劇場公開日 2013年7月20日

「昨日観て感じた本音は」風立ちぬ やまとさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5昨日観て感じた本音は

2013年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

ファンタジーを描くジブリが、戦争の映画をどう描くのかとても気になって、昨日観に行きました。

正直な感想を言います。

『凛として愛』という映画を観たことがある方なら、
ご存知と思いますが、日本は過去に、大東亜戦争(太平洋戦争)に敗れ、戦勝国が日本に上陸し、GHQ支配の元、日本弱体化計画が行われ、日本の精神、そして真実の歴史が偽りの色に塗り替えられ、日本はやってもいない罪をたくさん着せられて、罪深い野蛮民族という間違ったイメージを世界に定着させられてしまいました。

それは主に、GHQが作った日教組を頂点とした学校教育、
そしてGHQ支配下に置かれた日本のほぼ全てのラジオやメディアによって、日本人は洗脳されてしまいました。
もちろん映画もその支配下に置かれ、洗脳の道具にさせられました。

宮崎監督曰く『もうファンタジーではいけないのだ。日本を取り巻く時代の波風がもうそれを許さない。私ももう時間がない』
その意味が、映画を見ている最中にずっとくり返しこだましました。かといって『商業でやっているので、客が入らなくてもいい!と思える強さもない』ともおっしゃっておられました。

日本国民をファンタジーの微笑ましい世界へ誘ってきた彼の魂の激しい葛藤が見て取れました。

タブーとされている先の戦争や兵器に対して描写する難しさ。宮崎監督は、最後に、地位や名声、お金のために、そしてなにより、芸術家として、魂の本音に、嘘をつきたくなかったんだと思います。後悔したくなかったのだとも感じました。

正直、ファンタジーを求める意識のままで見れば、面白みは薄い映画だとおもいます。

しかし、もっと深い意識で感じれば、本当に進まなければならない、本当に開眼して見なければならない真実、そして過去の方向に、向きを変えさせられる、『きっかけのきっかけ』になる映画としては、非常に意味のある映画だと感じました。

夢から目覚め、本当に向き合わなければならない方向へと。

縛りだらけのそして洗脳され過ぎた現代日本、そしジブリのイメージや様々な要因ゆえに、
言いたくても言えない、描きたくても描けない
様々なジレンマを、空気で感じる映画だと思います。
スクリーンの奥に、耳を澄ますことだと思います。

この映画は、映画が始まり、そして終わり、ライトがつく。そこからがこの映画の始まりのような気がしました。
終わって家に帰って、日常の中で映画の意味を解読していく、そんな映画だと思いました。

終わりのない映画。それこそが、本物の映画のように思います。

『風立ちぬ』に興味がある方、もしくは既に見た方は、是非『凛として愛』も観てみてください。YouTubeで無料で全編ノーカット版で観れます。そうすれば、風立ちぬのもっと深い何かを、垣間見れるかもしれません。

『私が作った映画で、初めて泣きました』
監督のこの言葉の真意が理解できるのは、
日本人として、目覚めた

その時だと思います。

日本の皆が、幸せでありますように・・・
そして世界中が平和でありますように・・・

やまと