「素敵じゃないか」陽だまりの彼女 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
素敵じゃないか
松本潤と上野樹里の美男美女共演という時点で、こりゃ辟易するベタなラブストーリーだと思っていたら、あちこちで高レビュー。
で、実際に見てみたら…、納得。
これは良かった!
やっぱ偏見って良くないね。
まずは想像してみて下さい。特に男性の方々は。
中学時代、まあそこそこ可愛いけど、頭が悪く、鈍臭い同級生の女子が居た。クラスのはみ出し者同士、密かに相思相愛だった。
転校で離れ離れになったが、10年後、偶然?運命的に?再会。しかも、見違えるほど美しく洗練された仕事も出来る女性に。さらにさらに、まだ好きでいてくれている…!
胸キュンって女子の為の言葉だと思っていたけど、この夢のような設定は男子の為の胸キュン!
当然の如く付き合うようになり、瞬く間に駆け落ち結婚。
ベタになりがちなここら辺も、そこは三木孝浩監督、実に瑞々しく描く。
中盤、邦画純愛お得意の難病路線へ。
何だ、これがヒロイン真緒の決して知られてはいけない秘密なのか…と思ったら!
そうではなかった。
思いもよらぬ展開へ。
真緒の秘密については見ていると、薄々察しは付いてくる。
何故真緒が転校時に真っ先に浩介の所に来たのか、真緒が熱いものが苦手だったり、気持ち良さそうに日向ぼっこしたり、消えた金魚など、さり気ない伏線も巧く効いている。
本作のレビューの多くに、本作をラブファンタジーと言う声が多い。
異論は無い。本作はラブファンタジーである。
ファンタジックで奇跡のようだが、切なく心温まる、誰もが共感出来る等身大の恋物語でもある。
松本潤と上野樹里は自然体の好演。
珍しくあまり冴えない役所の松本潤もさることながら、上野樹里!
天真爛漫で何処か儚げで…。
上野樹里ってバッドな噂もちらほら聞くが、改めてこうして見ると、可愛い。っていうか、メチャクチャ可愛い。
「のだめカンタービレ」のコミカルな役、「ラスト・フレンズ」や新ドラマ「アリスの棘」のシリアスな役、そして本作の魅力的なキュートな役…実は役の幅も案外広い。
少しだけ物語に踏み込むと、真緒の浩介への恩返しなのである。
今一緒に居てくれてありがとう。
中学の時構ってくれてありがとう。
そして、あの時助けてくれてありがとう。
この映画、素敵じゃないか!