グレイトフルデッドのレビュー・感想・評価
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【”人は孤独だ。永遠に続く孤独との闘い。”今作は映画初主演の瀧内公美さんの狂気と、笹野高史さん演じる孤独老人との最終盤での戦いが物凄き、ブラックエロティックコメディである。】
■鑑賞動機:本日公開の「スーパーマン」を観るために劇場へ向けて車を走らせている際に、普段はブリティッシュロックをガンガンに掛けるのだが、急いでいて危ないのでラジオを付けたら、この作品がお勧めされていた。主演が若き瀧内公美さんと知り、観賞を即決した。我ながら、分かり易いなあ。
■幼い頃、母が海外の恵まれない子のためのボランティアに嵌り家を出て、残された父は腑抜けになり愛人と暮らすも自殺。姉は家を出るという悲惨な家庭で育ったナミ(瀧内公美)
彼女は、他人の孤独を観察する孤独ウォッチングが趣味とする精神的にオカシイ女性になっていたが、ある日最大級の孤独を抱えた老人・シオミ(笹野高史)を見つけ狂喜する。
彼女はエロビデオを一人見るシオミの観察に夢中になるが、彼の前に若く美しく、信心深い女性スヨン(キム・コッピ)と相棒の男が現れ、シオミは生きる希望を取り戻して行くが彼女はそれが許せなかった・・。
◆感想
・今作は、今を時めく瀧内公美さんの映画初主演作品だそうである。
今と変わらぬ美人さんだが、心配で家に来たシオミの息子(木下ほうか・・・)をハンマーで殴り殺し、椅子に縛り付けたシオミの膝の上に跨り、血塗れの顔でニッコリと笑顔で迫るシーンは、ウワワわーである。
■ご存じの通り、瀧内公美さんは今や邦画のトップ女優であるが、「日本一悪い奴ら」でのヒロインの婦人警官役として、主演の綾野剛演じる悪の警官との、シャブセックスシーンや、「火口のふたり」での全裸でのセックスシーンや、「彼女の人生は間違いじゃない」での昼間は福島の市役所員で土日は東京にバスで行き、デリヘル嬢をする演技など、どれも凄くて今でも良く覚えている。”この人は凄い女優さんになるぞ!”と思っていたら、ヤッパリ凄い女優さんになられて、個人的に嬉しいのだが、今作を観るとその片鱗が伺えるのである。
・今作は、内田英治監督のオリジナル脚本であるが、良くまあこの設定を考えたモノである。そして、この映画を結構面白く鑑賞した私は何処かオカシイのであろーか。
<ラストの、ナミとシオミとの竹やりでの殺し合いは、ウワワわーであるが、ナミが孤独だった小さな時のTVの中のTVショッピングのオジサンである”ラッキー社長”には気が付かなかったなあ。
いやあ、凄い作品を観てしまったなあ・・。>
よくこの役を引く受けた、と心底思う。
狂っている夫婦に育てられた(というか放置された)狂っている娘の短い人生を描いたコメディチックなホラー。TVショッピングがこういう風にストーリーに繋がっていくとは読めなかった。画鋲のシーンは僕も痛みを感じたほどリアリティがあった。瀧内公美という女優は初めて見たと思ったのだが、後で調べてみたら日本で一番悪い奴らにも出ていた。主演とは言えよくこの役を引き受けたと思う。根性があり、そして演技力がある。矢部太郎もいい味を出していた。ラストで韓国人ボランティアがこんなに元気な状態で生きている(襲われてから4〜5日経っている筈)のは余りにもリアリティに欠けると思った。
瀧内公美の狂気が見もの。 孤独な人間の観察が趣味というマニアックな...
中盤以降、ガラッと雰囲気が変わります。
家庭環境の影響により闇を抱えた女性が、孤独な人間を「孤独っち」と
呼び、その生態観察にハマる、と言うストーリー。
だと思ってました。ここまでは、そこそこおもしろいと感じていたのですが、
中盤以降は、ガラッと雰囲気が変わり、サイコパスの世界へとまっしぐら。
その振り切れ方が半端ない。不快極まりないストーリー展開でした。
あえて、そうしてるんでしょうけどね。主人公が老人のことを昔から
知っていたという仕掛けは、うまいですね。
正直、あまり好きじゃない作品ですが、この監督には、興味ありますね。
話題作を作りそう。
主演の瀧内公美さんは、これが初主演だそうです。いろんな役を
いわゆる体当たり演技でこなしていく人ですが、この映画での演技も
凄みがありました。笑顔が怖いですw
孤独っち
「絶倫」という名の孤独死老人が凄い!ナミの孤独観察日誌に詳細に書かれた孤独人間のデータ。そして、中央公園の鳩に餌を与えてる「クックル」に目を付けたナミが、やがて猟奇的とも言える犯罪を冒していく・・・
母親がボランティアに狂ってしまい孤独感を植え付けられたナミは、父親の愛人だと思っていた「秘密の部屋のアッコちゃん」が狂信的な宗教家だと分かったとき、彼女の運命は変貌を遂げる。そんな家族の中でも姉だけは「普通」を愛していたのだ。
アメリカンロックのバンド名にもなっている「グレイトフルデッド(gratefuldead)」。この作品はgratefulではなくgreatful。尊厳死みたいな内容を予想していたけど、どちらかというと感謝の意味を示すラストでした。
孤独な人間を観察するという常軌を逸した趣味を持つナミ。TVショッピング番組を一人でずっと見ていた幼少期の彼女の孤独感はそれほど感じられなく、むしろ人を平気で傷つけてしまう痛みも罪悪感もない精神障害を持ってるとしか思えなかった。ただ、それが後半の異常な展開に結びついてくる。キリスト教の「赦し」もかかわってくるのに、その信仰の基本をも破壊したがっている雰囲気。
ホラーサスペンスのような終盤は秀逸だったし、ナミの独占欲(性的虐待か?)と塩見の復讐心が絶妙なまでに交錯するのだ。おバカなB級映画ととらえてしまうのもよし。こういう精神状態になることもあるのだと驚くのもありだと思う。そして、スヨンの最後の「可哀想な人」が全てを表していたなぁ。だけど、秘密の部屋のアッコちゃんの存在はそのものが謎・・・キリスト教を盗用したカルト教団のような気もする。
なんじゃコリャ!
物語終盤、主演の瀧内公美さんはずっと笑顔です。
本当に嬉しそうな笑顔です!
幸せをつかむために!
そのふくよかな胸で幸せを抱きしめるために!
たとえ血まみれになりながらも・・・
キム・コッピが可愛かった(^ ^)
育児放棄、家庭崩壊、老人の孤独死などのエピソードを交えながらも、孤独というのは、性格を歪め、正常な価値観を無くさせてしまうのだなぁ…と、つくづく感じさせてくれた作品でした。
瀧内公美が演じるナミの歪んだ愛は怖かったですね。孤独ウォッチャーたる彼女も例外無く孤独で壊れてしまっていたのだろう。
そして普段は温厚な役が多い印象を受ける笹野高史が演じる偏屈で孤独な塩見老人の終盤に見る鬼気迫る演技は新鮮でしたね。
個人的にはナミのアンチテーゼな存在。『息もできない』『ある優しき殺人者の記録』のキム・コッピが演じるクリスチャンのスヨン。純粋無垢な感じが可愛かったのも高評価の理由の一つでした。
ナミ VS 塩見の激しい戦い。はたして2人の行き着く結末とは?見応えある作品でした(^ ^)
狂気の世界。
星4っつにしたのはお話も主人公二人もかなりいっちゃってた作品だから。
サイコを通り越して超狂気の世界です。
普通でない家庭環境に育ち精神に異常をきたしたまま大人になったナミ。遺産相続したから人とまったく接することなく優雅な生活が。自分と同じ孤独者を観察する事が趣味という異常っぷり。そんな中、自分と同じ孤独老人が家族と仲良くなりだしたからナミの精神は崩れ続けていく…。
殺人とか、エロとか、ハードなシーンが乱発です。笑顔と優雅なクラシックの中描かれるからますます異常な世界。
高野さんもかなりはじけてます。すごい。主人公の女性がデビュー作とは思えぬはじけっぷり。ルンルン自転車こぐ顔と、殺人の時の顔の豹変さはみものですよ。
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