「やむなきこと」小さいおうち kakerikoさんの映画レビュー(感想・評価)
やむなきこと
奥様の気持ち タキの気持ち
どちらも分かるから
観ていて 切なくなる。
どちらもやむなきことゆえに。
晩年のタキの独白とも言えるノートは
やはり誰かに赦しを乞いたかったのだろう。
当時の奥様と同じ年代になりやがて越えていくその月日に若い時にはわからなかったものが輪郭を浮き立たせて迫り彼女を自責の念に苦しめたのだろう。
松たか子が良い。
慕う男が戦地に旅立つ直前の溢れ出す想い、心乱される機微が艶っぽい。貞淑な人妻であり、良き母の顔の内に潜むそれを自分でも抑えることは出来なかった。
時代が戦争へとまっしぐらの先が見えないトンネルへ入りこんだ一家族の小さな物語。
「はじめたものは いつか終わるものよ」そうタキに言い放った時子の表情が印象的だった。
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