劇場公開日 2014年3月14日

  • 予告編を見る

「名作と称される3つの理由」アナと雪の女王 pullusさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5名作と称される3つの理由

2014年4月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

「トイ・ストーリー3」をも超える絶賛や、アニメーション興行収入1位などの記録が評価を高めていた本作品というだけあり、期待をして見に行った。

確かにこの映画はとてもすばらしい作品だった。世界興行収入の高さもうなずける。ただ、少し期待ばかりが膨らんでしまい、完ぺきを求めるあまり至らない点が目についたことも確かであった。

この映画の特に素晴らしい点は3つ。
ひとつは、挿入歌である。本作品は全編を通してミュージカル調になっているため、感情や状況などを歌で表現している。主題歌の「Let it go」はもはや世界的に有名だろう。作中に歌われる歌はどれも素晴らしく、その映像の美しさとあいまって、歌声に心を奪われてしまう。この作品が爆発的なヒットを出せた理由はまさに主題歌のおかげと言っても過言ではないだろう。

次にディズニーブランドが誇る映像技術だ。氷の透明感や雪のやわらかさなどがまるで直接触れているかのように伝わってくる。映像だけで、観客に寒さを感じさせたり、質感を感じさせたりできる技術はまさにディズニーならではの体験だと思う。そして登場人物たちの表情の豊かさ。その表現力を十分に生かすことのできるキャラクターも魅力的だ。特に主人公のアナは非常に激しく感情を表に出すキャラクターで、彼女の表情を見ているだけで世界観に飲み込まれてしまう。

そして最後に、オラフという愛すべきキャラクターだ。
ディズニーは今までに愛すべき名脇役を数多く生み出してきているわけだが、今回圧倒的な存在感をかもし出していた雪だるまのオラフ。彼の人懐こい性格、奇想天外な回答、そして笑いのテンポ。主人公たちを食ってしまうほどの勢いで暴走を続けるオラフは今後、名脇役の代表として人気を博するだろう。
日本語吹き替え版ではピエール瀧という人選がとても良かったと思う。彼以外には考えられぬほど素晴らしい人選だった。

惜しい点をあげるならば、悪役だろう。例えば「シュガーラッシュ」では悪役の伏線が非常に巧みに張られていたし、「ラプンツェル」ではキャラクターが悪役になる瞬間を非常につじつまのあった構成で描いていた。それゆえに期待をしていたのだが、今回は悪役キャラクターの作られ方が雑だった。

しかし見所はたくさんある素晴らしい作品であることには間違いない。
日本語吹き替えのキャストが適任ということと、字幕に集中することなく映像も堪能できるので是非吹き替えをおすすめしたい。

pullus