風立ちぬのレビュー・感想・評価
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表現者の詩的自伝
印象に「知的」を選んだのは、観た後に楽しめなかった自分を分析することになったから。
小学生の頃に抱いた夢を追い続け、夢の実現に半生をかけた人生が描かれ、主人公はどこまでもピュアで、一切の闇は描かれない。こんなにリアリティのない大人を観ても、大人の心には響かない。では子供はどうかと言えば、子供には少し敷居が高い。出てくるのが大人ばかりで、恋愛が絡んでいたりとちと難しい。
主人公がピュアな技術者で、それを支える病床の奥さん、ピュアな主人公を支える上司や同僚。どこまでいっても、技術者は夢の実現に生き、夢の昇華に全エネルギーを傾ける。幼い頃に見た夢が、最後まで続き、心の師(カプローニ)に導かれる世界はファンタジーである。
宮崎駿自身の制作表現の半生を詩的に描いていると自分は思った。少し現実離れしている主人公はファンタジーに生きている。そういう映画だった。
30歳以上の大人向けジブリ
今作は子供向けではないのは間違いないです。時代は1930年ぐらいと結構古いのでその時代背景知ってないと厳しいかもしれません。タバコのシーンにケチる団体いますが1930年あたりに前面禁煙なんてないですからタバコのシーンがないのは逆に不自然でしょう。アニメと現実を区別できない大人のやることですから。映画のほうはテンポよく進むので結構早く感じますし全体的にいい映画でした。宮崎駿監督が長編アニメ映画から引退することがこの作品みたらなんとなくわかると思います(自分の好きな飛行機ネタなんで)。この映画がきっかけで航空祭いったりするきっかけにもなりました。最近のジブリ映画では好きな分類になりました。また見てもいいかも
どこまでが真実?
宮崎映画史上一番内容が薄い
正直なんでこの映画が絶賛されているかわからない。
自伝映画で一番やっちゃいけない事をやってしまってる気がする。
自伝映画が一番つまらなくなるパターンは、その人がした事の情報を伝えるのに集中しすぎて、キャラクター自身の心理描写や葛藤が蔑ろにされてしまう事。
まさにそれをやってしまった。
ひたすら2時間、主人公が飛行機を試行錯誤しているのを延々と見せられる。
ラブストーリーの要素もあるのだが、その要素をメインのストーリーにすれば良かったと思う。もったいない。。
主人公の心理描写、葛藤が薄過ぎて、正直最後はどうでもよくなってくる。
「生きにくい時代に生きた人の話」って言われているが、エリートの設計士が試行錯誤しているのをずっと見るわけで、別に貧乏人で苦労するわけでもないし、山奥の別荘に行ったりとか、結構裕福な生活してる人だし。
この時代もっと遥かに大変な思いした人がいっぱい中で、彼を題材にしても、ちょっとねぇ。。。
ちょっと設定ミスというか、そもそもこの人を題材に映画を作る事自体がダメだった気がする。
これが宮崎駿の最後の作品になると思うと、ものすごく残念。
色々考えさせられました
昨日観て感じた本音は
ファンタジーを描くジブリが、戦争の映画をどう描くのかとても気になって、昨日観に行きました。
正直な感想を言います。
『凛として愛』という映画を観たことがある方なら、
ご存知と思いますが、日本は過去に、大東亜戦争(太平洋戦争)に敗れ、戦勝国が日本に上陸し、GHQ支配の元、日本弱体化計画が行われ、日本の精神、そして真実の歴史が偽りの色に塗り替えられ、日本はやってもいない罪をたくさん着せられて、罪深い野蛮民族という間違ったイメージを世界に定着させられてしまいました。
それは主に、GHQが作った日教組を頂点とした学校教育、
そしてGHQ支配下に置かれた日本のほぼ全てのラジオやメディアによって、日本人は洗脳されてしまいました。
もちろん映画もその支配下に置かれ、洗脳の道具にさせられました。
宮崎監督曰く『もうファンタジーではいけないのだ。日本を取り巻く時代の波風がもうそれを許さない。私ももう時間がない』
その意味が、映画を見ている最中にずっとくり返しこだましました。かといって『商業でやっているので、客が入らなくてもいい!と思える強さもない』ともおっしゃっておられました。
日本国民をファンタジーの微笑ましい世界へ誘ってきた彼の魂の激しい葛藤が見て取れました。
タブーとされている先の戦争や兵器に対して描写する難しさ。宮崎監督は、最後に、地位や名声、お金のために、そしてなにより、芸術家として、魂の本音に、嘘をつきたくなかったんだと思います。後悔したくなかったのだとも感じました。
正直、ファンタジーを求める意識のままで見れば、面白みは薄い映画だとおもいます。
しかし、もっと深い意識で感じれば、本当に進まなければならない、本当に開眼して見なければならない真実、そして過去の方向に、向きを変えさせられる、『きっかけのきっかけ』になる映画としては、非常に意味のある映画だと感じました。
夢から目覚め、本当に向き合わなければならない方向へと。
縛りだらけのそして洗脳され過ぎた現代日本、そしジブリのイメージや様々な要因ゆえに、
言いたくても言えない、描きたくても描けない
様々なジレンマを、空気で感じる映画だと思います。
スクリーンの奥に、耳を澄ますことだと思います。
この映画は、映画が始まり、そして終わり、ライトがつく。そこからがこの映画の始まりのような気がしました。
終わって家に帰って、日常の中で映画の意味を解読していく、そんな映画だと思いました。
終わりのない映画。それこそが、本物の映画のように思います。
『風立ちぬ』に興味がある方、もしくは既に見た方は、是非『凛として愛』も観てみてください。YouTubeで無料で全編ノーカット版で観れます。そうすれば、風立ちぬのもっと深い何かを、垣間見れるかもしれません。
『私が作った映画で、初めて泣きました』
監督のこの言葉の真意が理解できるのは、
日本人として、目覚めた
その時だと思います。
日本の皆が、幸せでありますように・・・
そして世界中が平和でありますように・・・
子供向けではない
フルカラーフィルムで、大正~昭和
関東大震災以前の日本の風景など、観る事はかなわないものがアニメで観られるというのも嬉しいです
現代ではCGを駆使して再現可能だとは思うけど、
宮崎監督のアニメだと、絵がそれほどリアルなわけではないのに、怖さというか、
ぞーっと鳥肌がたつような感覚が本当に上手くて、
飛行機の3次元感なども身にせまってくるようで、映像の点でも本当にすばらしい映画でした
やはり映画館で観るべき、と思います
ナウシカの設定資料を読んだことがありますが、
衣装、たとえばポケットの役割や、飛行機の種類(荷物用や戦闘用の区別など)、生き物の特徴、とにかく細部にわたって設定がしてありまして
だけど映像にはそれらの説明はいちいち全部出てこない
ただ納得のいく形として出てくるだけで・・・
設定の濃密さに比べれば、ストーリーに出てくるのはほんの一部、
今回の映画では、そういった宮崎監督の濃いところが、若干見えるような気がしました
今までゼロ戦というと、つらく悲しいイメージしか持っていなかった
当時の技術で、凄い飛行機だったのだということは、この映画で初めてわかりました
第二次大戦が日本にとって本当に悲惨な歴史だということは、もうわかっているので
それをそのまま再現したようなアニメフィルムだったら、多分つらいから自分は観なかった
それでも、特攻などの、帰還することすら叶わない飛行機の設計とか、
飛行機会社として関わってなかったはずはないと思うのに
そういう場面を挟まなかったのは、なぜだろう
あんまりひどすぎて、ラブシーンもふっとんじゃうからでしょうか
ラストシーンの台詞が、実は別バージョンがあったらしいけれど
死んでしまったあとの話であるよりは、
観客としては、生きている自分を肯定したい気持ちもあるので
どっちかというと、
あのラストであって欲しい
残酷なのは二郎ではなくて、観客かもしれません
ダンテ神曲もトーマス・マン魔の山も読んだことがない
しかしとても読む気が起きないなぁ・・・
面白いのだろうか
心に残る映画
私は、正直言ってこの映画を見た時には泣けなかった。
物足りないとか、泣ける場面が無いとか、
いろいろな評価があるんだろうなと感じた。
私の率直な映画の感想は、この映画の登場人物は、
大変な状況にあるにもかかわらず愚痴がない。
とにかく愚痴が無く、自分の運命を呪うこともなく、
ただただ懸命に生きていたという事だけが心に残った。
それが数日経って実社会に戻った生活をしていて思い出すと、
不思議と涙が溢れてきた。
登場人物のちょっとした表情。
発言した言葉。
ありふれた映画の中の言葉や表現として捉えていた事が、
あまりにも純粋な思いに溢れている事に気づかされた。
懸命に生きている人間の誰も見ていない所での
こぼれ落ちる涙を思い出すと、今でも涙が溢れてきます。
描ききれてない?
詩のような映画
台詞・説明等、余計なことを語らず、削ぎ落とすことによって、詩のように美しく仕上がった映画だと思います。
戦時中に絡む時代背景ですが、戦争の悲惨さ等の表現は他の映画なり本なりによって観客は理解しているものとして最小限に省き、あくまで二郎の生き様・視点を主眼においています。
さらに、映画で進む二郎の時間も数十年と長いですが、その時間の場転時にカプローニと二郎の夢を挟むことによって、無理なく美しく場転に成功しています。
映画の前半は二郎の夢を追う姿、後半はそこに菜穂子との物語が絡み、疾走感と悲恋のせつなさが観る者の心を震わせます。
特に菜穂子の花嫁姿の幽玄さと儚さ、二郎と菜穂子の想いと背景に想いを馳せれば涙無しには観れませんでした。
菜穂子が突然二郎にあなたと言い出すシーンもありますが、言葉で語らず、二郎と菜穂子との帽子のやりとりと紙飛行機のやりとりで、二人の距離を縮める描写は十分だと思います。
そして最後、カプローニとの夢の中で、二郎に別れの言葉を言えなかった菜穂子の最後の言葉、そこからの「ひこうき雲」の曲へと流れるラストは本当に素晴らしかったです。
一応、機械系の仕事に携わっていますが、戦闘機の説明があれで合っているのかどうかは知りません。
ただ、そんなことは抜きにしても、あのアニメーションは手間と労力を惜しみなく割いていることはわかりますし、シーンに手を抜かないことの積み重ねが観る者の真に訴えることに繋がっていると思います。
また、カプローニとの夢のシーンもアニメだからこそ、違和感を感じずに観ること、世界観に入ることが出来たように思います。
だから、この作品は本当にアニメで良かったと思います。
私個人としては、ジブリの作品は正直、千と千尋~以降は嫌いでした。
しかし、決して万人受けではないかもしれませんが、これほどの良質の作品を作ってくれたこと、そして私個人としてこの作品に出会えたことに本当に感謝しています。
この作品で最後になるのかもしれませんが、宮崎監督、本当にありがとうございました。
生きづらい時代を駆け抜けた等身大の若者
良い記念になりました。
大変美しく アニメーション映画の最高峰の映像だと思います。
群衆や背景も丁寧に描かれていて本当に感動しました。
ストーリーは夢と絶望が交差する現実の厳しさが、バランス良くまとめられていて私は素直に泣けました。
ただ、タバコの大っ嫌いな私には、タバコを吸いっぱなしの主人公や友人達がとても不愉快で台無しでした。
今は分からない ほかの人にはわからない
ユーミンの歌とおりです。
菜穂子にだけ理解できればいいのです。
だから菜穂子を特別にかわいく描くんです。
普通恋愛ってくっついたり、離れたり、浮いたり沈んだりで成り立ちますが、
昭和の激動期はそういう余裕はないんです。
ただ、好きになったらほんとに一途なんですね。
東京と名古屋って当時なら10時間以上かかりますが、それでもいくんです。
二郎からの手紙をみて愛おしくなってサナトリウムを抜け出す。
そしてもう離さない、離れない。
新婚でも二郎は仕事がいっぱいで毎晩帰宅は遅い。
仕事を持ち帰ったこともあります。でも手だけは離さないで。
妙に生々しかったです。誰かの実話なんでしょうね。
やっと飛行機の図面が完成します。もう疲れ果ててバタンキューです。
よくやったね、貴方。二郎のメガネを優しくはずしてあげます。
これがお別れの合図でした。無理にして朝早くおきてお化粧して美しくしていたのですが、
もう死期は近いようです。
断末魔に苦しむ美しくない自分を二郎に見られたくない。
置手紙を残して菜穂子はサナトリウムに戻ります。
それから遠くない日に飛行機のテストが行われます。
おそらくこれに成功すれば区切りがついて菜穂子の元にもいけたかもしれません。
でも、その最中虫の知らせを察するわけです。おそらく菜穂子の死なんでしょう。
戦争が終わって二郎はすべてなくします。彼の飛行機は一機も帰ってこなかった。
でも、菜穂子は一瞬風になって戻ってきてくれました。
二郎は誓うのです。「生きねば」
美しい菜穂子にさえ理解してもらえばいいんです。これはそういう映画でした。
二郎の声は庵野でよかった!
宮崎駿の作品は幼い頃から見てきたし全ての作品が面白いわけではない。私は、ラピュタやナウシカのような非現実的な物語、その世界観からの強いメッセージが好きでした。
風立ちぬは、そういった類の作品とは違うので私個人のレビュー評価は高くない。
この作品はジブリファンの為のものではなく宮崎駿が面白いと思うものを金と時間をつぎ込んで創った最初で最後の趣味の作品でしょう。
戦争や飛行機、女性にタバコ、設計士、全て宮崎駿自身であり彼の価値観でもあります。
物語全体としても特に見せ場はなく、私は感動等しませんでした。これは見る人によるのでしょうね。感動したというレビュー多々見受けられました。この作品が視聴者へ媚びない商業的な作品ではないからでしょう。好き嫌いあるでしょうね。でも私はDVDになったら借りてもう一度見てみたいと思っています。
あと、二郎の声は良かったですねー!耳をすませばの主人公のお父さんを思いだしました!図書館で司書をしている知的な人です。二郎の声にも、あまり起伏のない、フラットな庵野秀明の声がとてもはまっていて、一番良かったです!
監督病み期でした??
この映画を見て感じたことは、努力をしても報われない。
能力があることが幸せに繋がるとは限らない。ってところですかね?
主人公を落とすだけ落として終わりに見えました。
ラストの会話って、主人公はあまりの出来事に自殺をはかってそのまま死んでしまうって風に取れたんですけど...
面白いと言うにはちょっと。って作品だったと思います。
映像が美しくそれなりに楽しめたが、予告編は下駄を履かせ過ぎかと
私の感想は、レビューの題名に全て集約しております。
劇場で予告編を見てしまうと、期待は非常に高まります。
ゆーみんのひこうき雲なんてバックに流されちゃうと期待値は5割り増しくらいになります。
そういう意味で、興業収入の3分の1くらいはゆーみんはもらう資格がありそう(笑
映像や色彩はそれはそれは美しいもので、
登場人物もすばらしい人ばかりで魅力的ではありますが、
私には全てがちょっとずつ物足りないというか、中途半端に思えました。
戦争映画でもないし、恋愛映画でもないし、ゼロ戦に心血を注ぐ男の物語でもない。
空気感のようなものを感じさせる映画でしたが、それがどういった空気感か、と問われると
ちょっと言葉にできないんですよね。
あと、主人公の声は大抜擢だったようですが、私は最後までその声に馴染めませんでした。
そろそろ、ちゃんとプロの声優さんを使って欲しいなぁ。
ハヤオの集大成で良い?
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