「急転直下」探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
急転直下
前作よりは好き。
前作の登場人物達が続投するおかげで「ススキノ」って街の輪郭が出てきたような感じ。そして、そこに生息する探偵にも説得力が付与される。
狭い地域に間違いはないが、人の数だけドラマがあるってスタンスが色濃く出てくる。
良く出来た物語ではあって、さり気ない前振りが結構な核心をついてたりと…技アリな構成だった。
それを察知させない演出なのか、大泉氏のキャラなのか…功を奏してた。
ただ、ちょっとおふざけが過ぎる。
なんかガチャガチャしてて、リアリズムをあんまり感じなかった。アクションで萎える。
路面バスに大勢乗り込んできての乱闘なんかは、もっと魅せれるはずなんだけど、どおにもやる気が感じられない。押しくら饅頭を長々と見せられてる感じだった。
かなりヤバい状況なのに、そのヤバさが全く表現されずで…全く無駄な印象だった。
前作の教祖が出てくるのも突然過ぎて…あれは3にも出てきてお約束的な立ち位置になったりすんだろうか?そいでもって3では協力者的な立ち位置になるんだろうか?
物語の結末は、政治的な側面などまるでなく人間らしい動機で結構好き。
振り上げた拳の落とし所がなく、徒労に終わりそうな結末から一転、畳み掛けるようなラストは好きだった。
結局の所、学生が白状するまで全く的外れな捜査をしてたわけなのだけど、それが絶大なるミスリード…いや、原作者的には確信犯なのだけど、大胆というか反則というか、盛大に騙された感だけはある。
ユーモアへの振り幅を少し抑えて、リアリズムに振れていればもっと楽しいのかなと思う。
バランスが悪かった、かな。
脱力した感じを活かす為にも、脱力出来ない部分をしっかりと提示して欲しかったかなぁ。
大泉氏と松田氏のバディ感は結構こなれてきてて…エンドロールで交わされる会話なんかは超好きだ。