「奇妙な三角関係」天才マックスの世界 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
奇妙な三角関係
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主人公のマックス(ジェイソン・シュワルツマン)は妙に大人びた高校生、天才と言うのに部活が忙しくて落第寸前というのも不可解、数々のサークルを立ち上げ、学生と言うよりやり手のビジネスマンのようですね。
ストーリーはありがちな美人教師への片想い、思春期の少年と、いい親父が恋の鞘当てごっことは呆れます、マックスの奇妙なキャラクターと巻き起こす騒動、エピソードを愉しむ趣向の青春コメディでした。
主役のジェイソン・シュワルツマンはコッポラの甥、劇中劇は「地獄の黙示録」にひっかけていましたね。学生演劇に夢中だったところはアンダーソン監督自身の体験談のようです。それにしても本物の爆薬を舞台で使うのは笑えません。
名門私立学校から公立高校への転向でもアグレッシブな所は変わらない、むしろ背伸びをせずに済む分活き活きしたし現実を受け入れたことで成長が見える。
同級生のヤン(田中サラ)が操縦するラジコン飛行機が派手に飛ぶ横で超アナログな凧揚げというのも意味深ですね。劇中名は中国人ですが明らかに日本人を意識しているでしょう。
マックスも演劇にスカウトしたり気はあるようだが、熱を上げているのはヤンの方、まるで日米関係のメタファーにも思えます。ラテン語授業が日本語に変るエピソードも経済的に勢いづいていた当時のジャパンブームへの皮肉でしょう。そんな時代背景、小ネタをふんだんに織り込んでいますね。
映画としては面白いですが、マックスとお友達になるのは疲れそうで遠慮したいです。
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