「邦題で損する典型」死霊館 Flagmanさんの映画レビュー(感想・評価)
邦題で損する典型
2022年5月鑑賞
死霊館シリーズがまさかのユニバース化すると聞いて、以前アナベルだけは鑑賞済みだしと、この際に観てみるかと期待せずに観た。
洋画も邦画も基本ホラーにはあまり期待をしないが時々傑作ホラーにも当たる事もある。
今作はそれだった。
ただ、傑作と言ってしまうと期待をする人もいるかもしれないので、『個人的に』と言っておきます。
まず個人的良作ホラーと言う物は
・大前提でストーリーがしっかりしてる事。
・カメラワークがホラーしてるか
・音で驚かせたりグロテスクで持っていくパ ワープレイをしない事
・何が起きているのかがちゃんと分かり、ホラー演出で雰囲気作りをした後にちゃんと怖い物が作れているか。
・ラストのオチが無理に大袈裟なものにならない事。
当たり前なのだが出来てるホラーは少ない。
視覚的に驚かせ、ストーリーは有耶無耶。
謎の演出に謎の終わり方のホラーなんてザラにあります。
今作死霊館はそれがよく出来ていた。
まず『事実に基づいた』というパワーワード。
この前提を置く事で一気に興味が持てるし、作品自体に淡いリアル感が無意識に作り出される。
この作品は1971年に起きた事件を調査したアメリカで実在した超常現象研究家のウォーレン夫妻の実体験に基づいた話だそう。
実にロマンがある。
嘘か誠かなんて正直どうでも良い。
この前設定は作品作りに置いてかなり強い。
事実に基づく故に地味な演出になるのかと思いきや、意外とちゃんと怖く作れてる。
僕の大嫌いな音で驚かせると言った安っぽい脅し方も確かにあるのだが、許容範囲。
もしかして当たりホラーかもと中盤あたりで察しました。
ストーリーがしっかり作り込んでる。
そして霊の存在を非科学的な物として扱い。
その体験の大半が科学的に証明できる人間側の問題だと言い切る。
かなりリアル思考だった。
この時点で好きなアプローチ。
観ている物はガチガチのホラーだがどちらかと言うとミステリーの様な観てる側が入り込める演出が上手い。
そしてカメラワーク。
完璧だった。人間が何となく嫌だなと感じる独特の目線や恐怖感をちゃんとカメラワークで作り上げられてる。
いつの間にか観入り
あっという間のラスト。
なるほどねー。面白かった。
ラストもそれで解決!?といかにも実話ベース感を出しリアリティを優先してて好感が持てる。
最後の実際の写真もいい感じ。
ただ。ただね、、
面白かったんだが、、、
やっぱり日本人からすればあまり悪魔的な物に恐怖感がないと言うか、ピンと来ない。
アメリカ人やキリスト教の人達はとてつもなく怖いのだろう。
ふと思ったけど。
何で海外の霊体験ってほとんどが悪魔系なのだろうか。
日本でも悪魔系の霊体験ってあるのだろうか?
ここを突っ込んじゃダメなのかな笑
邦題が何とも言えないB級感を出してしまい残念。
邦題考える人はもう少し上手く考えて欲しいな。
ちゃんと観てるんだよね?
だったらB級タイトル風な安っぽい邦題を付けるのはどうかと思う。
オススメです。