「忘れられない」凶悪 とこさんの映画レビュー(感想・評価)
忘れられない
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随分前に見ました。
そのとき、確か16歳でした。R15をギリギリ超えた、くらいでしたね。感想は見なけりゃ良かった、でした。
ずっと心に残って、忘れられない。怖い、とか胸くそ悪い、とかそういう言葉で表せないわだかまりが残りました。
人におすすめはできないけど、見た人と感想を言い合いたい。そんな映画でした。
リリー・フランキーさん、ピエール瀧さん、どちらも圧巻でしたが、一番私の心に重く残ったのは山田孝之さんでした。絶妙でした。正義感を持つ記者が、だんだんと家庭をも省みず、事件にのめり込んでいく様。見たくない、けれど目を離せない。そんな自分の心理にかぶるものがありました。
見終わった後に、私が感じていたのは何であったのか考えました。何があったのか、知りたいという好奇心。人間の凄惨な部分を見たいという怖いもの見たさ。そして私がそれを楽しいと思ったか。
そう考えていったとき、自分の中に潜む"凶悪"に気づきました。
おじいさんに酒を飲まし続けるシーン。怖かった。けど、私は映画を見るのをやめなかった。そこには何か楽しみがあったのではないか。
それを指摘されたのが、ラストのリリーさんの演技でした。
善良だと思っていた自分の像が崩れました。
須藤、木村と通じる部分を自分は持っている。そのことが、ただ鬱々と私の胸に横たわります。
鑑賞からしばらく経って今、こうして感想を言えますが、おすすめはできません。
けれど、忘れることはできない作品なんでしょうね。
まだ、二度目を見ようとは思えません。
長文、失礼しました。
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