「スカッと楽しめてホロッとくる、ポンコツ共の最ッ高な物語。」ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
スカッと楽しめてホロッとくる、ポンコツ共の最ッ高な物語。
非常に良かった。
2010年頃に映画化が話題となり、11年に「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」でロケット・ラクーンが登場したものの。
正直、「誰だ、コイツラ」という期待感低めの作品でした。
予告編もマーベル印は付いているもののロケットの可愛さ推しの内容にDr.ドリトル的な作品かと思いきや。
…最高な作品でした。
何といってもキャラとミュージック。
まずガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々。
予告編ではロケット・ラクーン激推しですが。
…いや、確かにロケットも最高なんですが。
他の面々も負けず劣らず最高でした。
リーダーであるピーター・クイル。
イイ加減だが何処か憎めない彼は表情豊か。
「相手構わず欺き盗め」という荒んだ生活を送るものの人懐こさがあります。
投獄された刑務所内でのパントマイムは思わず笑いました。
闇の勢力の暗殺者であるガモーラ。
悲惨な出身からくる陰を背負い冷徹な雰囲気を漂わせていますが。
彼女が時折見せる戸惑いの表情や「いやいやいや」という顔突っ込みは良いアクセントでした。
復讐の鬼と化したドラックス。
彼も悲惨な経験から復讐の鬼と化していますが…“馬鹿”という鉄板を持っています。
比喩表現が分からずキョトンとしつつ憮然としつつ真面目に反論する彼も良いアクセントでした。
賞金稼ぎであるロケットとグルート。
ロケットは刑務所内の寝癖があざとい位可愛かったのですが。
既に十分に宣伝されているため置いておいて。
相棒のグルート。
コイツの可愛さがハンパ無い。
つぶらな瞳で小首を傾げて反応する彼が本作で一番の可愛さを誇っていました。
言語が限られている点も含めて何を表現しているのか汲み取りつつ仕草を観るのは本作の魅力の一つとなっていました。
そんなバラバラの彼等の共通点は…大事な何かを失っている点。
失い哀しみに暮れ社会から足を踏み外したポンコツなアウトロー共が物語を通して共闘し成長する姿。
これでグッとこなければ何でグッとくるのか!?
そして随所に差し込まれる70年代ミュージックが非常に格好良い。
原作漫画には無い設定である、亡き母が遺した70年代ヒット曲のミックステープ「Awesome Mix Vol.1」を初代SONYウォークマンで聞くピーター・クイル。
余談ですが、字幕版にて「Awesome Mix」を「最強 Mix」と訳した点は亡き母の生前のイケイケ感も出ていて良かったです。
自分の青春時代にマッチした曲ではありませんが時代を超えてグッときます。
初代SONYウォークマンの付随ヘッドホンは壊れ易いという話も聞いているので、ピーターが母との想い出を大事にしていることもよく分かる非常に良い追加設定でした。
キャラとミュージックがパキッとハマっていて物語への期待感がググッと上がったのが冒頭。
暗い病室、殺伐とした拉致映像を経て…26年後の惑星モラグ。
それまでのジメッとした雰囲気をバシッッと吹き飛ばす「Come And Get Your Love - Redbone」とピーターの軽妙なステップ&キック。
そして畳み掛けられる「Guardians of the Galaxy」の画面一杯の題字。
この作品が面白くない訳がない、と思わせてくれるインパクトがありました。
カッチョ良かった。
明るくて面白くてスカッと楽しめてホロッとくる本作。
昨今、暗いヒーロー像が跋扈する中で、新たな明るいヒーロー像への転換期を担う作品と言えます。
鑑賞後「いつまでも彼等の遣り取りを観ていたい」と思わせる魅力がありました。
前知識無しで十分楽しめますが映画「アベンジャーズ」を観ると楽しさが増します。
既に次回作が2017年公開が発表された本シリーズ。
地球で活躍する面々との絡みがどうなるかも今から楽しみです。
オススメです。