「あの時のブライアン。」陽だまりの彼女 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
あの時のブライアン。
まず上野樹里。この役は彼女しかいない、という気がした。
観終えて、このタイトルが絶妙なタイトルだったことに気付く。
なるほど…。そうか、だから陽だまりとつけたのか。巧い!
意外なところで感動し、この不思議なラブストーリーを
想い出しながら、もし自分が真緒だったら?なんて考えてみる。
ハッキリいっていい話だ。しかしとてつもなくファンタジー。
こんなことあり得ない、と整合性を求めると破綻する物語だが
私はどこかでこういう出逢いを期待してたりするんじゃないかと
大いに思う。大好きな人の傍にいたいと思うのは当然のことだし、
それが本当にミラクルな出逢いをもたらしたら凄いことだと思う。
決して信心深いわけではないが、輪廻転生も変わらず信じている。
この物語の秘密は真緒という女性に隠されているのだが、
これは冒頭~中盤での彼女の態度や振る舞いを観ていれば気付く。
まさかあり得ないよね?とは、今作ではとても言えない(爆)
どこまでがそうで、どこまでが違うのか?なんて色々考えてしまう。
が、あれだけ奥手で存在感ゼロの男・浩介(これをマツジュンとはね)
の幸せそうな顔を見ていると、良かったじゃないか~と素直に思う。
ビーチ・ボーイズ「素敵じゃないか」に表現されている世界観そのもの。
逢いたかったんだな、真緒は。本当に。
秘密を孕んだ物語ということで、ややミステリータッチな部分もある。
出たか!夏木マリ!という感じで(この人は人間にも見えない^^;)、
重要なカギを握るこの人物の背景は切なくもあり怖くも見えてくる。
総てを知った浩介が、茫然とラストを迎えるまではやや長いが…。
ネコ好きには堪らない作品だろうが、
ネコ以外でも動物好きな人には通じる部分が図らずもあると思う。
幸せは、いつやってくるかも、どこで終わるかも分からないが、
大切に育んでいきたいものである。次の世代の出逢いのためにも。
(いい話なのに申し訳ないけど、「食っただろ!」がいちばんウケたわ)