3人のアンヌのレビュー・感想・評価
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フランスへの憧れ
多くの日本人(映画監督)も同じだと思いますが、ホン・サンスのフランス(映画界)への憧れが溢れ出た作品でした。アンヌがフランスの象徴だとしたら、マッチョな韓国男もアンヌを前に腰が引けますよね。韓国人の彼女の前では威張り散らしているというのに。東洋人が西洋人に持つコンプレックスという意味で、10代の時からフランス映画やフランスファッションに憧れていた私と同じです。
クールでキュートでアンニュイなアンヌ
海辺の小さな町のとあるペンションを舞台にイザベル・ユペール演じる3人のアンヌの三つの物語。
同じロケーション、同じシチュエーション、同じ登場人物、同じ台詞を使い回しながら、主人公アンヌをそれぞれ、フランスの有名な女性映画監督、有名映画監督と不倫中の自動車会社の副社長夫人、韓国人女性に夫を奪われた女性という三つの異なるキャラクターに設定したことで三つの物語が生まれた。
同じ設定でも、主人公のキャラクターによってこれだけ違うストーリーが生まれるというこの作り方は、コントに近い。
触媒によって結果が違ってくる科学実験のようでもある。
この試みがとても興味深かった。
しかし、この作品の魅力はなんと言っても、アンヌを演じるイザベル・ユペール。
クールで落ち着いた青いシャツのアンヌ、ティーンエイジャーのように恋する赤いドレスのアンヌ、離婚に傷付いたアンニュイな緑のドレスのアンヌ。
歩き方ひとつで3人のアンヌを演じ分ける。
ファンタジーかラブストーリーか。
単なる旅先での恋の話
かと思いきや全く違うファンタジー作品のような物語。
3作品全てに共通するライフセーバーには
苛々したり、可愛らしく思えたり純粋さ故の
なにか放っておけない感があり
かなりのキーパーソンだと思います。
主役のイザベル・ユペールも
過去作の強烈キャラを封印して
とても女性らしい女性だった気がします。
どの物語にもアイテムがあるんですが
それぞれ
あっ、これあの場面の!?
なんて、全ての物語に通じているのかな
と、さらに観る者を翻弄させる部分があります。
一人旅に行きたくなる作品。
不思議な映画
軽い感じのコメディかと思ったら意外と複雑な、現実と空想の境目を行き来するような不思議な構造の映画だった。もう一回見てもちゃんと理解できないかもしれないけど、登場人物が面白いので表面的に見ても十分面白かった。急にズームしたりして、ホームビデオのようなカメラワークも変だった。
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