「ジブリ作品という先入観なく見れば5つ星」風立ちぬ 西向くさむらいさんの映画レビュー(感想・評価)
ジブリ作品という先入観なく見れば5つ星
前評判はいろいろあれど、わたしは面白かったです。
庵野さんの声も違和感は感じませんでした。
「愛してる」とか、あんな感じで安野モヨコさんに言ってるのかな~と思いました。
今までのジブリ作品のカタルシスや爽快感を求めていくとダメなんでしょうね。
賛否両論真っ二つなのがよくわかりました。
だってジブリ映画なのにやたらチュッチュッしてるし、結婚初夜のことも露骨に描いてあるし…
これ、デートで行ったら気まずい雰囲気になるんじゃないでしょうかね~
反戦なんだけど飛行機好き、ってところを監督はよく突っ込まれてますけど、わたしも同じなので同情申し上げます。
戦争が好きなわけでないんですけど、戦争に関わるものが持つ凛々しさ、ストイックさにはひきつけられちゃうんですよね。
そしてこの映画、学生の時に見たらぴんとこなかったと思います。
働くようになって味わった、自分がしたことの結果起こる不幸、それを受け入れる苦味、みたいな二郎の気持ちは僭越ながら非常に共感できました。
あれだけ全身全霊を込めた仕事も結婚も全てが悲しい結果になったわけで、そういう「喪失感」は若いうちには想像できなかったかも。
最後のシーンの、「風立ちぬ、いざ生きめやも」は、もののけ姫の「生きろ」よりズシンときました。
「零戦なんかを作ってしまった」ではなく、「零戦という素晴らしい飛行機を作った」でもなく、ニュートラルに事実を述べるラストは大人の味わいでございました。
号泣必須と聞いていたから大判のハンカチ持って行ったけど、その出番はありませんでした。
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