劇場公開日 2013年2月16日

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「とても今の家族に見えない」チチを撮りに ニックルさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5とても今の家族に見えない

2020年4月12日
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寝られる

女を作って離婚した夫が死ぬ前に写真を撮ってこいと娘に頼む母親。彼女はお母ちゃんと娘たちから呼ばれているらしい。この時点で、あ、この映画嫌いだなと思う。全然母親の気持ちが分からないし、未だにそんな過去引きずってる母親という人物造形の古さに辟易する。
セリフも不必要で間延びしたやり取りが多くて、さっさと父親に逢いに行けよと思っていたら父親は死んでいたのだった。

寿司とかセミの抜け殻とか、小道具の使い方がいちいち古くさい。お母ちゃんをお母ちゃんと呼んで慕っている家庭なんて今の日本に何件あるの?と思ってしまう。ある意味特殊な家庭をさも当たり前でかけがえのない物だという前提で描く感覚の古さに怖さすら感じる。絆とか大和撫子とか家族愛とか。あるのかないのか不明瞭なものを宗教のように崇めるのは心底やめてもらいたい。

父親の火葬場に同行しない、しないくせに「このままじゃ私たち父親を許せない惨めな娘じゃん」とか言ってるけど、故人を前に自分たちがどう思われようがええやろと。そんなこと気にしてると本当に観客から惨めに見られるよと思ってしまう。

ニックル