劇場公開日 2013年7月20日

「スタジオジブリ宮崎さんと鈴木さんに物申す人はもういないのか!」風立ちぬ 神戸 幸治さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0スタジオジブリ宮崎さんと鈴木さんに物申す人はもういないのか!

2013年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

いろんな登場人物が点であり線でつながっていません。脚本に矛盾が多過ぎる。1)夢の中に出てくるイタリア人不自然。2)会社の同僚の設計技士の存在意義が不明。3)零戦の作る前にの試作機と零戦の形が全然違う。4)なおこの結核の治療プロセスがよくわからない。

神戸 幸治
PENさんのコメント
2013年7月24日

おっしゃる点は自分も気になりました。

調べてみると、宮崎さんは、起承転結で話がきっちり転がり、つくった伏線がきちんと回収されるような作品をつくる気はあまりないというような話をしているようです。

作品内の世界を精密に設計する作品は昨今多いですが、そういうのに辟易してて、言葉は悪いですが少し馬鹿にしてるんだと思います。人を感動させるのはそういうところじゃないって思ってるのでは?

公開直前に日本テレビでやってた特番で流れたのですが、法務をやってる社員が、当初あった(おそらく)医師となる妹の「国家試験に受かった」という台詞に「戦前は医師の国家試験はなかった。あの台詞はおかしい」と指摘したら、鈴木Pは「宮さんは非常に不機嫌になった」と冗談めかしながら話してました。

最終的には削除されたみたいですが、そういうディテールを指摘するのは野暮だという空気で作品はつくられているのだと思います。

PEN
wivern03さんのコメント
2013年7月21日

あのイタリア人はまさに夢なのです。二郎の夢であり原動力。

劇中に出てくる「九試単座戦闘機」(終盤で高性能を見せつける尾翼が赤い機体。ポスターにも描かれている)と零戦のつながりがわからないということですが、あの機体は後に「96式艦上戦闘機」になるもので太平洋戦争以前の主力機です。「零式艦上戦闘機」いわゆる零戦以前の戦闘機なのです。
映画では、九試単座戦闘機の成功からすぐB29による爆撃シーン、さらに敗戦の描写へと続きます。太平洋戦争以前から敗戦時へと一気にすっ飛ばしているのです。
だからそこでカプローニに「君の十年はどうだったかね」と聞かれるのです。
航空機技術者として開花してからの十年間は全く描写されていません。
知識のない方は何故九試単座戦闘機の成功からいきなり零戦が出てくるのか理解できないのもわかります。

結核の治療プロセスもなにもありません。当時は治らない病気だったのです。だから少しでも空気のよい高原病院に「隔離」し、余命を伸ばすことしかできなかったのです。菜穂子は余命がもうわずかであることを察し、高原病院を出て二郎との時間を精一杯過ごし、いよいよという時に高原病院に帰って行ったのです。

wivern03