四十九日のレシピのレビュー・感想・評価
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だって、にんげんだもの…
余韻も含めて、素晴らしかった… 今年の邦画一番かも。 子を成す、ということに身をつまされる四十手間の独身男というのを差し引いても。 欠点が有るのが人間。 その足りないトコを補う相手を見つけたり、補う何かを身につけるのが人間。 タナダユキ監督ならではの、暖かく突き放した視点で描かれていたのが見事で。 石橋蓮司&原田泰造の男性陣の演技がまた見事。 何より今の時代の「家族」の可能性を感じられたのが嬉しかった… 邦画はまだ死んで無い… そんな事を改めて考えさせられる作品でした。
重苦しいテーマを上手くまとめてるけど。。。
父の連れ子と血縁なき子の家族を軸に、ちょっと足らないプチ不幸の脇役を配置。人生の機微を描いて、感動がじんわり盛り上がる。 横の席のおばちゃんがぐすぐすしてたのだけれど、感動の波に乗れず。 うーん、なんなんだろうか、この沈滞感は。 あり得ないストーリー展開もあって、最後まで、暗い画面の色調とともに、馴染めなかった。
見事な最期
家族って、わかってるつもりでいても、いざとなると何も知らい。 母がどんな人だったのか。 空虚が漂う乙美の死後、その空虚を埋めて家族を再生させたのは、 死んだ乙美が残してくれた、生活のためのレシピ。 そして、乙美のレシピを実行するために乙美に頼まれていたという派手な服装で乗り込んできたイモ(二階堂ふみ)と、ブラジル人のハル(岡田将生)。 四十九日は大宴会をして欲しいという乙美の希望を実現するために娘の百合子(永作博美)と乙美の夫であり百合子の父である良平(石橋蓮司)と、イモ、ハルの4人の奇妙な共同生活が始まる。 それぞれのキャストが個性的であるが、皆憎めないキャラクタで、微笑ましい。 そして、乙美のレシピを実行していくうちに明るく、強く変わっていく百合子。 明るく振舞うイモにも、ハルにもそれぞれ抱えている問題があるが、自ら問題の解決へと進んでいる。 何よりも、不器用ながら、娘の心配をし、また、イキイキとレシピを実行する良平が魅力的だ。 生きていく上に大事なことって一体何か。 本当に幸せって感じられることって一体何だろう。 そんなことを、重くならずに考えるきっかけになる映画だ。 今回も、ユニークな役を演じる二階堂ふみ。しかし、今回の映画ではその可愛らしさが全開で振りまかれている。
熱々ブタマン
妻に先立たれボーとしている父と離婚の危機にある娘。暗い雰囲気の父娘の間に明るいアクセントをつける二人の若者。日系ブラジル人のハルは感情を日本語でうまく表現できない類型的存在で新鮮味がない。イモは自分の過去を引きづりながらも、常に明るく父娘をレシピの方向に導き、掃除も料理も積極的にこなし、一緒にいて飽きない存在だ。 四十九日の大宴会は大勢集まって賑やかでよかったね。でも、意地悪く考えると「ただで飲み食いできる」と集まった人もいるかもしれない。しかし、乙美にすれば生前を知る人々が多く集まってくれたことだけで満足だろう。 ある番組のCMで「なんちゃって」を付けると人間関係はうまくいくというのがある。イモは「ニャン」を付ければいいと言う。蓮司の「ニャン」が聞きたかった。 笑いは一発芸があるように一場面で笑わせることができる。泣きはプロセスが必要だ。段階を踏んで個々の琴線を刺激する場面で泣ける。だから、ハワイアンで泣けるのだ。
じわっと心にしみ込む映画
傑作だった。映画館に二度足を運んだ。 永作さんと蓮司さんの間の取り方が素晴らしくて呼吸がとまりそうになる。 一度目は主人公の目線で見た。痛々しい悩みに心を締め付けられ、亡くなった母の残した優しさにポロポロと自然と涙がこぼれた。 二度目は父の目線で観た。自分も立ち直っていないのに傷ついた娘の為に立ち上がろうとする優しさが本当にグッときた。イモやハルがなんて心強いんだ。ちょっとアホだけど、変だけど、人の温もりを何より大切にする魅力的な若者たち。嫌な過去があったからこそ純粋に他人に愛情を注げる力を養えたのだと思う。それが母が残した大切なものなのだろう。 人生に空白などない、どこかで誰かが絶対見ていてくれる、考えてくれているというメッセージにハッとさせられた。その分、自分も人と真摯に向き合っていかなくてはと考えさせられた。 主人公たちが何処へ向かっていくのか、結論は上手く明らかにせず、観た者に考えさせるようにしているが、二度目を観た時、オヤ?と思わされる伏線があった。 この映画は、すばらしい感覚を持った人たちが作り上げたのだとはっきり言える。
なんであんなラストに・・・
妻に先立たれ独りになった父と、夫との離婚を決めた娘が、遺された“暮らしのレシピカード”を基に互いの生活基盤を立て直す物語。 愛想はないが娘や亡くなった妻への想いが強い父に石橋蓮司、母との関係を見つめなおす娘に永作博美が扮する。穏やかで生活感のある自然体で向き合う姿は本当の父娘のようだ。 二人の間に割って入る不思議ちゃん・イモが時間は、止まってしまっている熱田家に風を吹き込み、父と娘、そして妻であり母だった女性、その三人の心を手繰り寄せる接着剤的な役割り。人見知りをせず一見図々しい言動を見せるが、ほかの誰よりも現実を真っ直ぐ捉えるイモを二階堂ふみが好演。何本か観たことがあるが、器用な女優でクセもある。石橋蓮司と永作博美の間に入っても引けをとらない。 それに比べると日系ブラジル青年の岡田将生は笑顔だけ。無名でいいから本物の日系ブラジル人を使ったほうが良かったのではないか。 古い考えで世間体を気にする伯母を演じた淡路恵子。一方的に考えを押し付ける物言いにイラッとするほどの演技はさすが大ベテラン。 人が生きるということは、少なからず人に影響を与えること。何もなく亡くなっていく人はいない。そんなことを改めて感じさせる作品。 難をいえば、大団円にする必要はなかった。わからない人は最後までわからず屋にしておいてよかった。人の気持ちはそんなたやすくコロっと変わったりはしない。不自然だ。 石橋蓮司と永作博美の演技が見応えあるだけに、父と娘、二人の成り行きに集中するだけで充分だった。 ついでにいえば、娘がくだす決断も同意できない。
劇場からすすり泣き・・・
感動ものの 泣きまくる映画だろうと 思ってみましたが 単に泣けるだけでなく 人生の人とのつながりの大切さを 教えてくれた 映画でした。 人は血のつながりだけではない、やさしさや思いやりが 人と人との絆を作るんだなと感じさせる映画でした 二階堂ふみが今回もいい味だしています。 日系ブラジル3世を演じる岡田将生もいいし その他ベテラン俳優陣も素晴らしかったです!! 劇場内はすすり泣きが聞こえてました もちろん 私も・・・ ぜひ 劇場でハンカチ握りしめて ごらんください。
人生の処方箋、いただきました
人は生きていれば、必ず誰かの人生に影響を与えるものなんだなと、この映画を見てしみじみ考えさせられました。 人の人生に空白なんて無いんだなと・・・。 子供が埋めないから負け組? そんなことはない、幸せの価値感は人それぞれ、下を向く必要は全く無し。 人生の幕が降りる時、いろいろあったけどいい人生だったなと思えればそれでいいんです。 まあ劇的なシーンや派手な盛り上がりはそれほどない映画でしたけど、子供を埋めない女性・・・いや、いろいろな悩みを抱えながら生きる全ての人達へ勇気を与える、何とも味わい深い一本だったなと思いました! この映画を見たら、親に対してきっと優しくなれるはずですよ。 ジンワリと心に染みました・・・。 永作博美(百合子)・・・子宝に恵まれず旦那にも不倫され実家に出戻って来た疲れ具合がまさに絶品! いつもながらに役選びが上手いですね。 百合子はおっかの人生に触れたおかげで、きっとこれからの人生また輝きを取り戻せるはずです・・・。 石橋蓮司(百合子の父・良平)・・・声がデカイ無骨な親父役が本当に嵌っていましたね。 何でこんなオヤジに乙美さんは惚れたのだろうかと言う疑問も、回想シーンで妙に納得。 もっと優しくしてあげれば良かったのに、って、まあいなくなって気付くのが人生だったりもしますよね・・・。 岡田将生(ハル)・・・まさかの日系ブラジル人役。 最初カタコトの日本語を聞いた時はこれは滑ったなと思ったものでしたが、終わってみれば何とも味のあるキャラだったなと思えるよう持ってくる辺り、さすがは岡田将生でした。 二階堂ふみ(イモ)・・・出ましたハイテンションキャラ、まさしくザ・二階堂ふみと言えるようなキャラクターでしたね。 ただ、ハイテンションの陰で時折見せる寂しげな表情が、イモの人生を表しているようでちょっと切なくなりました。 相変わらず若いのに演技が上手い、上手過ぎる・・・。 原田泰造(浩之)・・・二枚目ではないが三枚目でもない、悪い人ではないが良い人でもない、そんな難しい役どころを見事に演じ切っていたと思いました。 曲がったことは大嫌い(笑)なはずなのに、誘惑に負けちゃダメですよ・・・。 内田慈(浩之の不倫相手)・・・女の性の塊のような不倫相手でしたね・・・。 これだけ嫌な感じの雰囲気を醸し出す女性を平然と演じてしまうこの女優さん、相当の強者かも。 淡路恵子(珠子)・・・ずっと不快感を感じさせるような演技はある意味さすがの一言。 しかもまさかあんなどんでん返しが待っているとは・・・やられました! 中野英樹(若き日の良平)・・・確かに歳をとったら石橋蓮司になりそうな雰囲気でしたね(笑) 不器用だけど心は温かい、そんなところに乙美さんは惚れたのでしょう。 荻野友里(乙美)・・・本当に優しくて温かいお義母さんでした、しかも美しかった! この女優さん、どこかで見たはずなのに、作品リストを見ても全く浮かんでこない・・・。 タイトルにレシピが付く割にそれほどおいしそうな料理は出てきませんでしたが、ソースがドロドロのコロッケパンは本当においしそうでしたね。 とりあえずコロッケパンを買ってこようかな・・・、いや、インスタントみそバターラーメンも捨てがたい・・・って、どっちも食べればいいのか。
ほんわかいい映画
永作さんと岡田将生が気になり観たけど、他の俳優・女優さんも素敵でした! ところどころクスっと笑える感じがいい。 涙もろいので、途中からボロボロ泣きました。 最後はバタバタとまとまった感あったけど、後味は良くて観て良かったなと思いました。 これよりいい映画もたくさんあるんでしょうが、出演者のファンならみといて損はないかと☆ 特に、二階堂ふみちゃんのキャラが可愛かった! 子どもがいなくても、人とのつながりを大切にしていれば皆に愛される幸せな人生をおくれるのだと、あたたかい気持ちになりました。 永作さん演じる主人公は最初「でも」が多くて少しイライラしたけど、自分もそうなりがち。最後は素敵な女性へと輝きをとりもどします。 明日からもっと、家族や周りの人達に親切にしたい・感謝したいなと思った気持ちを忘れないために。 この映画を思い出し、笑顔を心がけます。
リアリティがいまひとつ
子どもを産まない女性がこんなに罵倒されるのって、田舎だとまだあるのかなあ・・・。あまりリアリティがないけど、串にさしたアメリカンドッグ(?)のエピソードは、ありそうでとてもよかったです。ところで百合子は専業主婦なのでしょうか。義理のお母さんみたいにお仕事した方がいいと思うな。あの旦那さんだとまた浮気しかねないしね!! それと内田慈(ちか)さんを知ったのは収穫でした。嫌な女っぷりが最高にすばらしい。
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