劇場公開日 2013年7月20日

「美しい大人のファンタジー」風立ちぬ ルナエフェクトさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0美しい大人のファンタジー

2013年7月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

戦争を賛美も糾弾もせず。ただ淡々と人間愛と飛行機、そして大空への見果てぬ憧憬を描いた正しく宮崎駿の最高傑作。
美しい映像と美しい音楽。
オープニングのノスタルジックな田園風景とバラライカの奏でる切ないトレモロ‥‥。
名作とされる映画には、やはり名曲は欠かせません。今回の映画は久石譲の音楽が素晴らしい相乗効果を与えています。
(毎回素晴らしいのですが今回特に)
封切られたばかりの新作なのにすでに不朽の名作のような雰囲気を漂わせているのは、映像と音楽の素敵なマリアージュのせいでしょう。
カプローニとの夢での邂逅シーンは非常に重要で物語の骨格と言っても過言ではないと思います。主人公二郎の声に関しては私は違和感なく聞けました。逆に見事なキャスティングだと思います。理系の人間はああいう抑揚の無い言葉使いするし、じじくさい声という批判もあるけど昭和初期の人間は今よりも老成しているし、特にインテリゲンチャはあんな感じの声のトーンだと思います。とにかく泣ける映画。ある程度人生の年輪を重ねて仕事、恋愛、結婚、子育て、最愛の人との別れ…。などを経験した人間が見れば間違いなく感動します。確かに子供向きとは言えない作品ですが全て理解出来なくても色々なシーンや言葉、音楽が必お子さんの心に刻まれると思います。是非ご覧下さい。

ルナエフェクト