劇場公開日 2013年5月11日

  • 予告編を見る

「面白かったけど気が散る」探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 いずるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5面白かったけど気が散る

2013年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

萌える

やっぱりシリーズものの二作目は前作を超えないのかな……なんて。
原作既読です。

前作よりも、お色気シーン増量、ギャグシーン増量、アクションも大増量!!
ってことで、お気楽映画感が強くなっています。
前作の『語りはハードボイルドだけど、やっていることはふざけている』というギャップが好きだったので……
今作ではハードボイルド感が無くなってしまい、個人的には微妙な気分。
二作目らしいお遊びがいっぱいあるので、楽しめます。
映り込む背景で色々やっていて、そっちに気を取られっぱなしでストーリーが入ってこない、とも言えます (笑)
赤青黄色の凸凹トリオが町を行くのもけっこうおもしろいですし。信号色ですねー。

楽しんでみるのが映画です。
でも、楽しいシーンがまとめて、ドン、ドン、ドンとあって、一遍に食べきれないご飯を口に含んだみたいになる。
さっきお色気シーンがあって、もう一回お色気シーンがあって、またお色気……となれば「もういいよお腹いっぱい」てな感じに食傷ぎみです。アクションも、「さっき逃げてたし、もう殴られてたじゃんかー、何回殴って殴られんだよーまじでー、バットで殴りすぎー」とちょっと冷める。もっとシーン分散できなかったのかな。

そんな気分がシリアスな場面を見ている心境にも影響したのでしょうか?
シリアスなシーンも長ったらしく感じて、劇中、超気が散ってました。
一言でいえば、バランス悪い。一つ一つのシーンはきちんと面白いんですけど、流れが悪い。
序盤から中盤はとてもよかったです。
また次作もあるでしょう。次作も期待。

今作で、高田の出番が増えてたのはうれしい。
うれしい、うれしいけど、そりゃ探偵と高田、男子二人の間によそ者の女子が紛れ込んで珍道中、という構図はとても楽しいけど……映画として、高田出過ぎじゃない?と思いました。
『必ず』ピンチに駆けつけるのではドキドキハラハラ感もない。
原作と違い、強力な味方がいるから堂々と道を歩いていられる=アクションシーンも増えるっていう単純な式のように感じます。

そもそも、原作のチョイスが違うのかな。
原作「探偵はひとりぼっち」は探偵の孤軍奮闘ぶりを楽しむもので、大筋のストーリー自体は……。総合的に面白い本、なので探偵の孤軍奮闘ぶりがないならお察しです。
時期的にぴったりな政治物をやりたかったから、選んだのでしょうね。

一作目から、映画と原作は細かいところから大きなところまでだいぶ違います。
それなら、もっと大幅にストーリーが違ってたってかまわないのに。

シリーズものとしてみればわるくないですし、1、2とちゃんと続けて見るならば十分満足いく作品です。

携帯を持たないのが探偵、そこにうんうんとうなずいた原作ファンは多いでしょう。
だがしかしもっと重要なのは、スーツにこだわる探偵です。
ちゃんと『探偵がスーツにこだわる』シーンがあれば!
映画だけ見てたら、探偵の衣装チェンジにもテンションあがらないはず。
そもそも序盤でカジュアルなジャケット?を着ていたので、『ああ、スーツ以外の私服も持ってるし、着て外に出かけちゃうんだ』とちょっと残念。(それとも原作でジャケット着てましたっけ?)
映画と原作が違うのはわかります、けどー。変なスーツにこだわっているのが、探偵だと思っていたので。宇宙みたいなパープルのスーツを着ているのが探偵じゃん!!

いずる