「世界的大ヒットは理解不能。」アナと雪の女王 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
世界的大ヒットは理解不能。
興行収入が偉い事になっているので、とりあえず2D字幕版を鑑賞。
本作の大ヒットは連日報道されていますが、そのほとんどが歌を褒める物ばかり。それもいろんな意味で納得です。LET IT GOが流れた所はやはり少なからず感激しましたが、ホントこの映画を評価できるのは歌のみで、内容が薄すぎて眠気を必死で我慢。そりゃ歌を前面に押し出した宣伝になるわ。
ホントね、話に突っ込みどころが満載なんですよ。
絶望的な状況下、自ら作った氷の城でエルサがLET IT GOを歌ってるが、なんであんな晴れやかな顔で歌ってるんだろう?誰も傷付けるつもりはないの〜、と常々言っているエルサが作った氷の怪物は凶暴すぎないか?いとも簡単に氷を操って芸術的な物を作っているのに、オラフのクオリティが低いのはなぜだ?アナの記憶が消えてんだか復活しなんだか分かりにくくないか?アナとエルサが愛を確かめ合って解決するなら、ウェーゼルトン公爵がエルサに文句を付けなければ悲劇は起きなかったって事?
一番笑ったのは、ハンスがいきなり目論見をバラす場面ね。開いた口が塞がらないってのはこの事だよ。これは全てのキャラがどこか可愛げで憎めないってゆー作りに問題があると思う。みんなそーゆーキャラだから、ハンスが実は悪い人なのを悲劇的に受け止められない。まあそれ以前に唐突すぎるのが問題か!笑
あとあれだ、凍り付きそうなアナの心臓は真実の愛がどーたらこーたらの流れ。「ハンス王子のもと〜」って言った人の気持ちは分かるけど、誰がどうみても真実の愛はハンスじゃなくて実はエルサだってのはバレバレだよね。もはや感動オチの吉本新喜劇。
ストーリーが突っ込み所を挙げたらきりがない。構造の欠陥として、話が行き当たりばったり。複数の流れが同時に進むとか、後への伏線とかがない。話を順番に、丁寧に説明されてる感じ。この手の作りは映画としては致命的。子供向けの機関車トーマスなら許せるが。。
あ、画は奇麗でしたよ。人間や雪や布の質感を感じました。序盤で両親の肖像画に黒い布を掛けるシーンがあるんだけど、その布の質感が本当にリアルでスゴいなって感じました。あとは、アナがかわいい。笑
そして、本編前のミッキー短編、あれはなんですか?あれは本当に何の意味も成していないが、ディズニー映画には毎回あんな苦痛がついてくるのか?あれは3歳児がキャッキャ言いながら見るくらいのレベルだと思う。一体全体、短編も本編もターゲットをどこに設定しているのかが不明。
世間は大絶賛なので、僕の感覚が狂っての酷評だと思います。アニメ映画はまったく見ないので、この映画のようにいい加減なストーリーがアニメでは許されているのだと思う事にします。金輪際ディズニーアニメは見ないと決心させてくれたという意味で、人生を変えてくれた1本。