「いい人ばっかり。」春を背負って mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
いい人ばっかり。
雪山での撮影にこだわる木村大作監督作品である。
「八甲田山」(森谷司郎監督)や「復活の日」(深作欣二監督)のようなヒリヒリするようなパニックは起こらない。
高い山の上で山小屋を営んでいた父親が事故で亡くなった。息子の亨(松山ケンイチ)はトレーダーの仕事を辞めて山小屋を継ぐことにする。
確かにロケの効果は絶大である。雪の中を歩いているシーンをロングショットでとらえるところなどは観ていてすごいとは思う。
だがドラマとしては、まったく機能していないといってもいい。
葛藤がない。山小屋を継いで、愛ちゃん(蒼井優)や悟郎さん(豊川悦司)の協力もあってかなり順調にことは進む。
天候が荒れているのに引きとめられなかった大飯くん(池松壮亮)がケカをしても、すぐに立ち直る。
いい人しか出てこない映画は、観ていて気持ちはいいが、感動は小さい。
笹本稜平の原作はどうなっているのだろうか。
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