天才マックスの世界のレビュー・感想・評価
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ややアンダーソン色あり
処女作モーテルに比べれば少し「らしさ」が出ています。
ストーリーは単純ですが、行きあたりばったりで必然性を感じない「小ネタ」的なシーンが繰り返されたり、シーンが変わる度に挟まれるチャプター説明の紙芝居的ショット、鳩が豆鉄砲を食ったような顔のアップシーンの多用など、ロイヤルやブダペストに繋がる「無意味感」は、ファンにとっては「出たな」ってとこです。
ただ、最大の特徴であるパステル調の箱庭映像は全く出てきません。
裏返すと、この映像がないアンダーソン選手の作品は、単に何を表現したいんだかサッパリわからない、ってだけになっちゃいますね。
奇妙な三角関係
主人公のマックス(ジェイソン・シュワルツマン)は妙に大人びた高校生、天才と言うのに部活が忙しくて落第寸前というのも不可解、数々のサークルを立ち上げ、学生と言うよりやり手のビジネスマンのようですね。
ストーリーはありがちな美人教師への片想い、思春期の少年と、いい親父が恋の鞘当てごっことは呆れます、マックスの奇妙なキャラクターと巻き起こす騒動、エピソードを愉しむ趣向の青春コメディでした。
主役のジェイソン・シュワルツマンはコッポラの甥、劇中劇は「地獄の黙示録」にひっかけていましたね。学生演劇に夢中だったところはアンダーソン監督自身の体験談のようです。それにしても本物の爆薬を舞台で使うのは笑えません。
名門私立学校から公立高校への転向でもアグレッシブな所は変わらない、むしろ背伸びをせずに済む分活き活きしたし現実を受け入れたことで成長が見える。
同級生のヤン(田中サラ)が操縦するラジコン飛行機が派手に飛ぶ横で超アナログな凧揚げというのも意味深ですね。劇中名は中国人ですが明らかに日本人を意識しているでしょう。
マックスも演劇にスカウトしたり気はあるようだが、熱を上げているのはヤンの方、まるで日米関係のメタファーにも思えます。ラテン語授業が日本語に変るエピソードも経済的に勢いづいていた当時のジャパンブームへの皮肉でしょう。そんな時代背景、小ネタをふんだんに織り込んでいますね。
映画としては面白いですが、マックスとお友達になるのは疲れそうで遠慮したいです。
絶妙なはずし方が秀逸
W・アンダーソン監督の作品って、オープニングの音楽がかかって、綺麗な色彩の映像が映った瞬間に、あっ!これ好きなやつだ。ってなる。今作は天才少年マックス君のお話。天才的な頭脳を持ちながら、勉強がからっきしでコミュ障で空回りし続ける。クスッと笑わせるセンスがエグい
天才の勝手な行動w
昔見たんだけど何も覚えてない、、、
ディズニー+で再見
ダージリン急行の三男さんがご主演♡
ちょっとキモい自分勝手な天才
ウェスアンダーソンの初期作品も相当なこたわりと作り込みがなされていて
その天才ぶりがこの主人公なのかな
とことん一途に振り返らず自分を信じて作りたいように作る
おセンチなコメディ
観たあとにホンワカする感じ
ウェス・アンダーソン監督作で、「死ぬまでに観たい映画1001本」に選ばれている映画。
ツタヤのコメディコーナーに置かれていたが、微笑ましくはあるけど笑えない ^_^;
高校生マックスは、いろんな才能があるように見えたが学習成績は悪くて退学。そんな彼には床屋の父親、大人の親友(ビル・マーレイ)がいる。
マックスはある未亡人に恋するのだが、親友に取られて、マックスと親友の激しい諍いになったりする。ただ、このあたり、「なぜ、親友(ビル・マーレイ)がその女性と恋愛関係になったのか…」など不明なので、なかなか感情移入しづらい映画。
確かに、マックスと大人の親友が恋する女性を演じているオリヴィア・ウイリアムズという女優は可愛い感じなので、自然に恋するのもありかも…とは思えるが。
ストーリーも、退学になったはずのマックスが、その高校で演劇するのか?…良く分からない。
全体的に微妙ではあるが、観た後に、なんだかホンワカするような映画だった。
フッ
フッて、鼻で笑ってしまう感じのマックスの行動のあれやこれや。
天才?奇才??
とりあえず、凡人ではないのは確か。
でも、同級生だったら、友だちになんないなー。
一定の距離を保ちつつ、彼の世界を眺めて、
ニヤニヤ笑ってるな、やっぱり。
自分であること
学校、恋愛、家族、マックスの虚構だった世界から曇りが解けていき、最後に本当の自分を見つけることができたマックス。そんな青年心理が描かれたストーリー。
物語の転換点に裏腹に出てくる左右対称の構図もよかった。
あぁ、好きだ、ウェス・アンダーソン
ウェス・アンダーソン監督作は、ほぼ観てきてるんですが、なんでかこの初期作品は観てなかったのです。なんか若気の至り的な雰囲気が、DVDのジャケットからしてたからかな。
いや、でも、観て良かった。たしかに変なマックスの変な話なんですけど、映画全体に気品があるんですよね、ウェス・アンダーソンの作品って。変に情緒を押し付けてこない、形式主義的な気品っていうかね。映画の文法が分かってるって感じですかね。
なんかこうやって書いていて、どことなく、こちらも私が大好きなジム・ジャームッシュに近いのかなって気がしましたですよ。
こういう監督が、現代に、そしてこの若さでいてくれるってことが幸せであります。
あ、それとヒロインのオリビア・ウィリアムズ。すんごい綺麗だったですよ。どこかで観たなぁと思ったら、『シックス・センス』のブルース・ウィリアムズの奥さんでしたね。あの時も綺麗だなぁって思ったっけね。
ひとりの女性のために
内容はヘンテコでおかしなところだらけなのに、何故かすべてに納得し、終わるころにはあたたかい気持ちにさせるところはウェスアンダーソンはさすがだなと思います。
奇妙なユーモアセンス、独特の間のとり方。それは他の映画とは明らかに違っていて、好き嫌いが分かれるところかも知れませんが、個人的にはとても好きです。
15歳のマックスは周りが思うように確かに変わっていて、変人。
おまけに勉強もまるで駄目。けれど、思ったことをすぐに実行するというその行動力や、なんだかんだで人が集まってくるあたり、ただものではありません。30代くらいの実業家のような口ぶりです。彼自身もそのことにとても自信のある感じが、見ていて頼もしく感じます。
けれどやはり少年、子供な部分はもちろんあって、ひとりの女性へとてつもなく執着してしまって、問題を起こしてしまう。
自分の父親くらいの年齢の男性と取り合いをする場面は、おかしくてたまりません。
ラストもとてもよかったです。彼はそれまでの彼とは違った表情で、成長を感じました。マックスはどんな人生を送るのか、大人になった彼を見てみたくなりました。
あとはBGMがとてもよかったと思います。主に9月から1月にかけての映画なので、冬にまた見たいです。
高校生にありがちな、先生への片思い
自分は社会に反しないように、って必死に生きてきたから、マックスみたいな生き方憧れるなぁ。。
自分を持ってて、自分に正直で。
先生に恋だってするし、たくさん嘘をつく。
あと、いいなぁと思ったのはタイトル。天才マックスの世界、ってとってもぴったりな題だよね!
秀才じゃないけど、天才。勉強はできないけど、課外活動は沢山経験してて。そんなマックスは自分の理想の世界を追求しようとする。マックスの独特の世界観に引き込まれる。でもやっぱり、現実に勝てない部分もあって、退学。それは恋したからなんだけど。
とにかく、自分を持った生き方っていいよね、って改めて思わされた作品でありました。
全てが肯定される世界で
ウェス・アンダーソンの作品は一応ほとんど観ているが、今回旧作である本作を観て感じたのは、ああウェス・アンダーソンはずっと変わらずブレずに作品を撮り続けてきたんだなあということ。
マックスはラシュモア校の奨学生だが、課外活動に熱心過ぎて落第を繰り返す問題児。
しかし、本人はそんな状況も意に介さず、好きなことに突き進む。
そんなマックスが恋したのは、新任教師ミス・クロス。
彼女に対してもいつもの調子で突き進むマックスだったが…。
マックスは学校では異端児だし、相当ズレてもいるし、うまく行かないことだって多いのだが、本人はそれで自分を憐れんだり、自己嫌悪に陥ったりすることはない。
彼は決して自分を否定しない。
ウェス・アンダーソンの描く物語では、登場人物は否定されないのだ。
それはこちら側で観ている私たちをも否定しないということで、誰にでもちゃんと居場所があるんだと安心感を与えてくれる。
それがW・アンダーソン作品を観た時に感じる幸福感に繋がっているんだと思う。
W・アンダーソン作品の常連J・シュワルツマン、B・マーレイはもちろんだが、校長のB・コックス、マックスの父親を演じたS・カッセルがいい味。
ヒロインを演じたオリビア・ウィリアムスは最近では『ゴーストライター』で腹に一物ありそうな強かな首相夫人を演じていたが、今作では瑞々しく魅力的だった。
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