「失われつつある文化、「特撮」を後世に伝えるための意義ある一作。そして『風の谷のナウシカ』へ…。」巨神兵東京に現わる 劇場版 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
失われつつある文化、「特撮」を後世に伝えるための意義ある一作。そして『風の谷のナウシカ』へ…。
宮崎駿の作品、『風の谷のナウシカ』に登場するキャラクター、「巨神兵」にフィーチャーした短編特撮映画。
現代の東京に襲来した巨神兵の恐怖が描かれる。
製作/脚本は『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの監督や『さくらん』への出演で知られる、日本を代表するアニメ監督の庵野秀明。
『風の谷のナウシカ』の宮崎駿が"巨神兵"としてクレジットされている。…どんなクレジットだよっ💦
『風の谷のナウシカ』で巨神兵の作画を担当した庵野秀明が、今度は特撮映画の中で巨神兵を蘇えらせた。
庵野秀明を信頼しているからこそ、宮崎駿も自分のキャラクターを使った映画の制作を許したのだろう。庵野以外なら絶対許可しなかっただろうなぁ。
とにかく巨神兵が怖い!林原めぐみのダウナーなナレーションと相まって、マジで怖い…😱
巨神兵の恐怖をうまく表現出来ているだけで、もうこの映画は大成功!
CG技術の発達により、昭和から続く伝統文化「特撮」の命は風前の灯。
そんな文化を後世に残すべく立ち上がったのが、庵野秀明や監督の樋口真嗣たち。
メイキングをチラッと見たが、本当に気の遠くなるようなミニチュア撮影は、好きだからこそ成せる技だなぁと思いました。
でも、こういう作品によって文化や芸能を後の世代に託そうとする行為は本当に有意義だと思う。誰も作らなくなったら永遠にその技術は消えてなくなっちゃうんだもん。
その心意気や良し!
『風の谷のナウシカ』で語られた終末の日、「火の七日間」。それが如何にしてやって来たが描かれた、ある意味で『風の谷のナウシカ』のプリクエル。
『シン・ゴジラ』の雛形でもあるので、そういう意味でも鑑賞する価値あり。
10分程の短編だが見応えたっぷり。自分が生きている間は、巨神兵の襲来は御免被る。