感じの映画を見なそうな方も多かったです。
全体としては地味な構成。
山場といった山場もなく、途中でどこまで進んだのか分からなくなりましたが。
何というか、それがよかった。
元々「堀越二郎の半生を描く」とのことでしたので、伝記的要素が強そうだなとは思っていました。
実際は結構弄っているそうなので、オリジナルストーリーに近い様です。(これは見終わった後に知りました)
メインとなるのは零戦を作り出すところまで。
その後の戦時中の描写はほぼなかったはずです。
メインは堀越二郎さんなので、これくらいでよかったんじゃないかな。
零戦押しが激しいとメインが変わっちゃいますし。
別に零戦を製作する映画ではないので。オプションの一つだと考えると説明の薄さにも納得がいきます。ちなみに戦争を賛美するような映画でもないですし、兵器としての零戦を賛美するような映画でもないです。というか戦争ものだと思ってみない方がいいような気がします。メインはそこじゃないです。
全体的に今までのジブリのファンタジー色は薄いです。
対象年齢も高め(……と言っても今までのジブリも決して低くはないと思いますが)でした。
多少客層を選ぶかもしれません。他の方のレビューでも書かれていますが、結構男性的な映画だったと思います。
声優もジブリ安定の素人。これは毎回ですからマイナスにはなりませんね。
個人的には庵野さんの二郎、よかったです。監督は「昭和インテリの声」とのことでの起用だったと思いますが、まさにその通りな感じで好きです。最初は気になりましたが、集中していると気にならなくなりました。
作中で二郎がタバコを吸うシーンには少々ビックリしました。ジブリで主人公がタバコ!こんな絵あまりないぞ!なんか色気を感じました。ドキドキです。
二郎と菜穂子の恋愛描写も大人っぽい描写でしたね。
菜穂子は結核で先が短く、終盤には山奥の病院に戻っていってしまいます。
綺麗な所だけを見せたかった菜穂子。菜穂子は二郎の見ていないところで苦しんでいた様です。二郎が妹さんにそれをなじられるシーンもあります。
しかし、菜穂子はそれでよかったのでしょう。
二郎を薄情だとおもう方もいらっしゃるでしょうが、菜穂子自身が知られたくなかった。苦しんでいる姿も、青ざめる顔も見られたくなかった。そう思います。
結核の菜穂子の隣でタバコを吸うシーンがありましたが、先に外に出ようとした二郎を止めたのは菜穂子でした。少ない時間のうちにできるだけ隣にいようとする菜穂子の姿には涙がでました。
美しい飛行機を作りたいと言う二郎の願いは純粋でした。
しかし悲しいかな、誰も美しいだけの飛行機を許してはくれなかった。
零戦はツールでしかないのです。
武装していようがなんだろうが、ただの飛行機でしかありません。
人が死ぬと言うことが今よりももっと近かった時代です。現代の感覚では理解できないでしょう。あの時代のエリートのひたむきな姿。大切なもののためのまっすぐさが切ないです。
ラストで二郎が言った「一機も帰ってこなかった」。泣きました。
直接では描写されないたくさんの人々の死。
零戦の製作によって二郎はそこに関わってしまった。
しかし、彼は自らの夢の代償を知り、覚悟を持っていたから淡々と話す事ができました。
あの時代だから持ち得た人々の覚悟を感じます。
登場人物たちの行動を肯定するような内容でもありません。二郎は零戦を作らない方が良かったのかも知れませんし、菜穂子だって病院にいたほうが良かったのかもしれません。ですが、正しさなどは関係ないのでしょう。生きることを描いた作品でした。
描写されぬ裏側を感じてください。提示されたものだけを見るのではなく、ほのめかされたものを感じてください。
深い余韻を残す
とっつきやすいが、奥が深い。
宮崎アニメ・ジブリというと、おこちゃまからおじいちゃん
おばぁちゃんまで。まさにその通り。
観客の年齢層が幅広いのだ。
誠に失礼な話だが
本当は、この風立ちぬを見ようと思った最初のきっかけは、
庵野監督がヱヴァ放り出して何してるか
観てやろう、いや見ずにいられるわけがないと恨めしいもの。
前言撤回、事前知識を積めば積むほど、5年かけた思いを
汲み取れば汲み取るほど、そういう気持ちはかききえた。
作品に真摯に向き合う覚悟と、お勉強が必要。
最後までお行儀よく座席に座っておクチにチャックするくらいの
最低限度のマナーが必要だ、とくに大人。
おこちゃまのがきちんとおとなしく見てたぞ。情けない。
ヱヴァQとエンドロール付近を比べると、いかにお行儀のよい
訓練された観客に恵まれていたのかと痛感せざるをえない。
エンドロール後に次回予告がありうるヱヴァじゃぁ、みんな
お行儀よくおクチにチャックしてお座りしてるのが暗黙の了解で
当たり前だ。でも、
ジブリやほかの映画じゃ、ヘタするとエンドロールで立席
するお客がいるわけだ。だからこそ、余韻を楽しめず
潰されてしまう。これが悲しかったのだ。
きちんと最後まで向き合って、どう感じたか?
それがすべて。
ゼロ戦について知識を積んでいない分、主人公次郎については
少なくとも好印象以外の感情を持たなかった。
弱き下級生がいじめられるのを放っておけなかったり、
ドアなどの開け閉めが丁寧で、所作や存在自体が
上品で凛としていて好感が抱ける。
混雑した列車で席を譲る。もう、数えきれないくらい
この人いい人だな描写だらけだ。
作品についてはテーマに直結するものが多すぎて
宮さんあんた頑張りすぎだよと
映像を見ていて痛感するものがありすぎた。
とっつきやすいが根深いテーマ。その奥深さはまるで底なし沼みたいだ。
それこそ他人がどう感じたかなんて関係ないのだ。
99人がこの風立ちぬをこきくたそうと、自分は100点をあげたい。
5年かけてこの作品を作り上げ、形にし世に送り出したこと。
もののけ姫で込められたテーマが重すぎるとさじをなげてしまった自分。
人間だけなく、風景が、風が、エンジンが、ネジひとつひとつが
脈打つ映像。お空の雲、青さ。そんなとりとめのない当たり前のもの
たちが作り出すあの空間と雰囲気。
こういうのは宮崎さんならではの味だ。
劇場でだからこその音響、映像の迫力。
ジブリファンだというのなら
せめて一度は宮さんが5年心血を注いだ映像を目に焼き付けるべきだ。
さばのほね、美しい、シベリア、あなたがこれを見て
残ったフレーズは何ですか?
余韻を深く残す作品です。
エヴァ好きとして見ると台詞の「2号機」とかドイツ語を話す庵野監督
などフワァッと浮き上がりそうになる自分を抑えるのが大変でした。
確かに現実的につっこみどころは多々あるけれど。
作品単体を極力事前知識を控えて作品を見て消化してみると
この作品を劇場で見て本当に良かったと言いたい。
一番なえたのはかぐや姫の予告。
上映予定を公言してきちん守れないアニメ監督というのは
自分の中でかなり評価をさげます。
風立ちぬの最後まで、余韻に浸ってみるべき価値のある作品でした。
小さな子供を決して置いてきぼりにさせない映像の工夫や
苦心がうかがえました。
エンドロールの最後の最後まで一般のアニメと接点のない大人の
興味をひく努力をしてほしいというのは
さすがにかわいそうだ。
手書きっぽいエンドロール。きちんと向き合って味わおうとする
気持ちさえ持っていれば、
5年間かけた作品に対して失礼な行動は慎めそうですがね。
作品は最高でしたが、同じ空間を共にする観客、雰囲気で
がっかりするところが多すぎました。
こころざしの高い主人公というのは見ていてすこぶる心地がいい。
今時なかなか見かけないからこそ余計そう思う。
DVDでもう一度、振り返りたいと思えるすばらしいアニメ映画でした。
宮崎監督の作る映像がまだまだこれから見たい。
悪いが、最高の映画だった
賛否両論あるが、純粋な個人の感想としたら最高の映画であった。
モノを作る仕事に携わっている人、自己を顧みず最前線で働いている人にとっては、いつの間にか自分を映画の中に落とし込んでしまったのではないか。
勉強会で上司に感動したと言わしめる姿。
うらやましいと感じ、明日からの仕事に少し意気を感じたのではないか。
エゴ・結果・趣味・責任
こういった物が溢れ出すのを、ぎりぎりの状態コントロールする。
何事でも全てをマネジメントできる人間は一握りだ。
その気持ちや感覚を理解出来ない人がいることは仕方がない。
まして子供の理解は困難であろう。
更に完全に男目線であることも女性の批判を受けているのでは。
ジブリは老若男女に支持されるあまりにも巨大なブランドが出来上がってしまっている。今回誰にでも共感出来る部分が軽んじられているのは明白であり、そのギャップにつまらいと感じるのであろう。
見てもらう対象ではない人も見てしまっているのだからしょうがない。
また、この内容はアニメでなく実写でも制作可能であろう。
ただ、アニメと実写との差はそこに役者という個人の判断が入ることにあり、すべてのエキストラのようなキャラクターも含めてコントロール出来る事がアニメと実写の違いだと考える。
そういった意味でもこの映画は宮崎駿監督の思想をストレートに表現している観客への手紙と考えるべきであろう。
見る側も登場人物の視線から、コメント、自然の描写、動き等映画の全てに監督の意図を想像するべきであり、それが出来る密度の映画である。
落胆!100歩譲っても厳しい!
昨日、職場の女子三名で「風立ちぬ」を観て参りました。
ジブリ作品が大好きな私としては、かなり楽しみで、胸膨らませすぎたのかもしれません。
結論からいうと、、、
いまだかつてない、ガッカリ度!ため息がいまでも止まりません。
まず、率直なところ、エンターテイメントとして、全然楽しめませんでした。
もちろん、テーマは重いものは重々承知です。
しかし、ナウシカやラピュタの時のような、胸にキュンとくるピュアさや、
キラキラした感じがまったくなく、かといって、
千と千尋や、もののけ姫のような独創性やパンチもなく、単調きわまりない印象でした。
いつも効果的な音楽も、心にまったく響かず、
いつ感動がくるんだろう、、、
いつ泣けるかな、、、
と思っていたら、唐突に話が展開して、終わってしまう結末です。
たしかに、「夫婦愛」みたいな面では、
少し、心の琴線に訴えてくる気配はあったものの、
全体の運びとして、乱暴というか、現実味がない展開が目につきすぎて、
「ううーーん」と、ため息がもれてしまう状態でした。
特にラストの終わり方は衝撃で、
↓↓↓
僕(主人公)は、夢をかなえるために美しい飛行機を作りたかっただけなんだーー。
↓↓↓
でも、結局、それが日本を破壊したのだよ。
↓↓↓
でもでも、あなた(主人公)は、生きて!!!
(終)
・・・、みたいな状況で、
劇場にいた人みんなが、
ええええーーーーーー!
これで、終わるの!?
という、
戸惑いの声が続出の締めくくりでした。
唯一の救いは、西島秀俊さんの安心して聴けるいい声。
そして、すべての、ひっかかりの元凶は、
やはり、主人公の庵野さんの声。
エヴァも好きですし、
庵野監督も、本当に才能豊かな素晴らしい方です。
・・・が!
・・・が!
100歩譲っても、これは、やっぱりなかったです。
完全に、主人公の声が違和感があり、集中できません。
棒読みすぎて、感受性が豊かな私みたいなタイプには、
こわれた音楽を聞かされるようで、
スーーーっと、心にストーリーが入りませんでした。
涙もろい私は、たいてい、おきまりの泣きのシーンではウルウルするのですが、
この作品だけは、冒頭から中盤、終盤にかけてと、一滴も涙はでず、
率直に、感動作でもなければ、エンタメとしての壮大さや、メッセージさの低さに、
「駄作」としかいいようがない感想となってしまいました。
いまでも、ナウシカやラピュタ、ポニョなどは大好きですが、
ジブリ作品の一番の魅力であった、
夢や希望、ピュアさ、ユニークさが感じられなかったのは残念でなりません。
政治的な思想性を入れたかったのかもしれませんが、
どれも中途半端になってしまった印象です。
ディズニーや手塚治虫のような、
大人も子供も、深い感動で包んでくれるような作品がジブリから誕生することを、
祈ってやみません。
心に残ります
まるで、昔の名作と言われる美しい小説を読んでいるような感覚になりました。読者を置いてきぼりにしているようでとても心に残る作品だと思います。なので、小説読めない人にはオススメできないですね。子どもには難しいのでは。
女性からみて主人公はとても魅力的な人です。今の時代にはなかなかいないです。英才でありながら、情熱をもつ。恋愛に全てを捧げるのではなく、仕事に打ち込む姿はとてもかっこいいです。
時代背景として批判されている人もいますが、そういう生き方をした人がいたというだけのことだと思います。
戦争を美化させる要素は全くありません。実際に二郎も特高に追われ身を隠しています。むしろ、戦争のどうしようもない理不尽さを感じます。
時折二郎から感じる仕様がない精神?は日本人特有の精神だといわれていますし、ジブリ作品は日本人独自の精神•考えが根にあるものが多いですよね。今回もそれなのかな?
これから何回もみることで、新たな発見がありそうな作品です!伸びしろを考えて4にします。声優はすごくよかったです。
私はこんな手紙だとおもっています。
映画を見てから2週間が経ちました。
ものすごい余韻が徐々に去った後、いまも残っているものがあります。
日本が戦争をしたのは、どうしてだったのか。
国民は、何も知らなかった。
お国のためになると思って、家族を兵隊にだし、
それに異を唱えるものを、非国民とあぶりだし、
お寺の鐘を溶かして兵器を作った時代。
無事帰ることを望むことさえ、許されなかった時代は、
どんな足音でやってきたのか。
戦時中は、知らされずにいた。
今は、どうなんだと、問われている気がした。
「何処かで誰かがうまくやってくれているはずだ」というのが、
間違いだったことは、震災のあとの事故で分かっている。
何も知らない。知ろうとせずに、考えずに、スイッチを切り替えて、楽しければいいと、
劇中の軽井沢のような場所で、臆病に毛布をかぶって隠れてていいと思ってんのかって、
宮崎さんから手紙が届いた。
どんな未来も、自分達が生きた過去の上に築かれる。
一機も帰ってこなかった飛行機を作ったことの、是か否かではなく。
その過去の作った未来で、人は生きなければならないのだと、
言われている気がしました。
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