劇場公開日 2013年11月9日

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「人生の処方箋、いただきました」四十九日のレシピ シュナイダーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人生の処方箋、いただきました

2013年11月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

人は生きていれば、必ず誰かの人生に影響を与えるものなんだなと、この映画を見てしみじみ考えさせられました。
人の人生に空白なんて無いんだなと・・・。

子供が埋めないから負け組?
そんなことはない、幸せの価値感は人それぞれ、下を向く必要は全く無し。
人生の幕が降りる時、いろいろあったけどいい人生だったなと思えればそれでいいんです。

まあ劇的なシーンや派手な盛り上がりはそれほどない映画でしたけど、子供を埋めない女性・・・いや、いろいろな悩みを抱えながら生きる全ての人達へ勇気を与える、何とも味わい深い一本だったなと思いました!
この映画を見たら、親に対してきっと優しくなれるはずですよ。
ジンワリと心に染みました・・・。

永作博美(百合子)・・・子宝に恵まれず旦那にも不倫され実家に出戻って来た疲れ具合がまさに絶品!
いつもながらに役選びが上手いですね。
百合子はおっかの人生に触れたおかげで、きっとこれからの人生また輝きを取り戻せるはずです・・・。

石橋蓮司(百合子の父・良平)・・・声がデカイ無骨な親父役が本当に嵌っていましたね。
何でこんなオヤジに乙美さんは惚れたのだろうかと言う疑問も、回想シーンで妙に納得。
もっと優しくしてあげれば良かったのに、って、まあいなくなって気付くのが人生だったりもしますよね・・・。

岡田将生(ハル)・・・まさかの日系ブラジル人役。
最初カタコトの日本語を聞いた時はこれは滑ったなと思ったものでしたが、終わってみれば何とも味のあるキャラだったなと思えるよう持ってくる辺り、さすがは岡田将生でした。

二階堂ふみ(イモ)・・・出ましたハイテンションキャラ、まさしくザ・二階堂ふみと言えるようなキャラクターでしたね。
ただ、ハイテンションの陰で時折見せる寂しげな表情が、イモの人生を表しているようでちょっと切なくなりました。
相変わらず若いのに演技が上手い、上手過ぎる・・・。

原田泰造(浩之)・・・二枚目ではないが三枚目でもない、悪い人ではないが良い人でもない、そんな難しい役どころを見事に演じ切っていたと思いました。
曲がったことは大嫌い(笑)なはずなのに、誘惑に負けちゃダメですよ・・・。

内田慈(浩之の不倫相手)・・・女の性の塊のような不倫相手でしたね・・・。
これだけ嫌な感じの雰囲気を醸し出す女性を平然と演じてしまうこの女優さん、相当の強者かも。

淡路恵子(珠子)・・・ずっと不快感を感じさせるような演技はある意味さすがの一言。
しかもまさかあんなどんでん返しが待っているとは・・・やられました!

中野英樹(若き日の良平)・・・確かに歳をとったら石橋蓮司になりそうな雰囲気でしたね(笑)
不器用だけど心は温かい、そんなところに乙美さんは惚れたのでしょう。

荻野友里(乙美)・・・本当に優しくて温かいお義母さんでした、しかも美しかった!
この女優さん、どこかで見たはずなのに、作品リストを見ても全く浮かんでこない・・・。

タイトルにレシピが付く割にそれほどおいしそうな料理は出てきませんでしたが、ソースがドロドロのコロッケパンは本当においしそうでしたね。
とりあえずコロッケパンを買ってこようかな・・・、いや、インスタントみそバターラーメンも捨てがたい・・・って、どっちも食べればいいのか。

シュナイダー