「ハリウッド流に対する宣戦布告」小さいおうち お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
ハリウッド流に対する宣戦布告
登場人物はごく少数、美術にもコストは掛かっていない……のですが、なんとなんと少数精鋭の俳優たちの上手いこと上手いこと。
これって、ハリウッド流に対する反骨っていうか、「CG使えばなんだって大作にできちゃうぜウヒヒヒ精神」の対極を行く、本物の映画人による、本物のドラマ、本物の演技の力を心地よく堪能できる映画でした。
ハリウッド流では、エンドロールに出てくる映像って、NG集だったりしますよね。
でもこちらは、エンドロールに出てくる映像こそ、珠玉のように大切で、力を入れて撮影した、まさにストーリーの肝となる、しかも未見のシーンばかりなんですよ。
これを見て、私は確信したわけです。
これは山田監督による、ハリウッド流に対する宣戦布告なんだな、とね。
黒木華さんがエンドロールで初めて2階に登った時の、視線の配り方。
もう、それだけでメッセージが観る側に伝わってくるのです。
これぞ映像の力!
ほんとうにていねいな作りの、素晴らしい作品でした。
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