風立ちぬのレビュー・感想・評価
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メッセージ性
二郎の夢「ただ美しい飛行機を作りたい」は叶いはしたが戦争に使われ一機も戻らなかった。菜穂子は弱る前の美しい姿で二郎と結婚をしてその姿を愛する二郎に捧げることで寿命を減らし短命な人生を送る。この映画では「美しさを求めることは残酷である」ということがテーマになっていると思った。
また最後に菜穂子が二郎に「あなた生きて」と言う。これは妻に先立たれ、傑作の飛行機は戻って来ず、戦争も負けてしまい打ちひしがれている二郎に対して、「美しいだけじゃない人生を泥臭く生きろ。」というメッセージが込まれているのかな。監督はこれを見ている人に伝えたかったのかなと思うし、改めて宮崎駿の伝え方の上手さに感銘しました。
見れなくはないけどジブリにこんなリアリティは求めてないな。 もっと...
見れなくはないけどジブリにこんなリアリティは求めてないな。
もっと不思議ワールドでいいし大衆もそれを望んでる。
声優もこだわったみたいやけど大根すぎ違和感ありすぎで全然集中して見れない。
何かに魅せられた者の光と影。
私の身の回りでも賛否分かれる作品なんだけど、何かに心底魅せられた人間の光(エネルギー)、そしてそれ故に傍らに落ちる影を描く作品として観るなら私は素晴らしい作品だと思う。
夫婦愛の素晴らしさとか求めちゃいけない。
飛行機の美しさに魅せられ、美しい夢の世界でいきいきと敬愛するカプローニ博士と語らう堀越二郎。
彼の夢の世界のイメージ、光に溢れたカプローニ博士との飛行シーンなどは本当に素敵で、好きなものに対する喜びや理想に溢れていて、観ていてわくわくする。
(これらは監督・宮崎駿さん自身の空想でもあるんだろうね。)
あと菜穂子さんとの結婚式のシーンは本当にぞっとするほど美しい。
でも自分の理想の美しさを追い求める二郎は、結果的に第二次世界対戦の日本軍の特攻作戦に加担することとなり、愛する妻・菜穂子さんの最期にも会えないのだ。
自分の夢や理想を追い求めることは美しい。
でもそれは時に誰かを不幸にもし、また自分の他の大切なものは二の次にせざるをえないという、夢追う者の背負う業は確実にある。
何回か観てるとラストの菜穂子さんの言葉は違和感を感じてしまうな(あれは二郎の夢の世界の菜穂子さんなのだから、あれでは二郎があまりに自分勝手といえなくもない)。
様々な想いを胸に、今を生き抜く
通常スクリーンで鑑賞。
原作マンガは未読、原案(風立ちぬ)は既読。
じわぁっと胸に染みて来る作品でした。多くを語らず、多くを見せず、行間が豊かで、想像力を刺激して来る描写に徹しており、心を揺さぶられました。時空を越え空間を越えて、豊かなイマジネーションに彩られた物語が、史実と小説と空想が巧みに入り乱れながら、まるで詩のように編まれていました。
堀越次郎が飛行機に捧げる情熱。彼と奈穂子が織り成す美しい生の賛歌。どれもが胸を打たれるものでした。夢、現実、苦難、愛、幸福、覚悟、後悔。およそ人生で経験するであろうことがぎっしりと詰まっているように思いました。
決して平坦では無い道のりでも、そこで出会う様々な事柄に影響を受け、時には挫折を味わうかもしれませんが、それでも進んで行かなくてはならない。想いの赴くままに。
混迷している時代だからこそ、己を見失わずに生きていくことが大切ではないかと訴えているように思いました。懸命に生き抜くこと以外に、大切なことがあろうか!?
[余談1]
主題歌「ひこうき雲」が見事なマッチング。本作と出会ったのは運命の仕業だと思いました。見事な余韻に痺れました。
[余談2]
宮崎駿監督の引退作として公開されましたが、その後宣言は撤回され、真の引退作となる「君たちはどう生きるか」の公開が待ち切れない今日この頃であります!
[以降の鑑賞記録]
2014/? ?/? ?:DVD
2015/02/20:金曜ロードSHOW!
2019/04/12:金曜ロードSHOW!
2021/08/27:金曜ロードショー
※修正(2024/05/21)
力を尽くして生きる。
宮崎駿の最高傑作。ただただ美しいものを作りたかった。美しいものを見たかった。
宮崎駿といえば、すべての長編アニメーションが、誰かしらの最高傑作になり得る作品ばかりを世に送っている。自分の中で、その頂上に立つのがこの「風立ちぬ」
宮崎駿の言う「堪ふる限りの力を尽くして生きなさい」という言葉が映画では「君の10年を力を尽くして生きなさい」に変わっていた。宮崎駿が、生きてきた人生を堀越二郎に投影して描いていたのではないだろうか。
戦闘機を作るお金があれば、何百人もの子どもを救える。それでも、当時の日本は坂の上の雲を目指し、投資した。戦争は嫌いだが、戦闘機は好きという矛盾。
周りの人から、人間じゃないと思われ続けても、スタッフを怒鳴り散らしてでも、とことん納得のいく作品作りに邁進した宮崎駿に重なる。
風が吹いていれば、生きなくてはいけない。持ち得る10年をどう生きる?という問いかけが、現代に生きる我々には強く重く深く刻まれる。
最後の試験飛行の意味は、何だったんだろう。成功して、遠くの山をじっと見つめる二郎。あの瞬間、菜穂子は亡くなったのだろうが、風がやんだようにも感じた。風がやんだ。力の限り生きなくてよくなったのだ。
堀越二郎の生き方。最後の煉獄のシーン、敗戦の日本。美しいものを作りたかっただけなのに、人を殺し、戦争の道具になった。そして風はやんだ。だからこそ、最後の菜穂子の言葉「あなた生きて」は響くのだ。
生き抜いた。何も残らなかった。それでも、二郎は生きなくてはならないのだから。
アニメーション論
「かぐや姫の物語」と合わせてレンタルしてきて再鑑賞。
宮崎さんの映画は「もののけ姫」あたりから、1回見ただけではピンとこなくて、2回見てやっと飲み込めるようになっていった気がする。
本作も同じで、最初に観たときは全然ピンとこなかったけど、今回再度観てやっと物語がするりと飲み込めたように思う。
堀越二郎に自身を、飛行機とアニメーション重ね合わせて、クリエイターとしての人生を振り返った本作は、当時、間違いなく宮崎さんの遺言として描かれていて、アニメーション作家宮崎駿の葛藤や苦悩が赤裸々に綴られた名作だと思う。
「かぐや姫~」と合わせて観てよかった。
音と声が許せない。
作品云々より、主人公の声や効果音が許せなかった。一生懸命作った作品のはずだが、良くあれでOK出せるなと思う。
どー言う意図で声優や俳優を使わずオーディションもせず庵野さんを主人公の声にしたのか理解不能。
庵野さんもプロの声優に失礼だと思わんかったんかな?断れば良いのに!
こんな耳障りな効果音と声でやるなら音楽だけ流すかいっそサイレントでやった方がましな気がする。
内容的にも戦争中に本意ではないにしろ国策に加担した人を描くにはあまりに爽やか過ぎて違和感を感じた。
僕らのいのちは
私のオールタイムベストの1本です。
はじめてDVDを購入した映画でもあります。
飛ぶ夢を見る飛べない少年は、大人になっても飛ぶ夢を見る。ただひたすら、美しさを追求して、孕んだ少年が産んだものは戻ってこなかった。
思考を手放してはいけない
純粋な夢は平和だからこそ持つ事ができる。
手厚い医療は豊かだからこそ受ける事ができる。
全て、当たり前の事ではないのだ。
戦争へ向かいつつある時代では、夢であったはずの技術開発は戦争の道具とされ、
助かるものも助からない。
どうか、日本が同じ過ちを繰り返し、戦争へ突入しませんように。
ある意味1番好きかもしれない
賛否両論あるようですが美しいけれど美しいだけじゃないとても素晴らしい映画だと思いました。二郎の菜穂子と仕事のどちらか選べないところは残酷ですがそれがリアルだと思いました。菜穂子が死ぬことをわかって見るとさらに切なく「1日1日を大切に生きたい」というセリフが胸にしみました。見返すたびに感想が変わる映画だと思います。本当に泣ける映画です。音楽もジブリのなかで1、2番目くらいに好きな美しい音楽です。少し残念なのはやはり主役の声でしょうか、、、さすがにちょっと、と思ってしまいます。宮崎駿の考えることはよくわからないと改めて思いました。
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