「何を伝えたい作品なのか分からなかった」風立ちぬ jellyfishさんの映画レビュー(感想・評価)
何を伝えたい作品なのか分からなかった
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ジブリの中では長い(120分超)のに薄く、正直退屈してしまった。
実在の人物を忠実に描くためには仕方ないのかと思ったけど、「堀越二郎」は名前と職業のみ借りていて、彼の中身は風立ちぬの作者とのこと。創作であればやっぱり微妙と思った。
「生きねば」というほど主人公が生きるために苦労しているように見えない。
この国はどうして貧乏なのかと言いつつどこか他人事のように見える。
美しい飛行機を作りたいという純粋な夢が殺戮に繋がることを、葛藤している描写が特にない。
ぼんやりしてて変わり者で優しいのは魅力的だけど、ただそれだけなので物語も平坦に進む。
他の人も話している声問題もやっぱり気になった。
耳をすませばの雫父もなかなかの棒読みでびっくりしたけど、あれはどこにでもいる普通のお父さん感があって逆にいいんだろうなと思えた。でも堀越二郎はこの作品の主人公でずっと中心にいるので、更に物語を平坦に感じさせる一因になっている気がした。そもそも青年役にしては声が重たいような、、
また、ヒロインは二郎に恩があり少ない交流の中で好きになる理由が分かるけど、二郎はなぜヒロインを愛しているとまで言えるのか最後まで分からなかった。
再会してからは紙ひこうきで遊んだくらいでは?
唯一、
周りの人が「健気だ」と当たり前に助けてくれるのは都合がいいなと思いつつ、
菜穂子が(おそらく)自分の限界を悟り束の間の夫婦生活を強行したところ、「美しいところだけ好きな人に見てもらったのね」という上司の妻の言葉には感動した。
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