「落ち込んだ時、この呪文を唱えよう。「うまーくいーく」」きっと、うまくいく 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
落ち込んだ時、この呪文を唱えよう。「うまーくいーく」
世界一の映画大国インドから、愛すべき映画がやって来た!
インドでは歴代No.1のメガヒット、世界中での大ヒットも頷ける。
確かにこれまで見たインド映画では一番好きかも。
原題の“3ldiots”とは、3バカの意味。
インド屈指のエリート大学で出会った3人の若者。
自由奔放な天才人ランチョー。
父の意に反して密かに写真家を夢見るファルハーン。(本作の語り部)
信仰心熱い貧乏人ラージュー。
彼らが過ごしたハチャメチャなキャンパスライフ。
そして10年後、突然姿をくらましたランチョーを、二人が捜す。
大学時代と現在が交差して話は進むのだが…
とにかく、楽しいのだ!
笑えて、ほっこりして、ちょっぴり感動して…映画から得られる最大の喜びがてんこ盛り。
ランチョー、ファルハーン、ラージュー、この3人がたまらなく愛おしい。
こういう学生時代からの悪友って、誰にも居る筈。
インド現在の学歴社会をチクリと風刺。
学びとは、いい点を取ったり誰かを蹴落とすのではなく、知識を増やす事。
また、親や周囲の言われるがままに将来を歩むんじゃない。自分の夢を目指せばいいのだ。
友情物語に夢…これらは万国共通。
本作がヒットした要因が、ここにある。
ハッキリ言って、展開はベタ。漫画チックでもある。
権威主義の学長やイヤミなライバル学生(「モンスターズ・インク」のランドールみたいな奴)の描かれ方なんてステレオタイプ。
だけど作品に勢いがあり、全く気にならない。
インド映画お得意のロマンスもミュージカルもアリ。
このミュージカル・シーンが楽しくて仕方ない。
お腹いっぱいの面白味をたっぷり詰め込んだ、充実の170分!
これぞ、楽しい面白い映画。
落ち込んだ時、この呪文を唱えよう。
「うまーくいーく」
はじめてインド映画を長時間観ましたが、数字/管理社会の日本人に、今一番求められるホットするおおらかさ、イキイキと生きる活気や幸福感が伝わって来ました。さすが混沌と仏教哲学発祥の地の映画で感心しました。