風立ちぬのレビュー・感想・評価
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モノを創ることに没頭する男の言い訳
はっきり言って、面白くない。
「美しい風」を描きたい宮崎駿の自己満足感たっぷりの描写の連続だ。その点は、とても美しく素晴らしい。そこは良かった。
また、本作は、細かい描写や分かりやすい説明的な表現をせずに、全体を演出している。そういう意味では、ある程度の素養を求められるのかもしれないが、だからといって雑な描き方をしている訳ではない。逆に、子ども向けの演出に縛られない自由な宮崎演出が見られて貴重とも言える。
一方で、本作の本質的なテーマは要するに「モノを創ることに没頭する男」が夢を追う物語という所だろう。だかこそ、主人公は、堀越次郎でもあり、宮崎駿でもあり、そんな「モノを創ることに没頭する男」の象徴として庵野秀明が声優に選ばれたんだと思う。
主人公が妄想にふけるシーンの連続は、創造する人間の特徴だ。軍人との会議と、研究者たちの勉強会を、ともに「研究会」として描写しているシーンなどは、まさに「モノを創ることに没頭する男」と、そうでない人間を対比している。そして、主人公のような人間にとって、その創ったものが結果的に戦争の道具になり、たくさんの悲劇を生んだとしても、創ることの欲求を抑えることはできない。その象徴として、堀越次郎は主人公に選ばれている。
もちろん、宮崎駿は反戦主義者だ。それと同時に、戦車や戦闘機を描くことが好きで、自らの作品の中で戦争の描写を描き続けてきた。そこに、堀越次郎と共感するモノがあったのではないだろうか。
しかし、残念ながらそんなものは、「モノを創ることに没頭する男」の言い訳でしかない。あるいは本作を「モノを創ることに没頭する」業界人達が絶賛し合うのも、同じく自分たちの心情が描写されていることの共感でしかない。
その一方で本作は、「モノを創ることに没頭する」ことに共感できない人間を切り捨てている。何度も妄想にふける世界観を描きながら、その世界観を共有していない観客が、妄想にふける快感を共感できるほどの描写がない。残念ながら、多くの人間は、宮崎駿や庵野秀明や、あるいは主人公・次郎のように、妄想の中に没頭しながら生きていくわけにはいかないのが現実である。
つまり、本作だけに限って言えば、宮崎駿は極めて内省的な動機で作品を創っており、多くの観客を置いてけぼりにしている(もちろん、それでも成立する作品はある)。
そして、「美しい風」と「モノを創ることに没頭する男の言い訳」を2時間延々と描くために、主人公と妻の恋愛物語を挿入しているのだが、それも全く面白くない。そこは、決定的にダメなところ。この恋愛パートは、堀辰雄の小説『風立ちぬ』を下敷きにしているものの、そこだけを抜き出したら、素人が書いたケータイ小説程度のレベル。
さらに、野暮を承知であえて言えば、やはり零戦がどんなに秀逸な機体であろうと、どんなに美しい創造物であろうとも、そこには、零戦という戦闘機による多くの死者の存在があるのを忘れてはならないって点だ。仮に、現実や仮想世界の中で、原爆がどんな正当化される理由があっても、オッペンハイマーがどれほど高潔な人物だったとしても、そこに原爆で死んだ人のことを忘れてはならないことと同じ。零戦はそういう負の歴史を生まれながらにして抱えていることを、本作がちゃんと伝えられているのか、そこを抜きにして評価をすべきじゃない。だとすると、基本的な構造が観客を置き去りにして展開している本作は、その点を伝えきれていないと言わざるを得ない。
ということで、「宮崎駿の遺作」とも言われる本作。出来が悪いって事はまったくないが、それでもやはり残念な作品だったとしか評価できない。
風立ちぬ
「僕は美しい飛行機をつくりたい」少年の夢を描いたアニメ。
飛行機を愛し、煙草をくゆらせ、純愛に生きる二郎。
その夢に、その主人公に、宮崎駿監督の思い入れを感じる。
美しいものを愛する素直な心。夢に生きる。理想的な生き方。
ゼロ戦の設計者・堀越二郎と彼の生涯を書いた作家の堀辰雄の作品をモデルした映画。
賛否両論分かれる内容。名機の絶賛から特攻機へ悲劇の省略、美しく成長したが故の妻への愛情、喫煙シーン、台詞棒読みの主人公など。
「風立ちぬ、いざ生きめやも」
ポール・ヴァレリーの詩を、堀辰雄を訳した言葉。
どんな困難なときでも、「生きねば」とは生きねばなるまいというメッセージなのか?
宮崎駿監督の美しさへのこだわり。
「美しさを追い求めることの残酷さ」を描いた映画と感じた。
初ジブリ
大人のアニメ
号泣((T_T))
見た順番が…
素晴らしい作品です。
この作品は賛否両論あると思います。そして子供向けには作られてないとも思います。しかしとっても素晴らしい作品だと私は思いました。
夢への情熱や、美しいものの儚さ。切なくて虚しくて…正直言葉では上手く説明できない気持ちになりました。
ラストにかけては気がついたら号泣してしまいました。ラストは本当にメッセージ性があって心うたれました。
歴史を全て知った上で見ることをおすすめします。
宮崎駿監督の「夢の王国」
宮崎駿監督の引退作品。この映画の最大のテーマは夢だと思います。
「自分は夢を追うために全力を尽くせたのか?」と「夢の王国」なる場所で自問自答しているシーンは、本当に深い。
夢を追い続けた宮崎駿監督だからこそ描けたラストシーンだと思います。
自分も学生で夢があります。この映画に勇気付けられました。
この映画のヒロインの最後の台詞は「生きて。」でしたね。宮崎監督のデビュー作品の未来少年コナンのヒロインも同じことをいっていたなぁと。最後まで一貫して素晴らしいメッセージを描き続けた監督はやっぱりすごいです。
そして、ナウシカの7巻の最後の台詞が思い出されます。
「どんなに苦しくとも、生きねば。」
宮崎駿監督いままでありがとうございました
美しい映像と人物表現
アニメーションは、本当に素晴らしいと思った。
まるで生きているかのような躍動感を、エンジンや飛行機にもたせている。
美しい飛行機を作りたいという二郎の想いが、映像にも反映されているのだ。
色彩も驚くべき美しさで、特に空・雲・水・緑などの自然の色彩は、何色の色で描かれているのだろうかと考える程、多彩だ。
関東大震災の描写や、その時代時代の町並みの再現も注目するポイントだ。
この映画の大きなテーマは風だ。
二郎と菜穂子の出会いも、風で飛ばされた二郎の帽子を菜穂子が捕まえることがきっかけだ。
再会の時も、風によって飛ばされた菜穂子のパラソルを、二郎が偶然掴み取る。
二郎が生涯愛する人と結ばれるのは、
開発した飛行機が空中分解したことで心を病み、人生で最も暗い時期だった。
ジョブズもそうだったように、この愛する人と結ばれる時期は、ある真理かもしれない。
二郎は淡々と物事をこなす人物に描かれてきたため、
菜穂子が血を吐いたと聞いたときの動揺は、非常に映えた。
そして、何もかを捨てて菜穂子の元へ向かい、途中で涙するシーン、
こんな強い想いだったのかと驚き、そして感動した。
映画を観終わった後、心に残るのは、「創造的人生の持ち時間は10年だ。君の10年を力を尽くして生きなさい」というメッセージだ。
これは宮崎駿監督から私たちへのメッセージであり、この意味を私もまだ深く考えている。
素晴らしい映画
爽やか
大人向けでした。
効果音が人の声すぎるとこもあって面白くて笑えました。
妄想の中と現実とで効果音をわけてたら良かったのになぁーと思いましたが。全部妄想だったのかな…。
主人公は確かに棒読みでしたが、途中からしっくりきて、見終わった後になると、あの声以外ないなって感じに。
同じようにジブリ映画っぽくないなって感じましたが、ジブリ以外では考えられないなって映画に思います。
ストーリーに新鮮さは感じられませんでした。それでもグッとくるものはありました。
終わり方はとても爽やかで
人の強さだけが残りました。
お前の生き方は本当にそれで正解なのかと、問われた気がします。劇中の人物と比較すると、自分が情けなくて凹みました。
やっぱり、すごいです。
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