「女中はまともな職業だったし、嫁入り前の花嫁修業でもあった。」小さいおうち shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
女中はまともな職業だったし、嫁入り前の花嫁修業でもあった。
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映画「小さいおうち」(山田洋次監督)から。
ストーリーとは、あまり関係ないかもしれないが、
昭和初めの頃の「女中」という職業に興味を持ってしまった。
年老いた主人公・布宮タキ(倍賞千恵子さん)が孫に語る、
「女中」という職業に対する定義に頷いてしまった。
「昭和の初めの頃はね、東京のサラリーマンの家庭では、
女中さんがいるのは当たり前だったのよ。
近頃は、お手伝いさんなんて言い方をするけど、私の若い頃は、
女中はまともな職業だったし、嫁入り前の花嫁修業でもあった。
奴隷みたいに思われたら、かなわないよ」
最近では「花嫁修業」という言葉も死語となりつつあるが、
男性の「徴兵制度」がなくなったように、
女性の「花嫁修業」も時代の流れとともに、なくなった。
どちらも、若い年代の大切な一時期でないかと感じている。
特に「花嫁修業」となっていたという「女中」という役割は、
ある意味、有料の社会奉仕(ボランティア)をしながら、
家事全般に必要な知識・基礎技術を、住込みで覚えるシステム、
そう考えることが出来なくもない。
長い期間でなくても、家族以外の人たちと一緒に住むことで、
いろいろなことを覚えさせてもらえる体験は悪くない。
しかし、これも中年男性の古い視点かもしれないなぁ。
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