「「生きろ」がテーマ」風立ちぬ yamayuriさんの映画レビュー(感想・評価)
「生きろ」がテーマ
最初この映画を見ていて、ストーリーの展開は遅いし、退屈だなぁ・・と感じてました。確かに今までの宮崎作品とは違うと、そんな思いでしたが、試写会の後にしばらく考えてみて、最後のユーミンの「ひこうき雲」の歌とコラボレーションして「生きる」事への強烈なメッセージが込められた映画だという事が鮮明な印象として残りました。日本の航空技術に大きな夢を持った堀越二郎、零戦を設計をした人、そして戦争では人が死ぬ。戦闘機を作らなければいけないという矛盾を抱えながらも生きなければならない。それと、恋人の奈緒子、結核で先に絶ってしまう。ラブストーリーが長かった為に少し掴みにくかったのですが、この二つの死を並べて、「生きねば」と、強烈なメッセージを伝えたかったのではなかったのでしょうか?堀辰夫の「風立ちぬ」がぴったりその物な映画でした。「風立ちぬ、いざ生きめやも」
yamayuriさん
いつも、暖かいコメントありがとうございます。この作品、劇中でも語られている様に
10年と言うのが、一つの節目なのかも知れません。才能に恵まれた、宮崎監督でも10年が限界で、その後は同じテーマの焼き直しになるのかも知れません。
「生きろ」がテーマなのは解りますが、では何故2013年の夏に、彼は既に「生きろ」と言うテーマの作品を制作しているのに、繰り返し「生きろ」と言う映画を制作する必要性が有ったのでしょうか?その事が観る側に伝わって来ないのです。
結核の菜緒子の目の前で喫煙するし、戦前の男は、喫煙者が多数でも、このキャラでは繊細さが、伝わらなかったし、手紙を残して、去って行った菜緒子を追う事もない主人公のキャラが今でも、理解出来ませんでした。そして、特攻隊員は、誰も帰って来なかったと言っても、ゼロ戦の設計をした張本人の言葉だから、始めから帰還しないものを創っているのは承知しているので、真実味が伝わって来なかったのです。残念です。
でも、映画は、ヒットしているのだから、不景気な映画産業界には救いですね。それで良かったのかも知れませんね。