「小春日和の幸せな気持ちを潮風が運んでくれた」陽だまりの彼女 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
小春日和の幸せな気持ちを潮風が運んでくれた
「いい歳をして、何でこんな少女趣味の映画が好きなの?」と陰口を言われても構わない!
私は、この映画が大好きになりました!!
それには個人的に2つの大きな理由があります。その第1番は、この映画の舞台は、江の島や、藤沢で撮影されているロケシーンが多い事。自分が鎌倉出身なので、御当地映画が良いと言う理由ばかりでは無く、このファンタジー話には最もこの場所がピッタリとハマっていた事。海と夕日や、青い空、陽だまり感も、江の島と海岸線の美しい自然が物語をより効果的に魅せていた事だ。
そして第2番目は、単なるお涙頂戴の切ないラブストーリーではなくて、ペット大好きな人には、誰にでも思い当たる、人と動物の心が一つになる瞬間をこの映画がしっかりと描いている事だ。
映画を観終わった時に、本当に陽だまりの暖かい心地良い感じが、心に沁みて来る物語だからだ。そして我が家の5歳になるネコにも、特別優しく接してあげたい気持ちになる。
映画的には、ファンタジー映画なので、物語に決して矛盾が無いとは言いませんけれども、何だか本当の話であっても可笑しく無いような、そんな夢のような喜びの気持ちが観終わった時に香ってくるのだよね。ファンタジーでありながらも、リアルでも有る。そして可愛らしい伏線の数々が散りばめられている。
そしてビーチボーイズの「Wouldn`t It Be nice」もメチャクチャナイスでした。
配役も巧く選んでいて、主人公2人は元より、家族や友人達を演じていたみなさんも実に面白いキャラで観ていて飽きなかった。
それから、吾輩はネコであったと言う、渡来真緒を演じた上野樹里も人間でありながらも、何処となく猫らしい動きがあって、彼女の芝居も可愛らしかった。
そして、何だか奥田浩介を演じていた松本潤も目がクリクリと大きくて、宮沢賢治の童話に登場して来るネコのようにも見えると言ったら、彼のファンには怒られてしまいそうだけれども、この2人が何ともお似合いの2人に見えて、同じキャラの印象に写っているのが、ホノボノと幸せ感を感じさせてくれていた。
前半の出会いのシーンを過ぎると急に、2人だけの新婚生活シーンばかりになってしまい真緒は寿退社したの?と言う感じで、2人の生活ばかりで、急に会社のシーンが無くなってしまうなどの突っ込み所も満載だけれども、そこはファンタジー映画なのだから、大目に見てみる事にして、10年振りに再会した20代の若者2人の恋を可愛らしいねと思えたら、それだけで幸せ気分が胸一杯で嬉しくなる。
やっぱり秋の夜長は、この映画を観で過ごすと幸せ気分に浸れて最高なのでお薦めだね!
後半会社のシーンが少ないのは、出会いを説明するのに必要な前半と異なり、後半は二人の関係性を見せるのが重点だからで、仕事中に気分悪くなって倒れるシーンなど、必要に応じて仕事シーンはあると思います。そこはツッコミどころではないのでは?
それに湘南の風景は確かに素敵ですが、原作の舞台は千葉なのですよ(笑)