劇場公開日 2013年11月9日

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「故人を見送るレシピを巡る地味で淡々とした小さなドラマ」四十九日のレシピ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0故人を見送るレシピを巡る地味で淡々とした小さなドラマ

2018年5月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

最愛の妻乙美を亡くした良平のもとにゴスルックの女子イモが突然訪れる。イモは生前の乙美から「レシピ」を預かり四十九日までの家事を引き受けたのだという。そこへ良平の一人娘、夫から離婚を迫られて疲弊した百合子が東京から戻ってくる。さらに生前の乙美に世話になったという日系ブラジル人のハルも合流、「レシピ」に則って、四十九日の大パーティーを開催するため、奇妙な4人の共同作業が始まる。

いわゆる”泣かせ”はどこにもなく、故人を見送る「レシピ」が残された人達のこれからを導くガイドブックになる様を最小限のセリフと声のトーン、歩き方や仕草と表情で淡々と丁寧に描写する地味な小品。余りに淡々としているのでレシピに書かれたメニューがどれも美味しそうに見えないという欠点もありますが、深みのある俳優陣の演技が帳消しにしています。石橋蓮司のどうしようもなく不器用な愛情表現、若き日の乙美を演じた荻野友里の憂いをたたえた笑顔、特に素晴らしかったのは二階堂ふみ。最後の最後でやっと彼女と判ったくらいに素っ頓狂なキャラをキュートに演じていました。

よね