「アイアンマンの尻拭いをするのは ーアベンジャーズ。 今回の騒動、アンタらの自業自得じゃねーの?」アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
アイアンマンの尻拭いをするのは ーアベンジャーズ。 今回の騒動、アンタらの自業自得じゃねーの?
スーパーヒーローが一堂に会するアメコミアクション映画「MCU」シリーズの第11作目にして、各MCUシリーズのヒーロー達が集結する『アベンジャーズ』シリーズの第2作目。
トニー・スタークの作り出した人工知能「ウルトロン」が暴走。東欧の国「ソコヴィア」を舞台に、アベンジャーズとウルトロンの激闘が幕を開ける…。
原作/製作総指揮はスタン・リー。
○キャスト
トニー・スターク/アイアンマン…ロバート・ダウニー・Jr。
スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ…クリス・エヴァンス。
ブルース・バナー/ハルク…マーク・ラファロ。
ソー…クリス・ヘムズワース。
ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ…スカーレット・ヨハンソン。
クリント・バートン/ホークアイ…ジェレミー・レナー。
ニック・フューリー…サミュエル・L・ジャクソン。
ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ…エリザベス・オルセン。
ローディ・ローズ/ウォーマシン…ドン・チードル。
J.A.R.V.I.S(声)/ヴィジョン…ポール・ベタニー。
ピエトロ・マキシモフ/クイックシルバー…アーロン・テイラー=ジョンソン。
ヘイムダル…イドリス・エルバ。
サム・ウィルソン/ファルコン…アンソニー・マッキー。
ナターシャのかつての教官マダム・Bを演じるのは、『ビフォア』三部作や『ブロークン・フラワーズ』の、名優ジュリー・デルピー。
製作はケヴィン・ファイギ。
製作総指揮に名を連ねるのはジョン・ファヴロー。
アメコミ・スーパーヒーロー祭りの第2弾!
3年ぶりの続編ということで、さぞや盛り上がりまくりの一大フェスティバルが開催されるのだろう!
…と期待していたのだが、蓋を開けてみると「あれっ?こんな感じなの?」という感想が頭を過ぎる一作だった。
決してつまらない作品という訳ではないが、なんか思ってたのと違う…。
映画の冒頭でヒドラの秘密基地を制圧!
ここは盛り上がります!ヒーロー達が集結して悪の組織と対決!敵サイドにはスーパーパワーを持った謎の双子が登場し、アベンジャーズに立ち塞がる!
…続きが気になる怒涛の展開っ!の後は、ずーーーーっとアベンジャーズがアイアンマンの尻拭いをしているだけ…。
そもそも、双子が闇落ちしたのもトニー・スタークに原因があるし…。
このオッサン本当にどうしようもねぇ…🌀
はっきり言って、本作の大ボスであるウルトロンに魅力を感じなかった。
ネットの中に存在し、実態がないというのは確かに強敵だが、ド派手なアベンジャーズの敵に相応しいかというと、うーん…😕
クライマックスでの『天空の城ラピュタ』計画も、まどろっこしいんだよ。なんだ、街を浮かせてぶつけるって。もっと他にやり方あるだろ、絶対。
作中で一番盛り上がるところが、ハルクvsアイアンマンというのも…。
お前らの戦いでめちゃくちゃ被害出てるんだよなぁ!
本当に終始アベンジャーズが原因で大惨事が起こってんだよなぁ、本作。このことが頭をチラついて、どんなに派手なアクションでもイマイチ盛り上がれない。
あとは、やっぱり詰めこみすぎなんだと思う。
人工知能ウルトロンと謎の双子、彼ら強敵との戦いだけでなく、バナーとナターシャの恋愛(これ今までそんな描写なかったよね。なんで突然?)、ノルンの泉(ここ絶対カットしてよかっただろ!ただのサービスシーンじゃないか!)、ヴィジョンの誕生、フューリーとの再会、シールドの復活、双子の改心、etc…。
なんか色々やってみたせいで、一つ一つの描写が薄味になってしまい、物語が散らかっているという印象を受けた。もっとシンプルに話を進めた方が良かったのでは?
世界各地で物語が展開するといつのも本作の特徴の一つ。
イタリアや韓国など、世界各地で撮影することによって物語の広がりを表したかったのだろうが、シナリオを詰めこみすぎている上、世界各地でわちゃわちゃやっているせいで、物語に統一性がなくなっているような気がする。
ソウルでのバイクアクションとか本当に必要だったのか?
とはいえ、アベンジャーズのヒーロー達が一堂に会するのはやはり楽しい。
前作のラストでは気まずそうにファストフード店で打ち上げしていたのに対し、本作ではリッチなパーティーを開き和気藹々とやっているのを見ると、「お前ら仲良くなったなぁー☺️」という微笑ましい気持ちになる。
ソーのハンマーの件とか本当に楽しそうで和む。
ちょっとしたギャグシーンも楽しい。ソーやローディのコメディリリーフ感は素晴らしく、緊張と緩和を上手くコントロールしているなと感心する場面も多々あった。
ソーが壊したおもちゃをそっと隠すところとかサイコー!
ド派手なアクション+お馴染みのキャラクター達の共演なので、やはりシリーズを追っているものからしてみれば楽しいのは間違いない。
でも、この題材ならもっと素晴らしい作品になったのではないか、と思うのは贅沢なのでしょうか…。
いやしかし、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のキャラクターは全く絡まなかったな〜。
今のところ、本当にMCUなのかと疑問に思ってしまうぞ『GotG』。