「真実は小説より奇なり」凶悪 mrk914さんの映画レビュー(感想・評価)
真実は小説より奇なり
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実話を元に映画化された本作。
映画を見る前に、どうしても気になって原作を読んだ。タイトル通り、その凶悪さに驚き、フィクション小説かと疑うほどの衝撃があった。
事の発端は、すでに別件殺人罪で死刑が確定している服役囚が、週刊誌記者にまだ明るみに出ていない3件の余罪を告白することから始まる。
映画の中では、ドラマ的要素が肉付けされているが、この部分が稚拙な作品にしてしまっている気がして、残念でならなかった。
記者の家庭問題や、煙たい女上司の存在など、全く必要性を感じない。
むしろ、この事件に奔走する記者の姿を描いて欲しかった。実際、取材をするにも事件の核心人物に接触することはできない。それどころか、取材の動きを悟られないように細心の注意を払い、外堀を埋めるように情報や裏付けとなる証拠をつかんでいく点などはまさにミステリー小説のよう。また、遺体を埋めた場所を聞き出すも、被告の記憶が曖昧で場所の特定ができない。それを地図・地形、風景などわずかな情報から割り出し、足を運び、絞り込む…など、十分ドラマとして引き込まれる作品になっただろうに(しかも実話)
。映画では至って軽く、サラリと描かれてしまっている。本当に残念。。。
途中退席しようかと思うこと度々…。
そんな心残りが大きく残る作品だった。
(※原作はオススメ!)
唯一、リリー・フランキーさんの温厚さと不気味さが表裏一体になった演技は素晴らしかった。
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