劇場公開日 2014年6月14日

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「美しい風景は必見」春を背負って えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0美しい風景は必見

2014年7月6日
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『春を背負って』を鑑賞。
名カメラマン木村大作の監督2作目となる作品。
山小屋を経営する父親から距離をおき、東京でトレーダーとして働く享(松山ケンイチ)は突然父の訃報を聞き、山小屋を引き継ぐ事を決意。山小屋で働く愛(蒼井優)と、父の友人であるゴロさん(豊川悦司)の3人の奮闘を描く。

まず、この映画の主役は松ケンでもトヨエツでもなく、紛れもなく「山」であろう。
自然が与える素晴らしい景色とそれに反する厳しさ。映画はそれのみで構成されている。それは作品に悪人を一切登場させない事によってより一層強調されている。
さらには映像においても引きでのカットが非常に多いにも関わらず空撮やCGを一切使用しないなど、撮影が困難であった事を想像させる。そしてその迫力は確かに活きており、物語に深みを与える事に成功している。

個人的にはエンディングテーマである山崎まさよしの「心の手紙」が非常に映画にマッチしているのも良かった。四季折々の美しい風景映像にこの曲が流れれば観客は席を立てないのではないだろうか。

とにかく日本の四季を抜群のセンスで実に美しく撮られた今作は是非劇場で体感して頂きたいと思う。

えのきち