「何処か物足りないD・ホフマン初監督作」カルテット!人生のオペラハウス arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
何処か物足りないD・ホフマン初監督作
引退した音楽家が共に生活する老人ホーム、ビーチャム・ハウス。
かつては観客を喜ばせた音楽家達が、引退後は仲間と共に今度は自らの楽しみのために演奏する。なんて豊かな老後の暮らし!
リゴレットの四十唱曲を歌うカルテット以外の出演者の多くは、本物の引退した音楽家。
もちろん本物の演奏で、それはそれは贅沢。
ただ、どうも何処か物足りない。
運営の苦しいビーチャム・ハウスの存続の為には、ベルディ生誕記念のガラを成功させることが不可欠で、かつてリゴレットの舞台で共演した四人が再共演にホームの存続が…。
ビーチャム・ハウスを救え!という意味でもかつての夫婦レジーとジーンの和解といういみでも、ハードルが低いというかあっさり解決という印象が強く、ラストのカタルシス(ガラ成功の達成感)が物足りない。
もっと、ピンチや紆余曲折がないと観客は共感しにくい。
カルテットを演じる四人は放っておいても上手い人達なので、監督の手腕の見せ所というよりお任せだったのでは?
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